「人生はお金じゃない」は稼げない人の言い訳 成功者が語る金持ちマインドとは
誰にとっても無関心でいられないお金。
もっと欲しい、もっと稼ぎたいと思っていても、サラリーマンで大儲けするのは夢のまた夢です。
起業にしろ、独立にしろ、お金持ちになりたかったら平凡な人生のレールから外れる勇気が必要。それができずに悩んでいるとしたら、この人の言葉が心に火をつけてくれるかもしれません。
『情熱をお金に買える方法』(すばる舎刊)の著者、ますだたくおさんは、7年間で41回の転職、2000万円以上の借金を背負うという「どん底」を乗り越え、自らビジネスを興すことで経済的自由を手にした成功者。
今回はそのますださんに「お金」のこと、「経済的成功者になるために必要なもの」、そして「起業」についてお話をうかいがました。
■「貧乏は精神病」その真意とは
――『情熱をお金に買える方法』はますださんの初めての著書ですが、とてもメッセージ性の強い本です。まずはこの本を書いた動機についてお話をうかがえればと思います。
ますだ:僕は『商売人の学校「増田塾」』という、集客やマーケティングを教える学校をやっているのですが、その校長として自分の思いを伝えたかった、というのがあります。
読者として想定していたのは、借金まみれで、どうしようもなかった10年前の自分です。「人生はお金じゃない」といいますが、こういうことを言う人って、ほとんどはお金に困っている人なんですよ。
僕はこの本で「お金より大事なものはない」と言い切っています。
その意味で、この本を当時の自分やそれに近い人が読んだら、ものすごく腹が立って、同時に燃えただろうなと思います。たくさん売れることで、自分の周りにいてくれる人や、僕の会社で働いてくれている人が誇りに思ってくれたらうれしいですね。
――本を読む限り、10年前はますださんが転職を繰り返していた時期です。「7年間で41回」と書かれていましたが、これはほぼ2ヶ月に1回転職している計算になりますね。
ますだ:2ヶ月どころか3日で辞めたりクビになることがほとんどでした。郵便局のアルバイトは郵便番号を覚えるのが億劫で半日でやめましたし。マクドナルドではハンバーガーが作れないのはもちろん、前日にアルバイトをしていたモスバーガーの帽子で出勤していたくらいです。
そもそもからして社会不適合者なんですよ。人の指示を聞くことができないんです。一番続いた仕事でも半年くらいだったと思います。
ただ、自分でビジネスを始めて、自分でやったマーケティングによってお客さんが来てお金が生まれた瞬間、人生がすごく噛み合った気がしたんです。今でも人の言うことは理解できないことが多いですし、わからないことばかりですが、起業が向いていたんだと思います。
――ますださんは今回の本で「成功者」と「凡人」の考え方の違いを示されています。ずばりお聞きしますが「凡人」とはどんな人ですか?
ますだ:本では極端に書いてはいますが、右へならえと言われて右を向くことに抵抗のない人、皆と同じでいることに安心する人は凡人です。
あとは自分のやっていることが信じられない人もそうですね。人がやっていることは褒めるけど、自分のやっていることは信じられないし褒められない人も、この本でいう「凡人」です。
――ますださんご自身は「成功者」に入ると思いますが、成功できた要因はどんなところにあるとお考えですか?
ますだ:諦めの悪さだと思います。何度転職しても、何回仕事をクビになっても人生を諦めませんでしたから。僕の成功なんてごく小さなものですが、どこまでも自分を信じて食らいついたのが良かったんじゃないかな。
何回も失敗しているのに諦めが悪い人って、周りに迷惑をかけるんですよ。僕も借金で親兄弟や家族にものすごく迷惑をかけましたし。前妻が教師だったのですが、勤め先の学校にまで借金取りが行きましたからね。
普通、そこまでになったら自分うんぬんよりも、これ以上迷惑をかけない方向に気持ちがいくと思うんですけど、それでもチャレンジする諦めの悪さというか、粘り強さが一つの要因だったような気がしています。
――自分の求める人生を諦めようとは思わなかったんですか?
ますだ:全然なかったです(笑)。「絶対スーパーカーに乗ってやる」と思っていました。スーパーカーに乗れたから成功とは思いませんが、自分の求めるものに正直でいること、欲しいものは欲しいと言えることは大事なんじゃないかと思います。
――先ほどもお話に出ましたが、「人生はお金じゃない」という価値観を「負け惜しみ」だと断じていました。これにはどんな真意があるのでしょうか。
ますだ:こういうことを言う人は、お金を稼げないことを正当化しているだけですよ。だけど正直に認められないから「人生にはお金より大事なものがある」と言う。こんなの負け惜しみ以外の何物でもないでしょう。
日本は中流層以下の人がだいたい80%ほどいて、この層の人は基本的に「人生はお金じゃない」と親から教わって育っています。あたかもお金が悪いもののようにです。お金にはいろいろなことができる可能性があるのに、そういうことは教わらないから自分たちが親になっても子どもには「人生はお金じゃない」と話すしかない。だからこの価値観が何世代にもわたって受け継がれてしまうんです。
僕は「お金より大事なものはない」としていますが、これは散財しなさいということではありません。お金と無関係にいられる人間なんていないのですから、目を背けるのではなく、お金が持っている可能性にきちんと目を向けましょうということなんです。
――「貧乏は精神病」というのも強烈なメッセージでした。
ますだ:まず言えるのは、人の気持ちがわからない人は商売が下手くそです。当然お金を稼げない。
人が何を求めているか、相手がどんな気持ちでいるかをわかろうとしないのは、端的にコミュニケーションの欠陥であって、周りが見えずに一人よがりがやめられないという意味では精神病に近い。もちろん、相手のいることですから、わからないことも、理解できないこともあります。それでもどうにか理解しようと努めることで相手の求めているものがわかってくる。
「精神病」と言いましたが10年前の自分がまさにそうで、借金が2000万以上あって妻のところにまで借金取りが行っているくせに、仕事も始めて2、3日で辞めてしまう。こんな人間病気でしょう(笑)。
(後編につづく)