新刊ラジオ第1738回 「親の家を片づける お助け便利帳―迷った時・困った時のヒントがひと目でわかるビジュアル版 (ゆうゆうBOOKS)」
「親の家を片づける」シリーズの第4弾。今回は実際に親の家を片づけるときの悩みや問題を解決するための指南書。イラストと図解で書かれた実践的な内容になっています。ものの処分方法、業者の頼み方、親兄弟との話し合い、金銭問題、土地や建物の相続といった、実際に起こり得る事柄を順番に解決していきます。誰もが経験するであろう親家片。もはや人ごとではありません。
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
概要
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
今回、紹介する本は、以前、番組でも紹介した、
『親の家を片づける―ある日突然、膨大な老親の荷物や家の整理と処分が、あなたの身に降りかかってきたら、どうしますか?』
『親の家を片づける 実践ハンドブック』
『親の家を片づける 土地 建物 相続問題』
「親の家を片づける」シリーズの第4弾。
前回の本では、突然降りかかってきた、親の家を片づけるという難関にどう対応すればいいかということを、実際に親の家を片づけた人のケースを参考にして、どう向き合っていったらよいのか、などの心構え、さらには、親の土地や建物の相続などの解決法を紹介してきました。
そして今回は、「迷った時、困った時のヒントがひと目でわかる ビジュアル版」。
「自分の場合はどうすればいいのか?」
「何から手を付けたらいいのか?」
「どう進めたらいいのか?」
といった、実際に親の家を片づけなければならなくなった時に、誰もが思うであろう悩みや問題を解決するための実践編。
親の家を片づけなければならない状況は人それぞれ。
「親が高齢になって、近くに呼び寄せることになった」
「ひとり暮しの親の家がものでいっぱいになって、生活がきちんとできていない」
「元気だった親が亡くなって」
と色々な理由で、突然、その日はやってきます。
核家族化や都市部への人口集中が進んだことによって、ここ10年で急速に広がった問題です。
親のいない人はいないのだから、誰にでもいつかは起こってくることなのです。
今回の本は、実践的で、とても丁寧。しかも、片づけの前に準備すべきこと、進め方のコツ、悔いが残らない「捨て方」・「残し方」、そして最後に、親の家を片づけたことによって心が疲れてしまったときの「心の処方箋」まで書かれています。
何から手をつけなければならないのか、いつやるのか、親子兄弟で話し合っておかないといけないこと、情報収集の仕方、何を捨て何を残すのか、金銭面のこと、親の気持ち、注意点など、より具体的な内容になっています。
「親家片」ノートを用意しよう!
ある日、突然やってくる親の家を片づけるという大きな問題。
とにかく、慌てず、騒がず、焦らない。
始める前にまずひと呼吸! の気持ちを持つことが大事なのだそうです。
では、実際にどのようにしたらいいのでしょう。
親の家を片づける……、この言葉を「親家片(おやかた)」と本書では呼んでいます。
まずは、「親家片」ノートを用意するのがいいのだそうです。
ひと口に「親家片」といってもケースは人それぞれ、状況はみんな違います。
最初に、今わかっている状況や条件を書き出してみます。
そして、問題点、悩み、行動したことなどをどんどん書いていきます。
このノートに残しておけば、兄弟や家族、専門家に相談したりするときに要領よく伝えられることができ、勘違いや伝えもれなどを防ぐことができるんですね。
その他にも、家や土地の名義人、預貯金など事前に調べておかなければならないとこと、やらなければならないこと、などが書く事によって浮かびあがってきます。
なによりも、書くことですこしずつ気持ちも落ち着いてくるのだとか。
本の中では、この「親家片ノート」の具体的な書き方が、図入りで載っているので、実際にどのように書いたらいいのかが、すぐ分かります。
その中身をちょっとだけ紹介すると、親の状況について、年齢や健康状態、現在の気持ち、願い、これまでに聞いてること。
親が健在ならば、片づけにどの程度かかわれるのか、要望など聞いて話し合ったことを書き留めておきます。
万が一、亡くなった場合に家や財産をどうしたいかなども、親の思いを聞いておきます。
その他にも、家の状況、費用、片づけに参加できそうな人・参加して欲しい人、相談すべき親戚、つきあいのある司法書士などもピックアップして書いておきます。
とにかく、現時点でわかっていることや、考えていること、不安なこと、話し合ったこと、いつ・誰に何を相談したかなども全てノートに書き残しておくのが大切なのですね。
「言った、言わない、聞いてない」というトラブルを避けるためにも日付けは必ず、できれば写真も撮って貼っておくと、記憶を呼び戻すときに役立っていいそうです。
そして、なによりも書くことで、冷静になれて、「ここまでできた」という達成感も得られるのだそうです。
そして、大事なことは自分ひとりで進めない、こと。
ひとりで抱え込むことが一番やってはいけないことなのだとか。
とにかく、親の家を片づけるということは、本当に大変な作業なのです。
「いつになったら終わるのか」 「親のものを処分するのが辛い」 「なぜ私だけがこんな目にあうのか」……、ひとりで作業していると、こうしたおもいに押しつぶされそうになります。
そんなときにこそ、一緒に作業をしてくれる人がいれば冷静になることができるし、ひとりより複数の人がいたほうが、いい結果を生むこともあるのです。
みんなの思いが違ったりしてもいいのです。
大まかな方針、役割分担、それぞれの思い、決定事項もぜーんぶノートに書いておきましょう。
また、親の家にあるこんなもの、あんなもの……という実際の品物が紹介してあり、これはどうしたらいいのか、と悩んだときに役立つページもあります。
例えば、洋服・家具・家電・ブランドもの・高価な貴金属などはどうしたらいいのでしょう。
写真・ビデオなども保存方法や処分する際の注意点。
趣味の道具や作品、コレクション、表彰グッズ……、このような品々、どこの家にもありますよね。どうします? 悩みますよね。
位牌、仏壇、神棚は……、分かりますか?
ねっ、あるでしょ。親の家には、このようなしなものが沢山。
でもどうしたらいいのかは、分からない人がほとんどなのではないでしょうか。
実際に親の家を片づけるという事実に直面したときに、何から始めたらいいのか、情報はどこから収集するのか、チェックポイント、話し合うべき事柄、処分方法、作業の進め方、問題点、進み具合……など頭を抱えることばかり。
そんなときに、この本は、やさしい解説で知りたいことが具体的に書かれていて、その対処法を理解することができます。
そのうえ、カラフルな色遣い、かわいらしいイラストで書かれているので、楽しみながら読み進めていくことができます。
それでいて読み終わったときには、どうしたらよいかの悩み疑問がスッキリ解決。
まさにかゆいところに手が届く一冊です。
親の家を片づける お助け便利帳―迷った時・困った時のヒントがひと目でわかるビジュアル版 (ゆうゆうBOOKS) |