だれかに話したくなる本の話

北海道の地場企業が 怒涛の快進撃を始めた理由

『安心の門 オートゲート――それは魔法ではなく、科学の力で開閉する水門』(星野恭亮著、ダイヤモンド社刊)

■見たことも聞いたこともない

地方ではまだまだ景気低迷にあえぐ企業が多い中で、北海道の札幌に目を見張る成長ぶりの企業がある。
知る人ぞ知る、旭イノベックスという会社である。2011年度に65億円だった売り上げを、2016年度には104億円まで伸ばした。

快進撃を続けるその原動力は、「オートゲート」という名の水門にある。これはそんじょそこらの水門とは、根本的な相違点があった。まさに「今まで見たこともなければ、聞いたこともない」水門である。

安心の門 オートゲート――それは魔法ではなく、科学の力で開閉する水門

安心の門 オートゲート――それは魔法ではなく、科学の力で開閉する水門

東日本大震災で市街地を襲った巨大な津波。

その時自らの命を犠牲にして堤防の水門を閉じ多くの命を守った人たちがいた。

だが実は人の手をわずらわせることもなくまるで自らの意思であるかのように自動閉鎖した門があった。