痛みの根本原因を取り除く!画期的な筋膜はがしが登場
忙しいビジネスパーソンにとって、「肩こり」や「腰痛」は切っても切れないもの。特にデスクワークが中心になると、同じ姿勢を続ける時間が多くなり特定の筋肉に負荷が集中してしまいます。
マッサージに通いながら騙し騙し付き合ってきた肩の痛みや、少し良くなってはまた悪くなって…を繰り返しているうちにすっかり慢性化してしまった腰の痛み。年齢を重ねるにつれて、どこにも痛みがなく万全な体調で毎日を過ごすのは難しくなります。
そんな中でも自分で対処できることがあります。痛みやこりがなくなれば、自然と仕事のパフォーマンスも上がり、休日をエネルギッシュに過ごせ、アクティブに動いた翌日も、疲れが残らない、そんな状態に近づくことができるはずです。
■体のこりや痛みを解消するには「原因と症状は別」と考える
『筋肉のつながりを知れば「肩こり」と「腰痛」は自分で解消できる』(沖倉国悦著、アスコム刊)は、痛みが出ている個所をマッサージでもみほぐすのではなく、人体の仕組みに沿ったやり方で痛みの「根本」を取り除く方法を解説していきます。
というのも肩の痛みの原因が肩の筋肉そのものにあるとは限りません。本書によると、体の筋肉はすべてつながっているため、痛む場所とは別のところに原因があることは珍しいことではないのだそう。そのことを知らずに痛みが出ている個所にばかり注目すると、マッサージをして少し良くなって、また痛くなって、を繰り返すことになりやすいのです。
■体の痛みの原因は筋膜の癒着だった!
そもそも、筋肉を固くし、こりや痛みを引き起こす「根本原因」は何なのでしょうか?
本書では、その犯人を「筋膜の癒着」だとしています。筋肉の疲労などさまざまな原因から骨や他の筋肉、筋膜同士がくっついてしまう(癒着してしまう)ことで、こりや痛みが起こる。ならば、くっついた筋膜をはがしてあげればいい。これが痛みやこりの根本からとりのぞくためのアプローチです。
その「筋膜はがし」の決定版ともいえるのが、本書の著者で理学療法士の沖倉国悦さんが考案した「沖倉流筋膜はがし」です。一般的な筋膜はがしとはまったく異なる方法ですが、効果は抜群。沖倉さんによると、このやり方を試したすべての人に症状の改善が見られたといいます。ここでは、「沖倉流筋膜はがし」の一端をお見せします。
■肩をもんでも肩痛は直らない 本当に対処すべき場所とは?
長時間パソコンに向かうデスクワークの仕事だと、どうしても肩に負担がかかるもの。肩こりや肩の痛みが慢性化している人は、こんな筋膜はがしがおすすめです。

1.右手の親指と人差し指を左手の親指と人差し指の間で合わせる。左手の親指と人差し指の骨が交差するあたりを右手の腹で軽く押さえる
2.親指の腹で押さえたまま、左肘を軽く引っ張るようなイメージで→の方向に右手を10秒間引く。逆側も同じように
「こんなことで肩こりが良くなるの?」「肩と関係ないじゃん」と不思議に思うかもしれません。しかし、肩から手までの筋肉はつながっています。実際、肩にこりや痛みが起きている場合、手の甲から腕の外側につながっている体の横を通るラインに筋膜の癒着が起きているケースが多いのだそう。上記の筋膜はがしはこの部分にアプローチできる手法なのです。肩にアプローチする筋膜はがしは、全部で4種類あります。
■マッサージでは届かない体の深部に原因があることも
痛みの原因となっている癒着が思わぬ場所にあるケースもあれば、マッサージが届かない体の深部にあるケースもあります。これは腰痛でよく見られます。
腰痛を引き起こす体の深部の癒着にアプローチするにはこんな方法があります。

1.いすなどに腰をかけ、足を肩幅に広げる
2.左右2個所のASISの少し内側(おへそ寄り)で、少し下のあたりを親指で押す。親指で押しにくいという方はそれ以外の4本の指で押してもOK
※ASIS(上前腸骨棘)…骨盤のふちからおへその方向に少し離れた場所にある、硬い骨の出っ張り
3.2の状態で、左右交互にももを上げて足踏みをする。左右10回ずつ、計20回
この動きによって腰痛の原因になっている体の深部の筋膜の癒着を改善することができるのだそう。腰痛に効果的な筋膜はがしも4種類あります。
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体の痛みに対処するうえで大切なのは、体の仕組みを理解して、痛みの原因に対処すること。
一時的な症状改善ではなく痛みの根本を取り除くために、「沖倉流筋膜はがし」は試してみる価値アリ。辛い症状に悩まされている方は、本書で解説されている筋膜はがしの手法を実践してみてはいかがでしょうか。
