だれかに話したくなる本の話

自宅訪問2000軒以上!土地家屋調査士が見た「家の外観」と「住人の人となり」の関係

「隣人は選べない」という言葉は、家探しや引っ越しの際は心にとめておくべきだ。どんなにいい家に住んでも隣人への不満やトラブルを抱えてしまっては快適な生活は送れない。でも、住む前から隣にどんな人が住んでいるかはわからない。

『住んでる人の性格は家と土地が教えてくれる』(平田真義著、自由国民社刊)は、土地家屋調査士としてこれまで2000軒以上の住宅を訪問してきた著者が、家の外観と住人の性格との関連性を探っていく。住んでいる人の人となりは、住居に如実にあらわれる。

では、「お隣さん」はどんな人なのかを知るために、家のどこに注目すればいいのだろうか。著者の平田さんにお話をうかがった。

■自宅訪問2000軒以上!土地家屋調査士が見た「家の外観」と「住人の人となり」の関係

――『住んでる人の性格は家と土地が教えてくれる』は、家や土地から住人の性格や気質を探るというユニークな一冊でした。本書をお書きになった動機についてお話をうかがえればと思います。

平田:私は「土地家屋調査士」というあまり知られていない国家資格を持っているのですが、日々の仕事の一つに隣接する土地の「境界線」を確認していく作業があるんです。その際に、依頼者とその近隣の方のお宅を訪問して、両者に立ち会っていただいたうえで境界を確認していくんですけど、日程の都合で依頼者や近隣の方が立ち会えないケースがあるんです。

そういう際に、けっこうお隣さんへの不平不満を聞かされるんです。たとえば、隣の家の木がうちの方までせり出してきていて、落ち葉の掃除が大変とか、お隣の車の停め方が悪くてこちらの敷地に入ってしまっている、といったことです。

本来、お住まいは憩いの場のはずなんですけど、そのお住まいがストレスの原因になっていることが多々あるということを仕事を通して経験しているので、それをお伝えしたいと思ったんです。

――土地家屋調査士のお仕事について、もう少し詳しくお聞きしたいです。土地の境界線を確認する以外にどんなお仕事があるんですか?

平田:たとえば一つの土地を兄弟で分けたり、一部を売ったりといった時に、「分筆」といって土地を切り分けていく作業をします。あとは建物の登記をやったりもしますね。

――境界を確認してほしいという依頼は、その人が土地を売るタイミングでくるんですか?

平田:そうですね。不動産会社を経由して依頼がくることが多いです。

――本書は家屋や庭と言った物件の見た目から、そこに住んでいる人の人となりを考察する内容です。お仕事を通じて家や土地の外観と住む人の関係に興味を持ったきっかけについて教えていただければと思います。

平田:先ほどお話ししたように、土地の境界を確認するために依頼者やその隣人の方に立ちあっていただくケースが多いのですが、となるとこの仕事は知らない人のお宅を訪問する機会が必然的に増えます。

ただ、私自身ものすごい人見知りで、インターホンを押すのが怖かったんです。だから、押す前にご自宅の外観から、どんな人が住んでいるのかを一度想像してから訪問するのが習慣になって、それを積み重ねるうちに、お家をパッと見てどんな人が住んでいるのかが何となくわかるようになりました。

結構、精度高く予想できるようになったので、いろいろな人に話したら「それおもしろいね」と言っていただけるようになった、というのが経緯ですね。

(後編につづく)

住んでる人の性格は家と土地が教えてくれる

住んでる人の性格は家と土地が教えてくれる

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