不動産投資「都心のワンルーム」が低リスクとされる理由
資産運用として、将来への備えとして、不動産投資は根強い人気がある。
ただ、「お金持ちのもの」「富裕層にしかできない」という思い込みもまた強く、それが「一般的な経済状況の、普通の会社員」が参入するにあたっての障壁になっている。
不動産投資は本当に「お金持ちのもの」なのか。今回は『決定版! たった90分で人生が変わる ワンルームマンション投資入門 改訂版』(幻冬舎刊)の著者、住吉秀一さんにインタビュー。不動産投資の中でもリスクが低いとされるワンルームマンションへの投資の実態を語っていただいた。
■不動産投資は「普通の会社員」でもできる
――『決定版! たった90分で人生が変わる ワンルームマンション投資入門 改訂版』について、オリジナル版からアップデートされた点などがありましたら教えていただければと思います。
住吉:主に実例のところですね。オリジナル版で好評だったオーナーの方々によるワンルーム投資の実例のところを、最新のものにしています。オーナー様にインタビューをして書いているので、よりリアルさを感じていただけると思います。
――私の周りを見ても、ワンルームマンションを投資用に買う方は増えているという感覚があります。
住吉:そうですね。爆発的に増えているわけではないですが、少しずつ着実に増えてはいます。
――ちなみに、都内だとどのエリアが人気なんですか?
住吉:もちろん、東京23区内はどこも人気で、誰でも日本橋とか新宿の駅前の物件を持ちたいでしょうけど、ご存じの通り値段が高いですから、なかなか手が出ません。
だから、こういう「超都心」の少し外側くらいの物件を買う方が多いですね。たとえば墨田区などは、探してみると普通の会社員の方も手が届くような物件があったりします。
――今回の本は「普通の会社員」でもできる投資ということでワンルームマンションをテーマにされているのでしょうか?
住吉:そうですね。不動産投資というと「富裕層の方がするもの」というイメージがあるかと思いますが、決してそんなことはなくて、特に裕福ではない普通の方でも取り組むことができるということを知っていただきたくて書いています。
もちろん、「アパートを一棟買う」というようなやり方は億単位のお金がかかるので、それは富裕層の方にしかできないのですが、区分マンションであれば普通の会社員の方でも手に入れられるということをお伝えしたいです。
――不動産投資の基礎知識から物件選び・購入のノウハウ、税金の知識まで、不動産投資全体が俯瞰できる内容になっています。読者としてはこれから不動産投資を始める方を想定されていますか?
住吉:不動産に興味はあるけども、何をしていいかわからない方や、最近興味を持ち始めたという方に読んでいただけたらいいなと思っています。
本当に興味がある方は、自分で情報を集めてくると思うのですが、そこまでいかない方、「何となく興味があるんだけど、何から始めたらいいのかな」と思っている方に、不動産投資の基礎的な知識と実態について知っていただける内容になっていると思っています。
――今回の本では投資初心者に「ワンルームマンション」をすすめています。ワンルームマンションのメリットとリスクについてお話いただきたいです。
住吉:先ほどのお話にもありましたが、まず区分マンションは普通に働いている方々の手に届かないような金額ではありません。これがまず一つメリットとしてあります。
そして、比較的都心に近い、立地のいい物件を手に入れやすい点もメリットです。これがアパートだとそうはいきません。アパートは住宅エリア、つまり少し郊外の方にあるので。
都心に近い物件は、会社員にも手が届くとはいえそれなりに単価は高いのですが、「物件は買ったけども借主が見つからない」というリスクが低いのも魅力です。
――よく不動産投資で「利回り」という言葉を聞きますが、利回りは郊外のアパートと都心のワンルームマンションではどちらがいいのですか?
住吉:利回りでは郊外のアパートでしょうね。ただ、それは全室埋まればという前提で、アパート一棟買いは部屋数が多い分、借主が見つからなくて空き部屋が出てしまうリスクがあります。不動産投資の初心者向けなのは、ワンルームマンションです。
また、マンションであれば建物のメンテナンスや管理などは管理組合があるので、自分でやらなくていいのも強みです。アパートは自分でやらないと、他にやってくれる人はいないので。
――区分マンションは売りたくなったら買い主がすぐ見つかりそうです。
住吉:それはあります。あとはローンですよね。投資用のマンションを買う時はほとんどの方がローンを組まれますが、コロナ禍の今でも都心部の居住用の物件はほとんど影響を受けていませんから、金融機関も貸倒れの心配がないということでローンが通りやすいんです。
(後編につづく)