誰もが持っているすごい力 「直感」をフル活用する生き方とは(2)
論理的な話術や根拠のある考えが重視される一方で、なんとなく感じた印象や違和感のような「直感」は軽んじられがち。
でも、どんな人も「虫の知らせ」で予定していた計画をやめたり、ふとした予感が的中したりという経験を持っているはずだ。誰もが使っているのに、意思決定の主役になれないのが「直感」である。
この直感に敏感でいる生き方を提唱するのが『直感があなたを一番早く幸せにする』(三笠書房刊)だ。今回は著者の羽山璃香さんにインタビュー。直感を大切にする生き方や、論理的思考とのバランスについてお話をうかがった。その後編をお届けする。
■直感は誰にでも備わっていて、みんな使っている
――論理は論理で大切なものですし、羽山さんも理屈立てて考えることはあるかと思います。頭の中で考えることと直感をどう両立させていますか?
羽山:私は受け取った直感を「否定」しないようにしています。否定はしないのですが、受け取ったものを行動に移すとなった時には、やはり社会生活との兼ね合いは出てくるので、そこでは頭で考えていますね。受け取った直感を何も考えずに行動に移すということはないです。何か行動をするには計画が必要ですし、誰かに迷惑がかからないようにしないといけないので。
――「やるかやらないか」は直感で決めて、「どうやるか」で頭を使う、ということですか。
羽山:そうです。やるかやらないかは直感で、あとは結構ゆっくり考えていると思います。
――直感は大切にしたいところですが、直感に従って行動するとなると、怖さを感じてしまう人もいるかと思います。そういう人にアドバイスをいただきたいです。
羽山:私が考えている直感は、自分の経験値を超えた存在からのエネルギーであり、メッセージであり、アドバイスです。従うにしろスルーするにしろ、自分を超えたところから声が聞こえてきているのに、聞かないのはもったいないと思います。
人間は論理的に考えて出した結論の方が安心するものですが、直感に従う生き方って一度やってみるとけっこうクセになるので、試してみていただきたいです。これまでがんばってもできなかったことで、おもしろいように道が拓けていったりするので。
――この本の中で「運気がぐんぐんアップする、日常の習慣」について書かれていました。直感と運の関係について教えていただければと思います。
羽山:運気をよくする行動は、直感を研ぎ澄ます行動そのものです。運気は動く気で、運がいい人ほど常に自分の周りの気の流れが滞らないようにしています。一方で、直感を研ぎ澄ますことは、エネルギーを受け取ったり、自分の感覚に耳を澄ませてみたり、行動したりすることですから、「気の流れを滞らせない」というところでかなり重なります。直感を大切にする人は運気もいいはずですよ。
――本書にも書かれていましたが、人間関係や恋愛は直感が活躍する場ですよね。たとえば「いいな」と思っていた相手に、あるときほんのちょっとした違和感を覚えた時、羽山さんだったらどんな行動をとりますか?
羽山:違和感もある種の直感なのですが、まずは直感を受け取ったことに慌てないことです。ちょっとした違和感を持ったことに慌てないで、まずは冷静になろうとするでしょうね。
相手との関係がうまくいっている時や、いいなと思っている人がいる時って、その人に違和感を持ったとしても、スルーしたくなるんですよ、気持ちが盛り上がっているので。だけどそこはスルーせずに、落ち着いてその違和感の正体を確かめるのが大切ではないでしょうか。そこは頭を使って考えていいところだと思います。
――「オーラ」についてお聞きしたいです。今、自分がどんなオーラを放っているか知る方法はありますか?
羽山:オーラは自分が発しているエネルギーなので、自分の今の状態がそのまま表れていると考えていいと思います。特に会話をしていなくても、怒っている人ってたたずまいで感じるじゃないですか。体調が悪ければ元気のないオーラになりますし、楽しくてうきうきしているならそういうオーラになる。それはもう、自分の状態そのままですね。
――「直感」に耳を傾けることが大切なのはまちがいないと思いますが、「直感に従わないと不幸になる」というほどのものでもないというのが、率直な感想です。直感に目を向けても向けなくてもそれなりに満足して生きられるとしたら、直感に気づき、磨く意味とは一体何だと思いますか?
羽山:それなりに幸せだと思っているのであれば、そのままでいいと思います。直感に目を向けないと生きていけないかというと、そんなことはないので。ただ、今の自分は心も体も元気で幸せなのかな、というのは折に触れて自分に問いかけていただきたいです。
目に見えているものってごくわずかで、意識しているにせよそうでないにせよ、どんな人でも目に見えない情報を日々感じとりながら生きています。おそらく目に見えないものを察したり感じたりして得る情報の方が圧倒的に多いはずです。直感はそちらの領域なのです。圧倒的に多い領域を使わずに生きるのはすごく大変だと思います。
だから、答えとしては、直感を磨いても磨かなくても幸せにはなれます。ただ、直感に目を向けて生きると楽に幸せになれますよ、ということですね。
――嫌な予感がしたり、何かの気配を感じ取ったり案外みんな目に見えないものを感じとって生きている、というのは確かにそうかもしれません。
羽山:その意味では、直感は誰にでも備わっていますし、みなさん日常的に使っているんですよ。
――最後に、読者の方々にメッセージをお願いいたします。
羽山:繰り返しになりますが、直感は誰にでもあるもので、これを使うことで自分の頭では探しきれなかった答えに出合えるようになります。本当は普段から受け取っているのに、気づいてこなかった直感に気づくだけで、人生は変わっていくということを、私は身をもって経験しました。今回の本が、みなさんにとって直感の存在に気づくきっかけになればいいなと思っています。
(新刊JP編集部)