日本史の英雄「武将」と植物の意外な関係
織田信長も豊臣秀吉も徳川家康も、名だたる戦国武将たちは実は植物を愛していた。派手好きで知られる信長が愛したのは意外なことに、トウモロコシの花だった。トウモロコシは、茎の先端にススキの穂のような、花びらがあるわけでもなく目立たない花をつける。なぜ、信長は、花びらもない花を好んだのか。
トウモロコシの茎の中段からめしべが伸びていて、この長く伸びためしべは赤っぽい色をして光沢がある。この糸のようなめしべは「絹糸(けんし)」と呼ばれ、シルクのような美しさがあったのだ。もともとトウモロコシは、この絹糸が美しかったので、日本に観賞用の作物として伝えられた。信長もトウモロコシを食べずに、鑑賞していたのかもしれない。