イノベーターたちが注目し始めた「使命の本質」は最新で最古の戦略?
最近、時代の先端を取り入れることが仕事のマーケター・イノベーターたちが気づきはじめたことがあるといいます。
それは「使命」の大切さ。
世界的な新型コロナウイルス騒動によって、人類の意識の変革と事業の変革を求められています。
従来の考え方では生き残ることが困難な時代になったのです。
こう語るのが使命に基づく帝王学・経営コンサルタントとして活動し、数々の著作を持つ松島修さんです。
成功とは何かを考えたときに、一般的には「自分がなりたいものになる」「自分のやりたいことをする」ということが回答の一つでした。
そして次のような考え方に陥ります。
「ビジネスで成功して大金持ちになりたい」
「権力を握って自分のやりたい放題にしたい」
なりたいもの、やりたいことが本来は使命なのですが、実際には、使命ではない自己中心的なものになっていたことから、真の成功概念から遠ざかっていたのです。
使命の本質の1つは「世の中を永続的に良い方向に変革する」です。
この世の中で歴史に名を残しているリーダーやイノベーターたちはどう考えていたのか。例えば、「経営の神様」と呼ばれる松下幸之助は次のように述べています。
「一体生産者の使命はなんだろう、こんなことを連日遅くまで考えた結果、私になりに一つの信念が生まれた。それは簡単にいうと、この世の貧しさを克服することである」
(松下幸之助著『夢を育てる わが歩みし道』より)
ここに出てくる「使命」という言葉。
この「使命」の本質を理解し、自分の使命に進んでいくことで、自分やチームだけでなく、広く社会全体にもイノベーションを起こし、「お金」「才能」「知恵」「愛情」「環境」「自分」「使命」という人間にとっての本当の豊かさをもたらす「7つの富」をバランス良く拡大させることができる。そして、「ビジネスにおいても、人生においても使命が一番大切」だと述べているのが、松島さんの執筆した『ビジネスと人生に飛躍をもたらす 使命の本質』(幻冬舎刊)という本です。
■なぜ「使命」が最も大事なのか
欲望こそが自分を動かし、成功を手に入れるために必要なもの。そう考える人もいるでしょう。「資産を増やすことが正義」「重要な役職に就くことが成功」「働かなくても生きていけるようになりたい」――そうした価値観を持っている人もいます。
しかし、そうした自己中心的な価値観には欠けているものがあります。
お金を目的にすることで「自分という富」である品性・品格を落したり、家族を犠牲にするのでは富を毀損することになります。
そもそも人は、他人を幸せにすることで、幸せと感じる生き物なのです。
自分だけのために働き、自分だけのために金を稼ぐ。これは「使命」に進む人の行動ではありません。自分の「使命」を通して、社会をより良くするイノベーションを起こす。文明発展に寄与する。松下幸之助は企業を「社会の公器」と呼びましたが、まさにそれは、企業が各々に課せられた使命を全うする存在だからでしょう。
世界で100年企業といわれる優良な企業の8割は、なんと日本の企業です。
使命に基づく経営を使命経営といいますが、日本はもともと使命経営をしている永続的な価値を持つ企業が多かったのです。
そして、使命の本質を知り、自分の使命に進む人は、祝福され、富むことになると、本書の著者である松島氏は言います。
使命に向かって行動することで、周囲の人たちも応援してくれる。本書で描かれているのは理想的なリーダー像であり、それが人の本来の姿なのです。
■自分の使命を知るために必要なことは
新型コロナウイルス騒動後の多くの人の意識は次のようなものになっています。
(1)自分はどのような存在か?
(2)自分はどのような人なのか?
(3)自分はどのように生きたら良いのか?
この回答に答えられるのは使命です。
自分はどのような存在か?は使命の基本スタンスであり正しいマインドセットの基本でもあります。
(1)愛されている存在。愛を動機にする
(2)存在だけで価値がある
(3)人生の目的は世の中を良い方向に永続的に変革すること
(p.60より引用)
自分はどのような人なのか?という視点では、人はそれぞれユニークな性格・才能・役割を持っており、それを知ることが自分の使命に気付くことになります。
自分のことは自分が一番分かりません。
自分はどのように生きたら良いのか?の視点につては是非、本書をご覧ください。
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本書の帯には「最新で最古」と書かれています。古くから、成功者たちは自分の使命に目覚め、その使命を全うし、世の中にイノベーションを起こしてきました。前述の松下幸之助は、まさにその実例といえます。
ところが、現代は、与えられた価値観に基づき、最短距離で成功を掴むことがトレンド。かつての成功者たちが大切にしてきた「使命」に目が向けられにくくなっていました。しかし、このコロナ禍や人生100年時代、持続可能な社会といった社会の変化の中で、自分の生き方を見直す人が増え、本来の「使命」に目が向けられ始めていると松島氏は言います。
ビジネスが上手くいかない、良い人生を送れていない。そんなときには、本書の普遍の原則と実践的なアドバイスに基づき、自分の使命に気付いて、生き方や戦略を見直すべきなのかもしれません。
本書は自分自身の特性を知り、使命を見つける手助けをしてくれる一冊。真のリーダーに生まれ変わるための実践的なヒントが詰まっています。
(新刊JP編集部)