だれかに話したくなる本の話

我が子を近視にしないために親ができること

『近視は病気です』(東洋経済新報社刊)の著者・窪田良さん

「近視」は私たちにとって身近な問題だ。
日本人の半分ほどは近視だと言われており、眼鏡やコンタクトをつけて学校や仕事に行くことに、多くの人は抵抗を持っていないはずだ。

ただ、「近視はれっきとした病気」というのが世界的な潮流になりつつある。NASAとの共同研究を指揮し、近視撲滅を目指すクボタグラスの発明者であり、日米で30年以上眼科研究を続ける眼科医、窪田良さんは著書『近視は病気です』(東洋経済新報社刊)で、近視が将来的にさまざまな眼病のリスクを高める点を指摘する。

「近視は病気」だとしたら、私たちは自分や我が子のために何ができるのか?窪田さんにお話をうかがった。今回はその後編をお届けする。

近視は病気です

近視は病気です

「視力1・0未満の子どもの割合が過去最高に」――。2023年秋、ショッキングなニュースが報じられました。文科省による調査の結果、裸眼視力が1・0に満たない子どもの割合が小学生で約38%、中学生で約61%、高校生では約71%となったというのです。

実は、WHOは2050年には世界人口の約半分が近視になると予測し、警鐘を鳴らしています。そして今、「近視は治療が必要な『病気』である」という認識が、世界的に高まってきています。

もし、あなたが「近視はメガネをかければいいので気にしなくていい」と思っているとしたら、それは間違いです。近視は、将来的に失明につながりかねない病気を引き起こすリスクを増やすことがわかっています。一方で、毎日数時間、外で遠くを見ているだけで近視が予防できるといったことも明らかになってきています。

日本では目薬や、目のサプリがたくさん売られている一方で、「視力が回復するメソッド」といった怪しげな話も出回っています。目に関するリテラシーを上げることが、今まさに必要です。本書では、眼科医であり研究者である著者が、目について「役立つ」「世界基準の」情報をお伝えします。

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