だれかに話したくなる本の話

実は科した側にも損失が?「ロシア経済制裁」の本当の効果とは

『ビジネスマン・プーチン 見方を変えるロシア入門』(東洋書店新社刊)

目玉の北方領土問題では対話は平行線のまま、23日にモスクワで行われた日露首脳会談は具体的な成果のないままに終わった感がある。安倍首相とロシア・プーチン大統領の会談は今回で通算25回目。会うには会うが譲歩はしない難攻不落のプーチン氏が改めて印象づけられることになった。

ところで、日本との間で領土問題を抱えるロシアだが、ビジネスの分野ではひそかな親日国でもある。ロシア国内で日本製品の評価は極めて高く、モスクワの高級スーパーでは日本製のシャンプーや洗剤、オムツなどの日用品が、品質が高いことの証明のように日本語のロゴのまま並んでいる。

また、『ビジネスマン・プーチン 見方を変えるロシア入門』(東洋書店新社刊)の著者で国際協力銀行の行員としてモスクワに駐在経験がある加藤学氏によると、日本人や日本のビジネスマンに対するロシア人の信頼は総じて高いという。

ビジネスマン・プーチン 見方を変えるロシア入門

ビジネスマン・プーチン 見方を変えるロシア入門

国際社会で孤立を深めるロシアだが、ビジネス戦略に長けたプーチンの下、積極的なアプローチに出ている。欧米、中国、中東、北極―ロシアをめぐる地政学に目配りしつつ、国際情勢とビジネスがどうリンクするのか、冷静に議論。日本企業のチャンスは?ビジネス最前線から見えるロシアの真の姿。