芸能人や政治家も失敗するツイッターの炎上対応。「言葉足らずでした」が悪手の理由は?
ツイッターで何気なくつぶやいた。
そうしたら、自分の意図が上手く伝わらず、批判が殺到。リプライの連続で、通知が鳴りやまない炎上状態に。
よくよく振り返ると、そのツイートは自分に落ち度があった。素直に謝らなければいけない。
そんなときによく使われるのが「言葉足らずでした」というフレーズだ。
芸能人や政治家など著名人が批判を受けてこの言葉を使うことがある。今回のコロナ禍でも、スガシカオさんが一致団結して乗り越えようとツイートした結果、批判が殺到。「言葉足らずでした」という謝罪ツイートとともに、当該ツイートを削除した。
ではここで考えてみてほしい。
次のうち「言葉足らずでした」という謝り方が適切なケースはどれだろう。
(1)事実誤認に基づいた批判をしていた
(2)特定の国や民族を貶める発言をしていた
(3)不謹慎すぎる冗談を書いてしまった
「言葉足らず」というワードは、色々なシーンで使われる。仕事においても話が通じなかったとき、相手に詳しい説明を要求されたときに、「言葉足らずで申し訳ございませんでした」と謝るのが基本的なマナーとされている。
ただし、ツイッターでの炎上に関しては「言葉足らずでした」だけでは、「仕方がない」と寛大に許されるケースはまずない。
また、上の3つのケースはいずれも、自分のウカツさや根深い差別意識、感覚のズレが原因だ。そこに触れず「説明が足りなかった」と言い訳をすると、セコさが浮き出てしまったり、反省の色が見えないように感じられてしまう。
どんなケースでも「言葉足らずでした」は悪手なのだ。安易に使わないようにすべきだろう。
■バッシングされている芸能人を擁護したら自分も炎上。そのときの適切な対応は?
このクイズは、『大人養成講座』などで知られるコラムニスト・石原壮一郎氏の新刊となる『恥をかかない コミュマスター養成ドリル 失敗例5パターンに学ぶ会話とメールとSNS』(扶桑社刊)に掲載されているもの。
コミュニケーションで困ってしまう、様々な「あるある」シーンに対してドリル形式で対処法を覚えていく本書だが、現代においては免れることができないSNS上でのコミュニケーションにまつわる問題も登場する。
例えば、冒頭の問題の発展形のような設問がある。
失言がもとで世間からバッシングを受けている芸能人について、ツイッターで擁護をした。すると「あんなヤツの味方をするなんて」といったような非難が殺到。間違ったことを書いたつもりはないが、どう対処すべきか。
(1)べつに何もせず、勝手に言わせておく
(2)「お疲れさまです。貴重なご意見ありがとうございます」とツイートしておく
(3)あらためて擁護した理由をていねいに説明するツイートをする
このときの対応は(2)が正解、(1)でも可というところだ。
ツイッターは場の空気が支配しがちなので、「こいつはバッシングしてもいい」という空気になると、その周辺まで青筋立てて非難してくるようになる。(3)は親切すぎるうえに不毛なので、やめておこう。反応は(1)で十分だが、あえて(2)にすることで、こちらのモヤモヤを少しだけ晴らすこともできると石原氏。
こうしたことは覚えておくだけでも、いざそのケースに遭遇したときに慌てずに対処できるようになる。
「言葉足らず」「早トチリ」「裏読み」「勘違い」「場の空気」という5つの章から、読者がコミュニケーションの達人と言える「コミュマスター」になるためのサポートをしてくれる本書。
不毛な議論に巻き込まれるような失敗をしないためにも、一読したいところだ。
(新刊JP編集部)