成功の可能性を潰す「自分らしさ」という罠
「将来なりたい職業」
「いつかなりたい自分」
こういう理想を実現するのに必要なものはなにか。スキルを身に着けることや的確な戦略を作ることはもちろん不可欠だろう。しかし、それらを備えていても、現実にはうまくいく人とそうでない人に分かれてしまう。
つまるところ、成功と失敗を分けるものはなんなのか?
■「自分らしさ」が可能性をつぶす
女性を対象とした起業ブランディングコンサルティングを行っていて、ミス・グランド・ジャパン2019のキャリアアドバイザーも務める後藤勇人さんは、著書『女性が仕事で夢を叶える! 心磨き7レッスン』(みらいパブリッシング刊)で「成功する人、しない人の差はマインドセット」だとしている。どんなに努力をしていても、才能があっても、マインドが磨かれていなければ実際に成功することはないし、仮に自分の思いを実現することができても、その状態は長続きしない。スキルやノウハウは、アウトソーシングできても、マインドだけじゃ、人に任せるわけにはいかないのだ。
では、成功する人のマインドセットとはどのようなものなのか。本書では、「行為」や「人間関係」「時間」「お金」「問題解決「自己実現」「逆境」など、7つのキーワードに沿ってそれを解説している。もしかしたら、これまでに培われてきた常識や思い込みが、成功を妨げるマインドセットとなって、あなたの人生を邪魔してしまっているのかもしれない。
たとえば「行動」については、自分以外の価値観を素直に受け入れてみること。これは簡単そうに思えるが、実際にできる人は少ない。「自分らしさ」との間に衝突が起きるからである。
誰でも「自分らしさ」は大切にしたいはず。しかし「自分らしさ」は自分の価値観に固執することでもある。その意固地さは、時に成功を遠ざけてしまう。自分の思う「自分らしさ」はひとまず脇に置いておき、他の人はどう考えて、どうやっているのかを素直な目でとらえ、メンターや先駆者の意見を受け入れられるかが、成功の近道なのだ。
■短時間で結果を求める人が知るべき「1万時間の法則」
もう一つ「結果」を欲しがりすぎないことも大切だと後藤氏はいう。
もちろん、最終的に自分の望む結果を出さなければ元も子もない。ただ、どんなことでも一人前になるには1万時間必要だといわれる。
短期間で結果を出そうとする人ほど、本当にやるべきことに腰を据えて取り組まず、一見近道に見えることにあれこれと手を出しては、中途半端なままやめるということ繰り返してしまう。
また、自分の成功イメージができないまま、いきなり行動に移してしまう人も失敗しやすいという。これは、熱意が空回りしてしまうタイプと言えるかもしれない。
「思い立ったが吉日」は確かだが、夢を実現するための行動は「自分がどうなりたいか」「成功したらどうなるか」というイメージを具体的に先に描けてはじめて身を結ぶのだ。
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ここでは「行動」にまつわるマインドセットを紹介したが、本書では「人間関係」「お金」など自分の望む人生を送れるか否かのキーファクターについて、成功する人のマインドセットについて解説している。
努力しているのにいまいち成果が出ない人。
勉強が実を結ばない人。
モチベーションが続かない人。
こういう人は自分のマインドセットを少しだけ見直してみよう。心がけ一つで、行動は変わる。もちろん、行動が変われば、結果も変わるのだ。
(新刊JP編集部)