だれかに話したくなる本の話

ある日突然、夫が倒れて――。医師が直面した「介護の現実」と「夫婦のあり方」

『「夫の介護」が教えてくれたこと』を上梓した川村隆枝さん

ある日、突然夫が倒れた――。

高齢者が高齢者の介護をしないといけない「老老介護」が社会問題になっているが、その始まりは突然訪れるものだ。

日本を代表する麻酔科医の一人であり、エッセイストでもある川村隆枝さんが夫・圭一さんの介護をすることになったのは、2013年のことだった。
産婦人科医院を営む圭一さんが、脳出血で倒れた。その一報が隆枝さんのもとに届き、その瞬間から2人の人生は大きく変わる。

川村隆枝さんが執筆した『「夫の介護」が教えてくれたこと』(アスコム刊)は、終わりの見えないリハビリと介護、産婦人科医院の行く末、自身の仕事…さまざまな壁を2人で乗り越えていく夫婦のエピソードが詰まった一冊だ。

「今は夫が倒れる前よりも幸せを感じている」とは隆枝さんの言葉。その壮絶な介護生活の先に見えた「夫婦の愛」の形とは? 前編では夫が倒れた直後のこと、そしてその背後にある「現実」について話を聞いた。

(聞き手・文:金井元貴)

「夫の介護」が教えてくれたこと

「夫の介護」が教えてくれたこと

読むと勇気と希望がわいてくる、夫婦愛の物語。