新刊ラジオ第1749回 「糖尿病なら すぐに「これ」を食べなさい!」
現代人に糖尿病患者が増え続けているのはなぜでしょう。 いままで肥満が糖尿病を引き起こす要因だと思われていましたが、実は原因はもっと別なところに。様々な合併症を起こしてしまう糖尿病。ある食材を食べれば糖尿病は予防も改善もできる病気でした。元気で長生きをしたいならば、今日からすぐに「これ」を食べましょう。
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
概要
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
今回の本は、糖尿病の人は勿論、家族に糖尿病を患っている人がいるという人、 健康診断でメタボと診断された糖尿病予備群の人たち。
そして、糖尿病なんて関係ないと思っている人も実は糖尿病だったということがあるそうなので、元気に毎日を過ごしたいと思っているのならば、是非とも読んで欲しい一冊です。
そもそも糖尿病とはどういう病気なのかというと、 「血液中のブドウ糖の濃度、これを血糖値といいますが、この血糖値を下げる唯一のホルモンである『インスリン』の作用不足によって起こる慢性的な高血糖状態を呈する代謝疾患群」 のことを言います。
簡単に言ってしまえば、血糖値が糖尿病の人は、いつも高い状態にあるということです。
健康な人は、エネルギーの源であるブドウ糖を細胞に取り込んで、効率よくエネルギーに変えることができるのです。
つまり、食事のあと、ある程度はみんな血糖値は上がるのですが、時間が経てば血糖値は下がっていきます。
ところが、糖尿病の人は、時間が経っても血糖値は下がらないのです。
血糖値が常に高い状態にあるということは、血液中のブドウ糖が細胞内にうまく取り込めていないということ。
それは、細胞の中のブドウ糖が足りなくて、エネルギーが上手く生産されないということを意味します。
エネルギーが十分にないとどうなるかというと、細胞の働きが悪くなってしまうのです。
さらに全身のさまざまな臓器も働きが低下していってしまうのです。
糖尿病はいろいろな合併症を起こす怖い病気なのです。
みなさんは、糖尿病になる人ってどんな人だと思っていますか?
◆著者プロフィール 横田邦信さんは、昭和26年生まれ。東京慈恵会医科大学大学院を卒業。 卒業後は、富士市立中央病院内科医長、横須賀北部共済病院内科部長を経て、 平成13年、東京慈恵会医科大学助教授。 平成22年より現職である東京慈恵会医科大学教授、東京慈恵会大学付属病院糖尿病・代謝・内分泌内科診察医長。日本生活習慣病予防協会参事。日本糖尿病学会学術評議員。日本マグネシウム学会理事。
糖尿病を防ぐためには?
多くの人は、肥満が原因で糖尿病になるって思っているのではないでしょうか?
専門医がメディアを通じて、「糖尿病になりたくなければ、カロリーを制限して運動しなさい」って言っていますから、そう思うのも仕方のないことですよね。
ところが、今回紹介する本の著者である横田邦信さんは、 「肥満で糖尿病になる人」と、「肥満ではないのに糖尿病になる人」は、同じ程度か、むしろ肥満ではない人の方が多いと仰っています。
1960年以前は、日本には糖尿病患者はほとんどいなかったそうです。
それが、欧米型の食事が家庭に入ってきて、食生活が変わってきたら、急激に糖尿病患者が増え始めたのだとか。
最初、専門家の間では、食生活の変化と糖尿病患者の増加の因果関係を、“脂肪やエネルギーの摂り過ぎ”と言っていましたが、 横田さんは、厚労省のデータを詳しく検討してみたところ、なんと、脂肪やエネルギー摂取量は、1996年頃から下がっていたのだそうです。
それでも21世紀になっても糖尿病患者は増え続けているという事実があります。
ということは……。
脂肪やエネルギーの摂り過ぎが糖尿病を引き起こす原因ではないということ……、ですよね。
ではいったい、何が原因だというのでしょう。
横田さんは、細かなデータを調べて、分かったことがあると言います。
それは、脂肪やエネルギー摂取量が減ったこの同じ時期に、「激変」して食べることが減った食べものがあるのを発見しました。
それは、大麦や雑穀などの穀物。
大麦や雑穀などの穀物摂取量が激変した時点と、糖尿病患者が増加した時期が見 事に一致するのだそうです。
大麦や雑穀などの摂取量が少ないということは、マグネシウムの摂取量が少ないということにつながります。
つまり、慢性的なマグネシウムの摂取不足が、「太っていないのに糖尿病」という人が増えている要因なのではないかと。
