犬や馬をパートナーとする「動物性愛者」。その「禁忌」の先にあるものとは?
第17回開高健ノンフィクション賞を受賞した『聖なるズー』(集英社刊)。
そのテーマは「動物との性愛」だ。
動物とセックスをする人たち――この言葉を聞いて、興味を抱く人もいれば、「嫌悪感」を抱く人もいるかもしれない。ただ、本を開く前に、これまで生きてきた中で頭の奥にこびりついてしまった規範、そして価値観をできるかぎり取り払うことをおすすめする。
動物とパートナーシップを築くたくさんの登場人物=ズーたち。その人物たちに振り回され(?)ながら、そして迷いながら文化人類学におけるセクシュアリティ研究を進める濱野ちひろさん。本の至るところに議論の切り口が散らばり、私たち読者はズーたちが発する言葉一つ一つと向き合いながら、ページをめくっていくことになる。
単身ドイツに渡り、動物性愛者による団体「ZETA(ゼータ)」にアクセスし、動物とセックスをする人たちとともに生活をした濱野さん。その時間の中で見つけたものとは。新刊JP編集部はお話をうかがった。
(聞き手・構成:金井元貴)