だれかに話したくなる本の話

投資も保険も始めるなら若いうちから!必須知識はこの1冊でわかる

生きていくうえで考えずにはいられないのが「お金」。
どうやって貯めるか、だけではなく、どうやって増やすか。そしてそもそもどうやって稼ぐのか。それに保険や税金についても知識があった方がいい。

そう考えると、ひとくちに「お金」といってもテーマは実にさまざまである。ただし、これらのテーマは結局「自分はどんな人生を送りたいのか」という一つの問いにまとまっていく。そう、お金について考えることは、人生について考えることなのだ。

『26歳の自分に受けさせたいお金の講義』(すばる舎刊)は26歳を「人生の分岐点」としてとらえ、お金に左右されない人生を送るための知識を授けてくれる。今回は著者であり、全国でもわずか1%しかいない20代の税理士である安江一勢さんに、若いうちからお金について考える意味についてお話をうかがった。その後編をお届けする。

安江一勢さんインタビュー前編を読む

◾️貯金の価値は自然に下がっていく!貯蓄から投資に目を向けよ

――今、世の中的に関心が高まっているのが投資ですが、日本は文化的に「投資より貯蓄」という考えが強いようです。20代の若い世代に「なぜ投資が必要なのか?」と聞かれたら、安江さんはどのように答えますか?

安江:投資をしないからダメだということは絶対にないのですが、しないと損をするとは思います。貨幣価値は時間と共に変わり、少しずつ物価は上がっていくので、今日買えたものが一年後は同じ値段で買えなくなることは珍しくありません。

貯金をしても、今の金利では1万円は来年も1万円以上にはならないですし、物価は上がっていく。となると貯金だけではどんどん資産の価値が目減りしてしまうんですね。だから、お金は預金口座に眠らせておくのではなく、投資に回して少しでも増やそうという考えが出てきます。増やせるはずのお金を増やしていないという意味で、投資しないのは「損」なんです。

――また、保険については選び方で迷う人が多くいます。20代の保険選びについてはどのようなアドバイスを送りますか?

安江:極論を言えば独身の方はいらないですし、何かあったときに手持ちの資金で対応できるようなお金持ちの方もいらないと思います。ただ、そんなにお金持ちではなくて、家族がいるのであれば、保険には入った方がいい。

生命保険を例にするなら、自分が亡くなった後のパートナーの生活費、子どもがいるなら子どもの生活費や教育費っていうのは、安く見積もってお子さんと奥さんで1億円くらいは必要になります。死亡時に1億円の保険金が下りる掛け捨て型の保険は、20代なら月に数千円の掛け金であるので、選択肢として考えてもいいのかなとは思います。

――若年層は奨学金を借りて進学しているケースが少なくありません。本書では「早く返済しようと思う必要はない」とされていましたが、奨学金とはどのように付き合っていけばいいのでしょうか。

安江:まず、奨学金ほど低金利で借りられるお金ってなかなかありません。固定金利だと高くて年利1.5%ほどですからね。変動金利であれば、今は特に金利が低いです。まして無利子の奨学金なんて、もちろん毎月の返済分は返さないといけないわけですが繰り上げ返済したり一括返済する意味はまったくありません。

となると、奨学金はのんびり返していけばいいということになります。少なくとも手元に自由になるお金があるなら、奨学金の返済に回すより投資に回した方がいい。奨学金の借入残高にかかる金利より、投資の利回りの方が高いですよ。

――最後に現在26歳前後の方々に向けてメッセージをいただければと思います。

安江:まずはこの本を読んでほしいというのが一番ですね。読んでいただければお金のことがなんとなくわかると思いますし、そこからさらに知識を得たいと思ったら、今は投資の本も税金の本もたくさんありますし、お金の稼ぎ方の本もありますから、個別のテーマごとに知識を深めていけばいい。

この本がお金についての知識を広げていく入り口になってくれればいいと思いますし、今の自分の知識の「答え合わせ」もしてもらいたいと思います。もっと言えば、この本の感想を友達とか家族や同僚と話し合ってもらえたら嬉しいですね。

――親しい間柄でもお金についての話題ってなかなか出ないですからね。

安江:そうですね。投資にしても保険にしても、友達と話すことはあまりないなかで、「本の感想」であれば、そうしたお金についての話もしやすくなるのではないでしょうか。

もっと気軽にお金の話ができるようになれば、日本人のマネーリテラシーも上がっていくと思います。お金についてフランクに話せないからリテラシーが上がらず、「とりあえず貯金」という価値観がいつまでも残ってしまうわけですし、人に騙されてしまったりもする。自分を守るためにも、きちんとしたお金の知識を身につけていただきたいですね。

(了)

安江一勢さんインタビュー前編を読む

26歳の自分に受けさせたいお金の講義

26歳の自分に受けさせたいお金の講義

「投資とか税金とか、じつは全然わかってない…。でも、なんとなく将来は不安」――そんなあなたへ。

※記事で取り上げている書籍を購入すると、売上の一部が新刊JPに還元されることがあります。

この記事のライター

新刊JP編集部

新刊JP編集部

新刊JP編集部
Twitter : @sinkanjp
Facebook : sinkanjp

このライターの他の記事