金運に“トレンド”はあるのか? 金運専門雑誌の編集長に話を聞いてみた(後編)
世の中には様々な雑誌があるが、「金運」をテーマにした雑誌があることを知っているだろうか。マキノ出版から季刊で刊行されている『ゆほびかGOLD 幸せなお金持ちになる本』だ。
今年1月に刊行された『ゆほびかGOLD Vol.41』の表紙に書かれた特集は「大金運の法則2019」。そして4月8日に出版される最新号の特集は「神様に愛されてお金持ちになる!」となっている。
この『ゆほびかGOLD』、2008年創刊以来の各号の特集を並べていくと、金運の世界の流れが見えてくる。近年は「龍」「神社」「マインドフルネス」といったワードが並び、それ以前を調べていくと「口ぐせ」「財布」「般若心経」「引き寄せの法則」、さらには「宇宙音」「手相」といったその時々の“トレンド”らしきものが見えてくる。
では、こうした金運の世界のトレンドはどのように生まれているのか? 気になった新刊JP編集部は『ゆほびかGOLD』編集長のマキノ出版・高橋真人さんにお話をうかがった。
その後編をお伝えする。
(新刊JP編集部)
■編集部に「お金が増えない!」というクレームって来るの?
――『ゆほびかGOLD』は「金運」がテーマですけれど、実践しても必ずお金が増える、お金が集まるという保証はありません。実践された読者から「お金が増えない!」というクレームを入れられることってありますか?
高橋:クレームはいただくこともありますが、おそらく想像されている以上に少ないです。むしろ多い問い合わせとしては、「付録のCDは朝何時に聞けばいいのか」とか、「付録のカードは普通に捨てて大丈夫なのか」といったことですね。また、運気が変わらないという電話がきたとしても、クレームではなくて「どうすればいいの?」という質問だったりします。
――確かに上手くいっていないと「どうすればいい?」と思いますよね。そういう質問をされたときにどのように答えるのでしょうか。
高橋:「今は最大の幸運を得るための準備期間なのだ」というのは一つあります。弓は弦を限界まで引き切ったほうが、矢が鋭く遠くまで飛びますよね。あなたは今、途中までしか弓を引いていない状態なのに、こんなところで矢を放っていいのですか? もっと弓を引き続けたほうが結果的に得ですよ、もったいないですよと。
この話の元ネタは故・小林正観先生で、「いくらトイレ掃除をしても運気が上がらないんだけど」という人に、こういうお話をされたと聞いています。
あと、ピンと来るもの、楽しいもの、続けられる開運法を選ぶことが大切ですね。半信半疑でも「このおふだを財布に入れているとなんかうれしい」とか、「このCDをかけるとなんか気持ちいい」とか。そうすると、思い描いていた結果が出なくても、腹も立たない。「全然効かないじゃないか!」と怒るのではなくて、効かなくても楽しいとか笑える心持ちでいるのが運気を招くというか。その辺に『ゆほびかGOLD』が発信してきたことの本質があるのかもしれません(笑)。
――では、逆に金運アップに執着しないことが逆に良いということでしょうか。
高橋:皆さんお金をすごく大事にされていますし、だからこそ金運アップ術を積極的に実践されますよね。
ただ、『ゆほびかGOLD』に出てこられる先生方は、金運が上がるのはもちろんいいことだけど、それは通過点に過ぎないという話をよくされます。良い人生を送ることがゴールであり、そのために生きていればおのずと金運も上がってくる。
お金は大事ですし、金運アップも重要ですが、それを最終目的にしてしまうと、お金だけの人生で終わってしまう。その先のゴールを目指すことが本当の豊かさにつながるということを先生方は分かっていらっしゃるんでしょうね。
――これだけ科学が発達している中で、運や占い、自己啓発といったものに人が引きつけられるのは何故だと思いますか?
高橋:よく「物から精神へ」と言われますが、バブルの崩壊を経て物質的な豊かさよりも大事なものがあると考え始めた人が多いのではないかと思います。そして、2000年代に入るくらいのときに、精神世界的に人間がもっと進化していくタイミングだと言う人が増えたんですよね。
また、近年の神社ブームについても、インターネットや人工知能の発展が逆に現場に向かわせているといいますか、ネットで得られないものを求める一つの形でもあるのかな、とは感じます。
――確かに今では神社参拝の際に二礼二拍手一礼をしますけど、以前はそんなにちゃんとルールに従って参拝していなかったように思います。
高橋:真摯に神様と向き合おうという意志を持った人が増えたということでしょうか。ただ、一方でバーチャル参拝ですとか、「スマート神棚」「神社SIM」なんていうのも出てきているようです。
■「日々を気持ちよく過ごしたいと思っている人に読まれている」
――高橋編集長は『ゆほびかGOLD』の編集にはいつ頃から携わっているのですか?
