収入アップを目指すなら、まず「仕事服」を変えるべき理由
普段、何気なく選び、何気なく着ている仕事服。
毎日決まったスーツという人もいれば、コロナ禍以降リモートワークとなり、カジュアルな服を着ているという人もいるだろう。
では、ビジネスマンの仕事服の「正解」とは一体どういうコーデなのか?
その答えを教えてくれるのが『リセット! 仕事服 新しい生活様式にふさわしい男の服選び』(技術評論社刊)だ。
豊富なイラストや写真とともに、ビジネスコーデの新定番を解説する本書には、いい仕事をするために、そして成功をするために必要な「武器」が詰まっている。
ここでは表参道のオーダーサロン「ボットーネ」のオーナーで、本書の著者である松はじめさんにビジネスコーデの新しい定番の中身、抑えておきたいファッションの基本についてお話をうかがった。後編ではこれからの季節の服装で気を付けたいポイントも教えていただいている。
(新刊JP編集部)
■いい仕事がまわってくる最初の一歩は「ビジネスコーデ」を変えることから
――ビジネスアイテムでいうと、シューズやバッグにも定番に変化があるとのことで、スニーカーやバッグパックがその選択肢の中に登場しています。こうした新しい定番アイテムを取り入れるときに気を付けるべきポイント、選ぶときのポイントを教えてください。
松:「定番」というと昔から使っているものでもいいと勘違いされてしまうのですが、実は毎年、微妙にマイナーチェンジがあったりするんです。だから、同じ定番アイテムでも、10年前と今年のものを比較すると結構違ったりするんですよ。
――本書では白いTシャツを例に出していますよね。
松:そうです。実は同じブランドの白いTシャツも、10年前のものと今年のものを比べると違いが分かると思います。そういう意味では、今持っているものをもう一度見直して、最新のもので揃えてみるということは大事だと思います。
また、選ぶときのポイントですが、カバンやシューズって組み合わせを考えずに買ってしまいがちですよね。でも、そういう買い方をしてしまうと全体がきれいに合わなくなってしまうことが多いんですよ。
だから、カバンやシューズを買いに行くときは、合わせたい服を着ていって組み合わせるかたちで買ったほうがいいんです。そうしないと服とカバン、シューズのミスマッチが起きてしまう。
あくまでビジネスコーデは全体の統一感が大事ですから、選ぶときは単品の格好良さよりも、自分の持っている服に合うかどうかという視点が必要です。そこをチェックすると間違えないと思いますね。
――なるほど。全体で合わせるという意識を持つということですね。
松:そうですね。例えばジャケットが好きでたくさん持っているという人は、しばらくパンツに投資をしてみると、今まで持っていたものを活かせることができるはずです。それにそちらの方が経済的ですしね。
――これから気温が高くなってきます(インタビューは4月上旬に行われた)。夏にかけての季節の着回しで気を付けることはありますか?
松:夏になると、暑いからと薄着になることもあると思います。でも、そうなると、どうしても体型が誤魔化せなくなってしまうんですよね。だから、体型に自信がない人はジャケットなどを着て武装していければ、相手に不快感を与えることも少ないと思います。
――確かに、薄着になればなるほど自分の肉体で勝負しないといけなくなります。
松:そういう時こそTシャツよりも襟付きのポロシャツを着たりすると、また違った印象を与えられるんですよね。
それに、サイズ感についても敏感になってください。半袖のシャツで袖口が太いと、すごくおじさんっぽく見えるんです。逆に袖口が細いだけでスマートな印象を与えられます。薄着になるからこそ、サイズの意識はより強く持つべきですね。
また、脱げば脱ぐほど自分の弱点を露呈することになりますから、何かを足して補う必要がでてきます。そこでポイントになるのが小物です。例えばベルト。クールビズでポイントになるのが実はベルトで、茶靴に茶色のメッシュベルトで合わせると完成度がアップします。さらに腕時計のベルトも茶色にしてみてもいいでしょう。
――本書にも「統一すべきは小物」と書かれていましたが、夏の暑い季節は特に小物はポイントになりそうです。
松:服を脱いでしまっているからこそ、ポイントとして必要になるんです。ただ、小物の持つ力に気付いていない人も多いので、取り入れるとかなりオシャレに見られると思いますよ。
――そう聞くと、このインタビューを読んでいる方はかなり強力な武器を手に入れていることになりますね。
松:そうですね。いつも清潔感があってオシャレな人はそれだけで印象が上がりますし、いい仕事が回ってくる可能性も上がります。そして、より少ない時間でいい仕事をこなしていけば高収入も実現できると思います。
――今、清潔感という言葉がありましたが、服装による印象ってすごく大きいですよね。
松:すごく違いますね。これはリモートでセミナー講師をされている女性のエピソードなんですが、柔らかい雰囲気を持っていて知識も豊富な専門家で、すごくできる方なのに、どうしても男性経営者からなめられてしまうという悩みを抱えていたんですね。
そこでメイクや服装を変えて、眼鏡などの小物を取り入れて武装をしたところ、トークの内容は一切変えていないのに成約率が倍になったんです。そのくらい見た目の印象は大事ですし、仕事にもつながっていくのだと思います。
――『リセット! 仕事服 新しい生活様式にふさわしい男の服選び』について、どんな方に読んでほしいとお考えですか?
松:これまで服のことに気を使ってこなかったビジネスパーソンの方。特に本当は仕事ができるのにくすぶっている方にぜひ読んで、変身してほしいです。一気に見られ方が変わって業績もアップします。また、これからご自身でビジネスをやっていこうと思っているフリーランスの方々、企業の顔となる経営者の方々、社会に出てまだ間もない新社会人の方々にも、手に取っていただけたら嬉しいです。
――本書は基本から抑えた内容になっているので、幅広く参考になると思います。最後にビジネスコーデの基本について今一度、アドバイスいただけないでしょうか。
松:ビジネスコーデは自分の好きなものを着ればいいというわけではなくて、あくまでも仕事着です。だから、どんなところでも仕事ができるようになり、服装の基準もゆるくなった企業が増えたとはいえ、基本は抑えておくべきだと思います。
また、逆に周囲がゆるくなっているからこそ、本書のようなノウハウを使えば、自分を引き立たせることが可能です。先ほどお話ししたように、いい仕事が回ってきて、収入アップにもつながる可能性もあります。
服は自分のキャラクターを表現する最高のツールです。ただ、もちろんビジネスですからルールはあります。守破離ではないですけど、まずは基本を抑えて決まったパターンを作っていただいてから、自分らしさにこだわっていく。そうすることで、唯一無二のあなたになっていくはずです。服にはそういう可能性があることをぜひ知っていただきたいですね。
(了)