年末年始の「飲み会太り」を防ぐ5つのつまみ
忘年会シーズンということでお酒の席が増えるこの時期。
宴会や飲み会が続くと、お酒が好きな人でも疲れるし、何より太りやすい。年末年始になると毎年体重が増えてしまう人は少なくないはず。
「飲むときはつまみを食べないから太らない」という人もいる。でもこれって本当だろうか?
■「酒を飲んでもつまみを食べなければ太らない説」は本当か?
『名医が教える飲酒の科学 一生健康で飲むための必修講義』(葉石かおり著、浅部伸一監修、日経BP刊)は、アルコールが人体に及ぼす影響について解説する。
たとえば、「お酒だけ飲んでいるぶんには太らない。太る人はつまみで太っているのだ」という説。俗にいう「エンプティカロリー説」は本当だろうか?
お酒に含まれる純アルコール(エタノール)には1gあたり7.1kcalのエネルギーがある。このうち70%ほどは代謝で消費されるため、同じだけのカロリーを脂質や糖質でとった時よりも体重増加作用が少ないのではないか、というのがこの説の根拠。ただ、本書によるとこの説はまちがい。お酒に含まれるエタノールはエネルギー源であり、つまみは控えてお酒だけを飲んでいたとしても太るのだそう。
ちなみに缶ビール1本(355㎖)のカロリーは150kcalほど、ワインの小グラス1杯だと100kcalほど。日本酒一合だと200kcalほどある。これらはおにぎり1つぶんのカロリーとだいたい同じくらい。缶ビール1本飲むのはおにぎりを1つ食べるのと同じなのだ。
これは「糖質ゼロ」をうたっているアルコール飲料でも同様。糖質の有無とは関係なく、お酒と名のつくものは太るというのが実際のところ。「つまみを食べなければOK」と油断するのは禁物だ。
◾️年末年始の「飲み会太り」を防ぐつまみ
お酒の席が増える年末で太りたくない人、そしてダイエット中なのに宴席が続いて憂鬱な人、それでも何も食べないの辛いという人は、つまみに気をつけてみるといいかもしれない。
お酒の席はダイエットには大敵だ。高カロリーの揚げ物や糖質の多いポテトサラダをたくさん食べれば当然太りやすいし、飲みすぎて自制が効かなくなって「締めのラーメン」のような余計なものを食べるのも太る原因になる。
本書によると、ダイエットに向いたつまみは生キャベツ、酢の物、きのこ料理、枝豆、甘栗の5つ。
生キャベツは食後の血糖値上昇を抑える働きがあり、体脂肪の蓄積を防いでくれる。酢の物の酢は酢酸による脂質燃焼を促進したり、血圧、血糖値、コレステロールの値を下げる効果が期待できるそう。食物繊維が豊富なきのこ類は胃腸に長くとどまり、満足感が長く続く。またアルコールや脂質の代謝に必要なビタミンB群が豊富だ。
枝豆は糖質をエネルギーに変えるビタミンB1、食物繊維、タンパク質がたっぷり。甘栗は脂質が少なめで、きのこ類と同様にビタミンB群が豊富だ。
これらをつまみにすることで、年末年始の「飲み会太り」を防ぐことができるかもしれない。健康面を考えると、日常的に食べておきたい食物でもある。
◇
太るのは簡単だが、増えた体重を元に戻すのは労力と根気がいる。それならお酒の席が続いても太らないように節制するのが得策である。
アルコールと体の関係が様々な角度から解説されている本書。健康のために役立つと同時に、読み物としても楽しめる一冊だ。
(新刊JP編集部)