新刊ラジオ第1834回 「謹訳 平家物語 二」
書き出しの「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり?」が有名な「平家物語」。学校の授業などでも親しまれている、古典の名作が鮮やかな現代語訳で蘇ります。タイトルの「謹訳」とは、著者の造語であり、原典に限りなく忠実に、古典知識や当時の常識を適宜補いながら、原典の面白さを謹んで存分に表現するとの意だそうです。後世の文芸作品に多大な影響を与えた「平家物語」。これを機に読んでみてはいかがでしょうか?
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現代語で原典の内容を忠実に再現
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
リンボウ先生こと林望さんの書かれた今回の本は、前作『謹訳 源氏物語』に引き続き、古典の現代語訳です。
今回は『平家物語』を現代語訳しています。
なお、『平家物語』は巻第一から第十二まである長編ですので、今回紹介するシリーズ『謹訳 平家物語』は全四巻の刊行が予定されているそうです。
本日メインで取り扱うのは、新刊となる『謹訳平家物語[ニ]』のほうです。
前作『謹訳 平家物語[一]』は、原典の巻第一から巻第三までを収録、今作『謹訳 平家物語[ニ]』は、巻第四から巻第六までを収録しています。
タイトルに付けられている「謹訳」とは、「謹んで翻訳する」と書きまして、これは著者の林さんの造語だそうです。
『謹訳 源氏物語』も同じく、「謹訳」と付けられていますが、これは、原典に限りなく忠実に、かつすらすらと現代小説を読めるように訳していくシリーズで、古典知識や当時の常識を適宜補いながら、原典の面白さを謹んで存分に表現することを意味するといいます。
というわけで、今回はこの辺りも含めて、著者の林さんにインタビューをしてきました。
どうぞ本編をお聴きください。
◆著者プロフィール 林望さんは、1949年東京生まれ。作家・国文学者。通称リンボウ先生。 慶應義塾大学文学部卒、同大学院博士課程修了(国文学専攻)。 ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。 専門は日本書誌学・国文学。 1984年から87年にかけて、日本古典籍の書誌学的調査研究のためイギリスに滞在、その時の経験を綴ったエッセイ『イギリスはおいしい』(平凡社・文春文庫)で91年日本エッセイスト・クラブ賞を受賞し、作家デビュー。『イギリスは愉快だ』(平凡社・文春文庫)、『ホルムヘッドの謎』(文芸春秋)と並ぶイギリス三部作はいずれもベストセラーとなって、イギリスブームの火付け役となりました。 『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』 (ケンブリッジ大学出版)で92年国際交流奨励賞、『林望のイギリス観察辞典』(平凡社)で93年講談社エッセイ賞を受賞。学術論文、エッセイ、小説の他、歌曲の詩作、能作・能評論、自動車、古典文学等著書多数。 近年は『往生の物語』(集英社新書)『恋の歌、恋の物語』(岩波ジュニア新書)等古典の評解書を多く執筆。著書『旬菜膳語』(岩波書店・文春文庫)『能よ 古典よ!』(檜書店)『リンボウ先生のうふふ枕草子』(祥伝社)等多数。 『謹訳源氏物語』全十巻(祥伝社)で2013年毎日出版文化賞特別賞受賞。
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