だれかに話したくなる本の話

偶然の再会で「30年前の殺人の謎」への扉が開く 珠玉のミステリー小説

『マドンナの宝石』(ヘンリー川邉著、幻冬舎刊)

海外旅行や出張、ふとした外出先で、思いがけず昔の知人にばったり、という経験はないだろうか。それだけならうれしい出会いであり、旧交を温めるきっかけになるかもしれない。しかし、もし相手が二人連れで、それが“一緒にいるはずがない二人”だったとしたら、いらぬ詮索だと知りつつも、事情を探りたくならないだろうか?

マドンナの宝石

マドンナの宝石

学⽣時代のマドンナが連れ⽴っていたのは、
かつて彼⼥に、フィアンセ殺害の容疑をかけられた男だった――。
美貌の⼥性と⼤学時代の親友の不可解な結婚の謎に迫る、
優雅で奇妙なミステリー。