だれかに話したくなる本の話

「小倉百人一首」に託した藤原定家の秘めた思いとは

『秘められた真序小倉百人一首』(幻冬舎刊)の著者・野田功さん

近年、競技かるた人気で改めて脚光を浴びている「小倉百人一首」は日本の文化遺産。あまりなじみがなくても、かるたの絵柄を見たことがある人は多いはずだ。

この「小倉百人一首」は年代が古いものから順番に100首の和歌が並んでいるのだが、もしかしたら、「秘められた別の順番」があったのかもしれない。 『秘められた真序小倉百人一首』(幻冬舎刊)はその可能性を指摘し、100首の和歌をあるべき順番に並べ替えた野心的な一冊。並べ替えがどのように行われたのか、そして並べ替えた先に見える世界観とはどのようなものなのか。著者の野田功さんにお話をうかがった。今回はインタビュー後編だ。

秘められた真序小倉百人一首 1000年の歴史ミステリー これこそ真の小倉百人一首か?

秘められた真序小倉百人一首 1000年の歴史ミステリー これこそ真の小倉百人一首か?

小倉百人一首の和歌の配列は、天智天皇作を1首めとし順徳院の100首めで終わるという、作者を時代順に並べるのが、現在一般的である。
著者は、百人一首を暗記する中で、「覚えやすい」配列を試行錯誤し、4首1組にたどりつく。
同じ傾向の2首のペアを組み合わせ4首のユニットにするのである。
こうしてできた25のユニットをある順番にならべると、そこに1首を1行とする100行の長編詩が浮かび上がった。
著者は、この並び順こそ、選者の藤原定家が意図したものだったと推測する。
1235年に選歌されたとされる国民的な歴史歌集の成り立ちに迫る探求の書。
さらに著者が探し当てたこの並び順は、覚えやすく忘れにくいためカルタ遊びをしたり競技に挑戦するのに役立つ。

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