だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1873回「幼馴染の自動販売機にプロポーズした経緯について。」

町のおんぼろな自動販売機、そのそばには着物姿の女がいる。
軽やかに歌う彼女は、人ならぬもの。
そんな「自動販売機」に恋をしてしまった“ぼく”が、
やがて彼女にプロポーズをするまでの経緯を描いた、笑って泣ける青春恋愛劇。
小説投稿サイト『カクヨム』発の新感覚ラブコメディが登場!!
(提供・KADOKAWA)

新刊ラジオを購読する方はこちら

読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました

初恋相手は〝自動販売機〟

こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

今回の書籍タイトル、誰もが気になったことでしょう……。

『幼馴染の自動販売機にプロポーズした経緯について。』

『幼馴染の自動販売機』って何!? となりますよね。僕もそう思いました。

人間とあの大きくて四角い自販機とラブコメを繰り広げるのかな、いったいどんな話になるのかな、といった考えを持ちつついざ読んでみると、これが面白い。

とりあえず、一言感想を述べるなら……

自動販売機、可愛すぎませんかね?

おいおい、どうしたと言われそうなので、少々解説を。

実はこの自動販売機、長年使いつづけられたことにより、意識が宿って形を成した付喪神なんです。

なので、見た目は美人なお姉さん。性格は元が自動販売機ということもあり、世間知らずなところがあってちょっとアホっぽいというのもポイント高いですね。

ただ、霊的なものの一種なので、普通の人には姿が見えていません。

さて、主人公ですが、神社の跡取り息子ということで、霊感があり作中では唯一ヒロインとコミュニケーションがとれる人物です。

幼い頃から自動販売機と接しているからか、いつも彼女からは「少年」と呼ばれて子供扱いを受けることが多いみたいですね。それと、これは作中の時系列にもよるのですが、基本的に生意気な性格をしています。

こういったところは、自動販売機に対する甘えがちょっとあるのかもしれませんが。

まぁ、生意気どうこうは置いておくとして、主人公のヘタレぶりというか、なんというか恋愛の不器用さは本当にすごかったですね。

想いを伝えるのにどんだけかかるねん! って思いました。

まさにこの物語は「プロポーズした経緯について」が描かれているわけです。

タイトルに偽りなし。

といったところで、今回も物語の一部を音声ドラマでお届けします。

キャストには、市来光弘さん、今井麻美さん、加隈亜衣さんをお招きしました。

それでは、どうぞ本編をお聴きください。

■キャスト(敬称略) ぼく…市来光弘 自動販売機…今井麻美 同級生…加隈亜衣

◆著者プロフィール 二宮酒匂さんは、『ジンニスタン』という作品で商業デビュー。 KADOKAWAの小説投稿サイト『カクヨム』に投稿した作品『幼馴染の自動販売機にプロポーズした経緯について』が書籍化されました。

幼馴染の自動販売機にプロポーズした経緯について。

幼馴染の自動販売機にプロポーズした経緯について。

幼馴染の自動販売機にプロポーズした経緯について。

田舎町のおんぼろな自動販売機、そのそばには着物姿の女がいる。軽やかに歌う彼女は、人ならぬもの。そんな「自販機」にうっかり恋をしてしまった“ぼく"の片思いを描いた、笑って泣ける青春恋愛劇。