周囲に流されない人になるために知るべき4つのこと
勉強やダイエットが続かない。新しいことに挑戦しようと思いながらも、なかなか始められない。そんな状態に陥っている人は、「信念」をしっかりと持って取り組めていないからかもしれない。
『人生を変えるマインドレコーディング』(佐々木誠著、扶桑社刊)では、コンサルタントの佐々木誠氏が「信念」を見つける方法である「マインドレコーディング」を紹介している。
■物事が長続きしない人は「信念」を取り戻せ
勉強を始めよう、ダイエットをしようなどと思い立ったとき、「こうすればうまくいく」という理屈だけでは行動できないもの。人が行動するには理由がいる。その理由となるのが信念だ。
どんな行動をとるかは何を信じているかで決まる。長続きしない、すぐに飽きてしまう、といった悩みは、信念を持つことである程度解消できる。
だが、人は良くも悪くも他人や社会通念の影響を受けるもの。周囲の言動や「誰もがそうするもの」という社会通念に流されてしまうことはおうおうにしてある。信念を持つということは、周囲の環境や言説に流されてしまいがちな自分を認識し、確固たる自分を取り戻すことから始まる。
大切なことは、社会通念を鵜呑みにしないということ。
私たちがとらわれやすい社会通念には「参加」「勝利」「正解」「利他」の4つがあると著者は考えている。
1.参加する必要はない
私たちは「学校や会社といった集団に参加すべき」と当たり前のように考えているが、集団に馴染めなかったり、疎まれたりすることは誰にでも起こる。
みんなは当たり前にできているのに、どうして自分はできないのか?という悩みにとらわれてしまうと、自力で立ち直るのは困難だろう。「行かなくてもいい、やめてもいい、逃げてもいい」と周りの人が離脱をアドバイスしてあげる必要がある。
2.勝利する必要はない
容姿、学歴、年収など、人はいろいろな場面で他人に勝とうとする。この「勝利」の社会通念から抜け出すのに必要なのが「学び」だ。
目先の勝ち負けだけでなく、勝利からは勝因を、敗北からは敗因を考えられるようになると、「何がなんでも勝つべき」というとらわれから抜け出せる。
3.正解は一つではない
正解や正しさにとらわれ、相手を許せなくなった心の状態が「裁き」。その心は罪と罰を生み出し、相手を非難する口実は自分にあると錯覚させる。だが、誰かのことを叩いても、自分が正しくなるわけでもなければ、偉くなるわけでもない。
正解や正しさから抜け出すコツは「人それぞれ」だと著者。自分には自分の事情があり、相手には相手の事情がある。それがわかるようになると、持論にこり固まらず、異論を受け入れられるようになる。
4.利他は自己犠牲ではない
もっと相手のことを考えましょう、相手のためになりましょう、と私たちが利他だと思っていることの大半は自己犠牲。
たとえば、自分が我慢すれば丸く収まるという発想は利他ではない。「利他」ができるようになるには、まず「利己」ができなくてはならない。自分と他人双方を知り、両方が納得するように動くことが重要なのだ。
これらの社会通念にとらわれやすい根拠を知っておけば、「その根拠は筋違いだ」と指摘して「自分はそう思わない」と相手の要求を拒むことができる。それは一つ「自分を取り戻せた」ということでもある。
自分を取り戻すとは、相手の要求に「ノー」と言えるようになること。まずは、環境や人に振り回されない自分になることが大切なのだ。
物事が続かなかったり、何かに迷ったときは、社会や人に流されていたり、信念が揺らいているときかもしれない。そんなとき、本書を読みながら、もう一度、自分と向き合ってみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)