太っていない人の中に糖尿病を発症する要因として考えられるのが、喫煙・睡眠不足・加齢・遺伝・ストレスなどが挙げられています。
そしてマグネシウムの摂取不足もその要因のなかのひとつなのです。
マグネシウムの摂取が少なくなると、インスリンが出せなくなります。
インスリンの分泌能力が低下するということは、結果、インスリン分泌がされず に糖尿病の発症リスクになってしまうということなのです。
マグネシウムの働きがないと、インスリンの動きが悪くなってしまうので、ブドウ糖を細胞に取り込む機能が低下してしまい、ブドウ糖が血液中によどんでしまい、結果としてインスリン抵抗性という状態になってしまいます。
横田さんが行った、臨床研究ではマグネシウムを十分に摂取する実験をしたところ、インスリンの分泌がスムーズになって、インスリン抵抗性を改善する効果があらわれたそうです。
つまり、マグネシウムをとることで糖尿病の発症を防ぐことができるだけでなく、すでに発症している糖尿病患者にも有効であるということが分かります。
マグネシウムが人体に果たす役割は、本当にたくさんあるのです。
骨や歯の形成に不可欠であったり、血圧の正常なコントロール、筋肉や神経を動かす作用もマグネシウムが関係しています。
人体には350種類以上の酵素があるのですが、マグネシウムが不足してしまうと、その酵素の動きがにぶくなってしまうのだそうです。
糖尿病の人、はブドウ糖が足りなくて、エネルギーが上手く生産されないと言いましたが、そのブドウ糖が分解される過程でATP(アデノシン三リン産)という物質が作られて、からだのあらゆる部位でエネルギーとして使われます。
そのATPの生産が低下するのもマグネシウム不足が原因でした。
つまりマグネシウムが不足すると、酵素の活性低下、ATPの生産力低下、インスリン分泌力の低下となり、糖尿病を発症するといいます。
となれば、マグネシウムを摂れば、これらのことが防げるという訳なのです。
マグネシウムによって進行を抑える
「糖尿病を予防したい」 「糖尿病予備軍で、発症したくない」 「糖尿病を発症しているが進行にブレーキをかけたい」 と思っている人は、本に書かれているマグネシウム補充療法を、決して難しいものではないのでいますぐに試してみて下さい。
でも、マグネシウムを摂るっていっても、どんな食べ物に入っているのか分からないですよね。
そこで、横田さんは誰にでもすぐに、マグネシウムを豊富に含む食材の代表的なものの頭文字をもとに作った標語があるのです。
それが、『そばのひ孫と孫わ(は)優しい子かい? 納得!!』
ん? なんでしょう? どんな食材か分かりますか?
最初の「そば」は分かりますよね。
他の食材は分かりますか?
この標語の中に全部で20の食材が入っています。
その食材は、マグネシウムを多く含んだ食材、もしくは効率よく摂取しやすい食材を表しています。
この標語を覚えて、毎日数品目を料理に応用するだけで、マグネシウムの摂取量が、グンとアップするのだそうです。
例えば、「そば」。
蕎麦は麺類。と思っている方も多いかと思いますが、「蕎麦」は、「そばの実」 という雑穀に分類されるのだそうです。
そばの実からつくられる蕎麦はマグネシウムが豊富です。
平均的な蕎麦の乾麺は100ミリグラム、茹でて食べる蕎麦も33ミリグラムのマグネシウムが含まれているのだとか。
1人前の蕎麦は、100グラム前後から150グラム前後なので、簡単に食べることができます。
スーパーなどで売られている袋入りの蕎麦は、つなぎの小麦粉が多く含まれている商品もあるそうなので、なるべくそば粉の多いものを選ぶように。
そのうえ蕎麦は、ローカロリーで、血管強化作用、抗酸化作用が期待できる成分も含まれているのだそうです。
蕎麦を食べる時には、わさびや七味を入れるとよりいいのだとか。
なぜなら、香辛料にもマグネシウムが結構含まれているのだそうです。
さらに、蕎麦を湯がいたときに逃げだしたマグネシウムを含むミネラルが含まれている、蕎麦湯を飲むことも忘れずに。
このように本の中では、この食材全ての詳しい解説とともに、どのようにその食材を食べると効果的なのかも書かれています。
糖尿病のメカニズムや、その病気の恐ろしさ、マグネシウムを摂ることで改善する理由と方法、さらに、具体的に毎日の食事の中でどんなメニューでマグネシウムを摂取していけばいいのかも書かれているので、無理なく続けられると思います。
これからも元気で長生きするためにも、マグネシウムの毎日の食生活に組み込んでいきませんか。
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