新刊ラジオ第1714回 「人生の9割は逃げていい。」
「努力しても人間関係がうまくいかない」「まじめにやっているのに仕事で結果が出ない」「本当にやりたい仕事ではないけど、我慢してやっている」――。こういった悩みを抱えている方は必見!
もしかすると、今いる場所はあなたに合った環境ではないのかもしれません。
学校、仕事、人間関係から9割逃げ続けた結果、理想の自分を手に入れた著者が贈る、新しい成功論がここに!!
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
概要
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
今回紹介する書籍のタイトル「人生の9割は逃げていい。」ということなのですが……。
え!? と思う方もいるのではないでしょうか。
人生の9割を逃げるって相当なことだと思いますよね。
学校で嫌なことがあれば逃げ、会社でも嫌なことがあれば逃げ、家からも逃げて行く。
これだけ聞くと、まさに「ダメ人間」という感じですが……逃げ続けることによって思わぬ光明が見えてくると、井口さんは本書で語られています。
井口さん自身、中学高校時代はいじめによって5回の転校、そして大学も中退していて、自分を「ダメ人間」だと思っていたそうです。
アルバイトの類も長続きせず、就職もろくに出来ない日々。
しかし、逃げに逃げ続けた結果、自分のパフォーマンスが最大限発揮できる場所を見つけ出し、成功をおさめました。
その経験によって得られたノウハウが本書につまっているというわけですね。
さて、井口さんは「9割」逃げていいと本書で述べていますが、具体的には何から逃げればよいのでしょうか。
今回はその内容を少しだけご紹介します。
◆著者プロフィール 井口晃さんは、リッツコンサルティングPTE.LTD.代表取締役。 現在は、世界50ヶ国を飛び回り、自分の情熱と人生経験と知識を使い、他人を救う“エキスパート”を10,000人育成することをミッションにセミナー講師、コーチ、スピーカー、著者、インターネット起業家を指導しています。
逃げ続けて得たもの
日本人の多くは、親や教師、会社の経営者、上司などから、「どんな困難でも乗り越え、逃げずに立ち向かう人が正しい」というような話をします。
井口さんによれば、これは一種の“洗脳”であるとのこです。
今を生きる人たちは、どんな嫌なことでも、やり続けることに価値がある、と思い込まされていると。
しかし、実際はどうでしょう。
そのように諭す、親や教師、会社の経営者、上司たちは、本当にどんな困難でも乗り越え、常に逃げずに立ち向かっているのでしょうか?
実践できている人なんて、そうはいませんよね。
井口さん曰く、「逃げずに立ち向かい続けるという考え方」というのは、よほどストイックな人にしかできない荒業だそうです。
普通の人からすると、非常に困難。
「逃げることでしか、理想の人生は実現できない」というように井口さんは考えています。
実際に井口さんは「古い価値観」「自分に合わない仕事・人間関係」「自分にふさわしくない」から逃げ続けることで、自分が本当に能力を発揮できる「仕事」「人間関係」「環境」を見つけ、すべてがうまく回るようになっています。
それでは、次は逃げることによって具体的にどのようなメリットを得られるのか、というお話をしましょう。
井口さんは高校中退後、日本からも逃げてアメリカへ留学しますが、結局、大学からも逃げてしまうことになります。
日本に帰ってきた井口さんは、まわりが就職活動を始めている中、「私も就職しなくては……」とは考えるのですが、もともと起業したいと思っていたことと、わずらわしい面接や人間関係を考えると就職活動ができず、ニートとして実家で3カ月過ごしたそうです。
そこでふと思いついたのが、大学生のころにやっていた、英語を教えるセミナー。
これで生計を立てようと考えたのです。
そしてセミナーをするなら人の多い東京がいいだろうと考え、地元である大阪から逃げました。
とはいえ、お金は全くなく、初めは東京に住んでいる友人宅に居候させてもらうことになります。
幸い、英語のセミナーを開催することによってなんとかお金の問題を凌ぐことはできたのですが、やはり、東京でも井口さんは逃げ続けてしまいます。
ビジネスパートナーと話が合わなくなれば、次のパートナー探し。
古い人間関係から逃げ、新しい人間関係をつくることに力を入れました。
すると、そうしているうちに人を見る目が磨かれていき、自分のビジネスを成功に導いてくれる、優れたパートナーを選べるようになっていきます。
そう、人間関係から逃げ続けることによって、「選ぶ力」が身についたのです。
そして、人を見る力が身につくと、次のステージへ。
「自分は、本当は何がやりたいのだろう」と、井口さんは考えるようになったそうです。
何が「好きなのか」「したいのか」ということを真剣に考え、その結果、「言葉を使って、多くの人に影響を与える仕事がしたい」と思うようになります。
井口さんは、「自己啓発」のノウハウを人に教えること、これを一生の仕事にしようと決心したのです。
逃げ続けた結果、自分が本当にやるべき仕事を見つけたわけですね。
まとめ
さて、ここまで逃げ切るとまた新たなものが見えてきます。
それは「仕事」「人間関係」「お金」「ライフスタイル」の自由をつかむというイメージ。
逃げ続けることで、心の底から情熱を持てる仕事を見つけた井口さんは、「これを絶対に成功させる!」と本気になり、そのイメージを手に入れることができたそうです。
ここまで本気になるとリスクをかけてビジネスをするようになっていき、セミナーでは今までやっていなかった広告を打ち、大々的に集客をするようになったとか。
リスクを背負ったことで、さらに本気になっていったわけですね。
本当にやりたいことを見つけて、リスクを背負って自分に投資したことによって、現在の自由を手にしているのです。
井口さんはここでこう語っています。
「今までは、誰かに言われたことを、何も考えずに行っていたから逃げていたんだと気付きました」
学校では「勉強しなさい」、アルバイトでは「もっと働け」と言われるがままに受動的に行動していたから、人生がうまくいかなったと言っています。
他人の土俵で相撲をとっていては、いつまでたっても自由は手にできません。
しかし、自分が本当にやりたいことを見つけて実行すれば、逃げることもなくなり、本気で取り組むことができるのです。
そこまで行き着くために、逃げて逃げて逃げまくる、ということなんですね。
今回の紹介では「逃げること」でどういうメリットが得られ、どういうビジョンが見えてくるのか、という話にスポットを当てました。
本書ではこの中でさらに、具体的にどういうことから逃げればよいのか、ということが項目ごとに分かりやすい形で書かれています。
ここで、個人的に目にとまった項目を一つご紹介します。
・卒業アルバムからは逃げていい
どういうこと!? と思う方が多いでしょう。
これは井口さんが生徒たちにアドバイスしていることだそうで、過去の自分を捨てることで、新しいセルフイメージをつくることができると、本書で語っています。
自分を変える。
そのためには今までの人間関係を一度断ち切ることも考えるということです。
少し極端な話と思われるかもしれませんが、ここまでの覚悟がある人だからこそ、理想のイメージをつかむことができるのかもしれません。
このように本書には「こんなことからも逃げるの!?」というような意外な内容も書かれています。
その他、項目だけいくつかピックアップしますと、
・9割の仕事からは逃げていい ・自分との戦いからは逃げていい ・社会の常識からは逃げていい ・「お金=悪」からは逃げていい
などがあります。
自分に当てはまりそうなものをピックアップして実践してみるのはいかがでしょうか。
現状の自分に悩みを抱えている方、仕事、人間関係といったしがらみから逃げ出したいと考えている方は、一度、本書を手に取ってみてください。
人生の9割は逃げていい。 |