【「本が好き!」レビュー】『逃れの森の魔女』ドナ・ジョーナポリ著
提供: 本が好き!(この記事は、書評でつながる読書コミュニティ「本が好き!」レビュアーのぷるーとさんによる書評です。
できるだけ遠くの森へ行こう、子どもたちを傷つけてしまわないように…容姿は醜いが、娘を愛する心優しい産婆。いつしか、病気の源である悪魔をあやつって人々の病いを癒す、女魔術師として活躍するようになる。だがある日、狡猾な悪魔の策略にひっかかり、魔女にされてしまう。「人間の子どもを食べろ」という悪魔の命にあらがい、人間が決して足を踏み入れることのない深い森へと逃げこむ魔女。ひとり、悪魔の誘惑とたたかう日々を送っていたが、そこへ、ヘンゼルとグレーテルという愛らしい子どもたちが迷いこんでくる―。なぜ魔女は、暗い森の中にお菓子の家を建て、いともたやすく、グレーテルに殺されてしまったのか?お菓子の家に隠された、美しくも秘密。グリム童話『ヘンゼルとグレーテル』の魔女を主人公に、その生涯を描いた悲劇。