高橋:「お金を呼ぶ宇宙音CD」を付録につけた「Vol.7」(2010年)ですね。そこで一部の記事をちょっと手伝う形で記事を担当しました。最初にやったのは「黄金の財布占い」だったかと思います。それ以前は『特選街』という情報誌の編集部にいまして、スピリチュアルや開運などの知識は一切ありませんでした。
――本誌として『月刊ゆほびか』がありますけど、この2つの雑誌は同じ編集部のメンバーで作られているのですか?
高橋:以前は『ゆほびか』編集部が「月刊」と「GOLD」の両方に携わっていたのですが、今は編集部内の2人が『ゆほびかGOLD』を担当して、残りのメンバーで月刊のほうをつくっています。
――「GOLD」を担当されるお二人は毎回違う方なんですか?
高橋:固定ですね。私ともう一人。実は、前編集長だった西田普が去年に卒業しまして、それまでは3人でした。最後の数号は、私が現場を預かって、彼はスーパーバイザーみたいな立場だったと思います。
――西田さんはブロガーとして最新号にも寄稿されていますよね。
高橋:そうですね。なので、今は西田先生と呼ばせていただきます(笑)。
――西田さんはどのような編集長でしたか?
高橋:とても目立つ存在でしたね。今『ゆほびかGOLD』に寄稿されている先生方は西田先生とのパイプが太い方が多くて、その先生方にご寄稿いただいたことが『ゆほびか』の部数増に多大な貢献をしました。だから彼は若くしてまず「GOLD」の編集長に抜擢され、続いて「月刊」も兼任する「大編集長」に就いたという経緯があります。西田先生は『ゆほびか』に多大な財産を残してくれたと思います。
――『ゆほびかGOLD』が読者から求められている理由はどこにあると思いますか?
高橋:先ほど申し上げたような「物から精神へ」という時代の流れはあると思いますね。金運を上げたいという人ももちろんいらっしゃると思いますし、幸せな気分でいたい、日々を良い気持ちに過ごしたいという人も少なからずいらっしゃるのではないかと。
――だから財テクの特集をやると批判の声が上がる。
高橋:批判とまでは申しませんが(笑)、そういう現実的な話は『ゆほびかGOLD』に求められていないのだと思います。スピリチュアルと現実的な投資活動を両立されている先生方も多いので、読者の方にも投資好きはいらっしゃると思うのですが。
――では最後に、今年1月より新編集長として就任されて、その意気込みをお願い出来ればと思います。
高橋:読者の皆さんが読みたいと思ってくださることを的確につかんでやっていきたいです。それから、まだあまり注目されていないけど素晴らしいことを言っている先生方にもどんどん会っていければと。
1月に刊行した「Vol.41」では超常戦士ケルマデックという先生を掲載しているんですが、鳥取在住でずっとミクシィで日記をアップされていらっしゃったところから本を出されたという方なんですね。その本がすごく面白くて、ぜひ『ゆほびかGOLD』に、ということで寄稿していただきました。とにかく知識量が半端じゃないんです。こういう方が全国にまだまだいらっしゃるものと。
今は出版物よりも先生方のブログやSNSのほうが発信力があったりしますが、雑誌ならではの見せ方もあると思いますし、新しい考えを持っているすごい方を取り上げていけるように頑張りたいです。
(了)
■『ゆほびかGOLD』vol.42 幸せなお金持ちになる本
2019年4月8日発売
『ゆほびかGOLD』vol.42の大特集は、「神様に愛されてお金持ちになる!」。
いつも私たちを見守ってくださる神様に愛をいただき、福運と豊かさに恵まれるための習慣から参拝法、お勧め神社までを第一線の著者陣が明かします。
大好評のCD付録は、女僧の頞真(ANJIN)さんが「あわ唄」や「般若心経」を歌う美しい楽曲を収録した「古神道のことだまCD」。
このほか、新年度・新生活を最高の金運で満たす法則を満載!