新刊ラジオ第1450回 「「恋顔」になりたい! 愛される顔にはルールがある」
好かれる顔ってどんな「顔」なのでしょう? 本書は、NHK「あさイチ」で注目を浴びた新進の心理学博士が、実験心理学の観点から、好かれる顔の魅力、個性、表情、そして化粧の効果などを著した一冊です。漫画と講義で、楽しく、そして興味深く読むことができます。
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人に好かれる“顔”には法則があった
● 著者プロフィール 上田 彩子(うえだ・さやこ)さんは、心理学博士。主な研究対象を「顔研究」として、顔及び、表情の個性、顔の魅力、メークの効果、表情認知などのテーマを中心的に、「顔認知」に関わる実験心理学的研究を行っている方です。また、漫画家としても活動されています(作品中の漫画は上田さん作です)。
この本のテーマは、 (エコー)「人に好かれる顔ってどんな顔? に答える本」
上田さんは、「世の中に顔の不思議を伝えたい」という思いから本書を執筆したそうです。
「顔の不思議」っていうと少しざっくりしていますが、 たとえば、元気なのに、「なんか疲れてない?」「機嫌悪い?」って言われちゃう人いますよね。また反対に、機嫌が悪いのに、「なんか楽しいことでもあった?」「いつもニコニコしてるよね」なんて言われてしまう人もいますよね。
この違いはいったいどこにあるのでしょうか?
本書はそんな疑問に答えてくれたり、いつも「なんか怒ってる?」なんて言われて、ちょっと嫌な思いをしている方には、「こうすると良いんですよ〜」っていアドバイスをしてくれたり。 身近な話題で、顔や表情の不思議を教えてくれます。
好かれる顔、美しい顔とはどんな顔なのか?
この本では、人に好かれる顔を「恋顔(こいがお)」と読んでいます。これは上田さんが発明した言葉です。NHKで放送中の「あさイチ」にて、「愛され顔5分メーク」を披露して注目を集めたそうですよ。
好かれる顔の条件・特徴は何でしょう? 上田さんは、4つの特徴を解説しています。
1.左右対称の顔 真ん中で縦にぺたんと折りたたんだとき、目と目がぴったり重なるくらい対称なほど「美形」であると言われます。
2.平均的な顔 特徴のないという意味ではなくて、数学的な意味での「平均」です。たくさんの顔のデータを集計して(例えば目の大きさとか鼻の位置とか)、平均顔をコンピュータで割出したものに近い顔が、「美形」とされます。
3.子供っぽい顔 ロリコン、ショタコンの話ではなくて、子供っぽい顔の特徴をもった顔ということです。額が広いとか、瞳が大きいとかですね。
4.女性的な顔 つまり、女性の方が圧倒的有利ということですね〜。上田さんも、美は女性の特権かも? と書いています。
ここまで読んでガックリきてしまったかもしれませんが、上田さんは、「好かれる顔の条件は、美形だけではない」とも書いています。
あなたも経験があるかもしれませんが、よく行くコンビニにいるバイトの女の子をかわいく感じてしまったり、別にカッコよくないのに魚屋のお兄さんを好きになってしまったり……。 ここにはどんな秘密が隠されているのでしょうか?
好きになる顔は“慣れた”顔?
上田さんは、「人間は慣れたものを好きになる傾向がある」と言ってます。 そう、美形以外の好かれる顔とは、「慣れた顔」だったんです。
こんな実験が本の中で紹介されています。 見知らぬ人の顔写真を何枚か準備して、2秒ずつ、何度か繰り返して、被験者に見てもらいます。そのとき、ちょっと細工をして、「見せる回数」を調節します。例えば、「山田さんの顔写真」を25回見る被験者もいれば、2回しか見ない被験者もいるといった具合に。そして、最終的にすべての写真に対して、「その顔が好きかどうか」を判断してもらいます。 するとどうなったかというと、多くの被験者に共通していたのが、顔写真を見る回数が多かった顔が「好きだ」と判断されたということです。 この効果を、「単純接触効果」というそうですが、つまり、たくさん顔を合わせて「見慣れ」させれば、好感をもたれやすいということがいえるんですね。
自分の顔に自信がない!しかも相手は面食い!>< ・・なんていう人は、短期決戦よりも長期戦の恋愛の戦略を立ててみてもよいのかもしれませんね(笑)
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