だれかに話したくなる本の話

「絶対に許せないこと」がある人に響く物語

『なんでもたべるかいじゅう』(北まくら著、幻冬舎刊)

生きていると、人に怒りや憎しみを持たざるをえない出来事に出くわす。おそらくほとんどの人は、その怒りや憎しみは時とともに忘れてしまったり、薄れていくものだろう。しかし、そうでないものもある。

「何があっても絶対に許せないほどの怒り」はその人が人生を発展させるのをさまたげる。その気持ちがどんなに強くても、自分の人生のことを考えるならどこかで折り合いをつけるべきなのだ。

このような怒りの感情を他人に対して抱いた時、人はその感情とどう向き合っていくべきか。あるいはそのような深い怒りを他人に抱かせることをしてしまった時、私たちはその事実とどう向き合えばいいのか。

なんでもたべるかいじゅう

なんでもたべるかいじゅう

自分をゆるすには、どうしたらいい?
惑星の全てをたべてしまった、心やさしいかいじゅう・ブギーの物語。

宇宙の片すみにある小さな星、「ペントン」。ここでは、さまざまな生きもの達が助けあい、おだやかにくらしています。
その中でもひときわ大きな体を持つ かいじゅう・ブギー。
ブギーはとてもやさしい心の持ち主で、村に住む生きもの達のお手伝いをしながら、小さな友達エイミーと毎日楽しくすごしていました。
ある日、村の老木は一年に一度のごちそうである大きな赤い実を、ブギーとその弟ムンゴに持っていってほしいとエイミーにたのみます。
エイミーは長い道のりを大きな実をせおって歩き、二匹のところに持っていきますが、そこには弟のムンゴしかいなくて……。

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