即行動で圧倒的な成果を上げる人の「3秒」で決断する思考法とは?
ビジネスでも人生でも、「すぐやる人」と「準備に余念がない人」はどちらがより良い結果をあげることができるだろうか。
答えは「すぐやる人」だ。
たとえば、「英語を学ぶために留学をしよう」と思い立ったとき、準備に時間を費やす人は、国内で英語の基礎を学びながら、「まだ現地で喋れるか自信がないから……」と言い訳し、いつまでたっても行動に移れない。しかし、すぐやる人は英語が喋れなくても海外に行き、失敗をしながらも現地で通用する英語を身につけて帰ってくる。
どちらが多くの知識と経験を得て、結果を出すのかは、明らかだろう。
結果を出せる「すぐやる人」になるために必要なのは「決断力」だ。
世界一の規模を誇る会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツグループから独立し、30代で年商10億円という結果を出している金川顕教氏が上梓した一冊『3秒決断思考 やるか、すぐやるか。』(集英社刊)では、物事を「3秒」で決断し、結果が出せる人になるための考え方や思考のトレーニング方法が解説されている。本書から「すぐやる人」になるポイントを紹介しよう。
■「すぐやる人」はこう考える
即行動ができず、結局何も決断できない人は、何かやりたいことを思いついたとき「できるかどうか?」を考えてしまいがちだ。しかし、「できるかどうか」は、やる前には誰にもわからない。わからないことを、いくら考え、心配しても時間の無駄だ。
**そこで大切にすべきは「やりたいかどうか」**だと著者は述べる。
人が何かを決めるときの要素には「理屈」と「直感」の2つがあるが、金川氏は「直感」を重視するという。
なぜなら、直感的に「やりたい」「ワクワクする」と思ったことを理屈で考え始めると、ネガティブな思考や言い訳ばかりが次々と出てくるものだ。だからこそ、「すぐやる」という行動のベースは、「やりたいかどうか」という単純な発想に忠実に従うことが大切だ。
もちろん、すぐにやったことのすべてが成功するわけではない。
むしろ、「いきなり始めてうまくいくことは実際にはほとんどない」と著者は自身の経験を振り返るが、それでも確実に言えるのは「早く始める方が、早く結果がわかる」ということだという。
取り組んだことが成功でも失敗でも、早い段階で結果が出れば、反省や気づき、学びを重ねながら軌道修正していくことができる。そうして得られる経験値は、「すぐにやれない人」との圧倒的な差になるのだ。
■「3秒」で決断できる人はあらかじめ「やらないこと」を決める
「すぐやる人」になるには、何かに取り組むときに「すぐ決断する」習慣をつけることが必要だ。
しかし、どうしてもあれこれと考えてしまう人は多いだろう。
そこで役に立つのが**「NOT TO DO LIST」、つまり「やらないことリスト」**だ。
やり方は至ってシンプル。紙に「やりたくないこと」を思いつくままに書き出していくだけだ。
その際に大切なのは、あわよくばやめられたらいいなという程度の他力本願的なものは入れず「本気でやめたい」ことだけに絞ることだ。
すぐに決断する基準があれば、「やろうかな? どうしようかな?」と迷って、時間を無駄にすることはない。このリストに引っかからず、直感的に「やりたい」「ワクワクする」と思ったことは、即行動にうつすのだ。これは仕事だけではなく、人生において「なりたい自分」になるための自分自身の棚卸しにもなる作業だという。
■「3秒決断思考」を鍛える
「3秒で決めて、すぐやる」ためには、習慣化することが大切だ。
そのためには食事や買い物など、日常的な行動や決断で慣らしていくといいだろう。コツはいたって簡単で、あらかじめ余計な選択肢を排除しておき、自分の「定番」を決めておく。
たとえば、著者の場合、身体を絞って筋肉を増やして健康的になるという目標があるので、炭水化物が多いパスタを食べてしまうイタリアンや、塩分、糖分が気になる中華という選択肢は消すことができるという。基本になるのは肉で、その選択肢から「定番」を決めているという。
こうした自分なりの目標や目的に沿って、「定番」を決めて、数点のお店やメニューに絞っておけば、あとはその日の気分で「3秒」で決めるのだ。
「すぐやる」がなかなかできない人は、まず、簡単なことから3秒で決断するクセをつけ、徐々に仕事や人生の決断をスピーディーにしてみてはどうだろうか。
(新刊JP編集部)