疲れない強靭な体をつくる「空腹」を利用した食事術とは?
仕事のパフォーマンスを最大化させるために、毎日の食事の内容に気をつかっているビジネスパーソンは多いだろう。健康だからこそ仕事も充実する。だからこそ、「体にいい食材」や「体に悪い食材」の情報をすぐに実践する。
ただ、そうした情報を毎日食事の中に的確に落としこめている人はごく少数であるはずだ。糖質制限、カロリー制限にしてもしかり。付き合いで食べないといけないこともあれば、食べたいものを我慢できないこともある。何よりも面倒で続かない。
多忙なビジネスパーソンが、毎食の食材を吟味したり、糖質量やカロリーを計算したりすることはあまり現実的ではない。
そんな忙しい人向けの食事術が、『「空腹」こそ最強のクスリ』(アスコム刊)を上梓した医学博士の青木厚さんが提唱する「空腹の力を活用した食事術」だ。「何を食べるか?」よりも、「食べない時間を増やす」ことに注力したほうが、はるかに人体にとっては有益だと青木さんは主張する。
「それって、断食では?」と思う人も多いだろう。それは違う。この食事法は、好きなものをいくらでも食べられるのが最大の特徴。実際、青木さん自身はこの食事法をはじめて2年が経つが、疲労がたまりにくい強靭な肉体を手に入れたという。
では、青木さんはどんな「食事術」を実践したのだろうか。
■食べ方のルールは、たった一つ。「睡眠8時間+8時間の空腹」を守るだけ
その方法は「連続16時間の空腹時間」を確保するというものだ。青木さんによれば、その16時間には睡眠時間を入れても良いという。つまり、睡眠時間が8時間の人ならば、起きている間の8時間、ものを食べなければいいということだ。
たとえば、朝6時に朝食をとる人ならば、昼食を抜いて、夜の22時に夕食をとる。これで16時間の空腹が達成される。あるいは、朝10時に朝食をとる人ならば、昼食を抜いて、夜の18時に夕食をとってもいい。
いずれにしろ、24時間のうち16時間連続の「空腹時間」を確保できればOK。また、もし「空腹時間」にどうしてもお腹が減ったら、ミックスナッツやヨーグルトなどを口にしてもいい。食事の際はカロリーや栄養素を気にせず、好きなものを食べていいと青木さんは述べる。
■連続16時間の空腹でオートファジーが発動
青木さんが16時間にこだわるのにはワケがある。それは、2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した東京工業大学の大隅良典栄誉教授の研究テーマだった「オートファジー」にある。
そして最新の医学研究により、「食べない時間が16時間に達する」と、このオートファジーが活性化することが判明したという。
ただ、いきなり毎日16時間の空腹時間を作るのが辛いという人もいるはず。そこで週に一度でも、「16時間の空腹」を達成しておこう。日常の「食べすぎ」がもたらす害が取り除かれ、蓄積した疲労が解消するのである。
また、青木さんはこの食事法を試す時は必ず、簡単な筋トレを、並行して行うように語っている。空腹の時間をつくると、自然と一日の総摂取カロリーが減ってくる。そうなると筋肉量も減ってくることになる。そして、基礎代謝量が減り、逆に太りやすい体質になってしまう可能性があるのだ。
「無理のない範囲でやる」ということを心がけつつ、1日の中に筋トレを取り入れてみてほしい。
もし、最近疲れやすくて、食べ過ぎで胃腸が疲労していて、と感じているなら、「16時間の空腹」と「簡単な筋トレ」、これをまずは1日実践してみてはどうだろう。自分の食生活習慣を見直す良いきっかけになるはずだ。
(新刊JP編集部)