だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1827回 「頼る力: 99%のトラブルが解決!かかりつけの法律事務所へ」

「弁護士に相談するのは後ろめたいことですか?」そう述べるのは、法律事務所の支配人である著者。著者曰く「弁護士とは困っている人を法律の力で守ってくれる人」。金銭・人間関係のトラブルは、法律の専門家に相談したほうが良い、にもかかわらず、ついつい相談するのに気が引けてしまう弁護士という存在について、どんなメリットがあり、どんな方法があるのかを、豊富な実例とともに、分かり安く丁寧に教えてくれる一冊です。(提供・合同フォレスト)

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法律事務所は気軽に「頼る」場所?

こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

まず、一読した感想を率直に申し上げると「優しい!」これですね。

これには3つの意味がありまして、1つ、説明がやさしい。

法律のことや、弁護士について全く知らない人にも、平易な言葉で説明をされていて、ちょっと専門的な用語が出てくると、必ずその用語についての解説もセットでされています。

2つ目、理念が優しい。

吉田さんは本書の冒頭でこのようなことを述べています。

「弁護士とは困っている人を法律の力で守ってくれる人」 吉田さん自身は、弁護士資格はお持ちでないのですが、法律事務所を切り盛りしていく上で、どうすればこの人を助けられるか? 悩みを解決してあげられるか? を常に考えているのだなぁ、という理念が感じられました。

3つ目、文体がやさしい。

女性的な丁寧な語り口。

さらに、トラブルを抱えた人の表情だとか、それが解決したときのスッキリした様子など、「人間」を観ているなぁという文章が、良い意味で印象に残りました。

先の2つと併せて、「読者」と「依頼人」の両方に対して、母性が発揮されているような文章でしたね。

そんな優しいこの一冊。

内容としては、弁護士に相談するとはどういうことか? どういう悩みが解決できるのか? 相談するメリットは何か? 相談しないデメリットは何か? といったことを、豊富な事例とともに教えてくれる本になっています。

タイトルの「頼る力」に現れているように、「トラブルに悩んでいたら、遠慮せず、いつでも私達を頼って来てくださいね」という著者のメッセージが感じられ、知識としては「あ、なるほど、人間関係とか金銭関係のトラブルって、こういう風にも解決できるんだ」という事がよく分かります。

長い人生何があるか分かりませんので、いざという時に、弁護士さんにすぐ相談できるような準備・心構えを教えてくれる本です。

僕自身、まだ弁護士に相談にいくという経験をしたことがないので、いざという時のために、この本を読んでおいて良かったなぁという気がしています。

さて、今回は著者の吉田さんに直接お話を伺いましたので、ぜひ本編をお聴きください。

◆著者プロフィール 吉田章美さん。 1949年大阪生まれ、28歳の時、弁護士の夫と結婚。 ちなみに、結婚前は銀行員や小学校の教員をされていたそうです。 その後、夫の法律事務所を手伝い、 現在は、同事務所の支配人を務めています。

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