新刊ラジオ第1708回 「Disneyヴィランズ魅惑の言葉」
「人としての礼儀だと?そんなものくそくらえだ!」
フック船長はそう言い放ちピーターパン達に立ちはだかる……
フック船長をはじめ、ディズニー作品には「悪役」「怪人」と一言で片付けられない、目が離せない惹きつけられる悪役、「ディズニー・ヴィランズ」が数多く登場します。
そんなヴィランズの「魅惑の言葉」をこの一冊に凝縮!
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
概要
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
今回紹介する本は主婦の友社よりでております『Disneyヴィランズ魅惑の言葉』という本です。
皆様はディズニー・ヴィランズという言葉をご存知でしょうか?
ディズニー・ヴィランズとはディズニー作品に登場する悪役達の総称ということなんだそうです。
今回はそんなディズニー・ヴィランズにスポットを当てた書籍のご紹介です。
因みに、ディズ二―作品は勧善懲悪であることが多く、物語の終わりはヴィランズが倒されて完結することが多いんです。
しかしそんなディズニー・ヴィランズですが、ヒーローに負けず劣らず、恐ろしいのになぜか目が離せないというキャラクターが沢山存在します。
今皆様の頭の中に、色々な悪役・ヴィランズが浮かんだのではないでしょうか?
ウォルト・ディズニーは言います。「優れたドラマには必ず、拮抗する善と悪とが存在する」と。
たしかに、ディズニー作品に限らず、面白い物語には魅力的な悪役が登場し、そのヴィランが物語を進行しているといっても過言ではないでしょう。
「Disneyヴィランズ魅惑の言葉」には、そんな魅力的なディズニー・ヴィランズの魅惑の名言が沢山詰まっています。
今回はその中から、我々が独断で選んだいくつかの言葉を紹介させて頂きたいと思います。
でも、ただ気になった名言を紹介するだけというのも味気がありませんので、今回はいくつかのテーマを決めて、そのテーマに沿った名言を選んでみました。
魅惑の言葉
【野心に関する言葉】
悪役といえば、野心。
野心ある悪役がいてこそストーリーが進展します。
そんなヴィランズの言葉を2つ紹介いたしましょう。
まずはこちら。
『俺の野心は 今燃えて 牙も研いで 準備はできた!』 ―ライオン・キング:スカー―
悪役が自らの力に目覚めることで、物語に息が吹き込まれ、動き出します。
それもひとつの真実ですよね。
やっと巡ってきたヴィランズの晴れ舞台は、ヒーローにとって苦難と試練の始まり、ストーリーが動き出す瞬間と言えます。
彼らの恐ろしい咆哮が、平和な世界と視聴者の心をも揺さぶるのです。
次の名言はこちら。
『たとえ来年のクリスマスまでかかっても、探し出してみせるからね。』 ―101匹わんちゃん:クルエラ―
たとえヴィランズの手を一度かいくぐったとしても安心はできません。
どんなに時間をついやそうとも、目標を達成しようとします。
不眠不休をものともしないヴィランズの強い執念は、ヒーローたちの大きな障害となると同時に、彼らの結束を高めるのにも、一役買っています。
ヴィランズの執念がヒーローとストーリーをより輝かせるんですね。
それでは次のテーマに行きたいと思います。
次のテーマはこちら。
【愛に関する言葉】
いつの時代も「愛」をテーマにした作品ほど心を揺さぶられるものはありません。
ディズニー・ヴィランズたちはその障害として愛しあう二人の間に立ちはだかります。
そんなヴィランズの残した名言を紹介致しましょう。
まずはこちら。
『真実の愛などない!』 ―リトル・マーメイド:アースラ―
愛を真っ向から否定した言葉。
ヴィランズは愛を信じません。
愛とは見せかけであり、たわごとであり、何も意味のないものと言うのです。
愛のために悪に立ち向かうヒーローに、ヴィランズは残酷にそう言い放ちます。
しかし、ヒーローたちは知っているのです。
どんな小さくとも、そのかたちが見えなくても、この世界には必ず真実の愛が存在するということを。
この言葉を乗り越えることにより、その真実の愛にヒーロー達は到達するのです。
次の言葉はこちら
『そうさ俺は最高にイカした奴!』 ―美女と野獣:ガストン―
これは「愛」の言葉として選ぶのに少し迷いましたが、あえて他の言葉を差し置いて選んでみました。
ヴィランズは誰かを愛するより、自分を愛することが好きなんですね。
彼らに共通するのは、事態に楽観的であることと、調子に乗れること。
生きづらさが蔓延する現代社会においては、ある意味、すばらしい能力かもしれませんが、行きすぎた自己愛は、己の目を曇らせて、周りから愛を見えなくさせます。
あまりにも自分を愛し過ぎることは、結局、誰からも愛を得られず、愛を失うことに繋がってしまうのですね。
次が最後のテーマとなります。
テーマはこちら。
【現代社会にも通じる深い言葉】
ヴィランズは野心家でありながら徹底したリアリストでもあります。
彼らが発する言葉には、その作品世界から飛び出し、現代を生きる我々にも通じる心理があります。
そんな言葉を紹介いたしましょう。
まずはこちら。
『本当の馬鹿とは絶望する奴を言う。』 ―アラジン:ジャファー―
相手を鼓舞し、意欲を奮い立たせるような言葉ですが、ヴィランズにとっては、相手を自分の企みに引きずり込むための仕掛けの一つです。
ヒーローの前向きな姿勢さえ、己の欲のために利用する。
その冷徹さこそ、悪の悪たるゆえんなんですね。
ヴィランズがヒーローに対して大真面目に正論を説く。
そんなときこそ注意が必要といえます。
しかしこの言葉、現代社会で生きる我々にとっては非常に感慨深い言葉では無いでしょうか?
最後の言葉はこちら。
『この世は不公平なものだ。』 ―ライオン・キング:スカー―
この言葉は先ほど紹介させて頂きました、ジャファーの「本当の馬鹿とは絶望する奴を言う。」とセットで噛みしめたい言葉です。
この世が平等で公平な場所だと、誰もが信じられるものではありません。
少なくとも、この短いつぶやき、落胆とともに吐かれた暗い心情には、真実味があります。
けれどもヴィランズのように不平不満を口にするばかりでは、苦境を乗り越えることはできませんよね。
どんな苦境に陥ってもそこから前に進み、事態を好転させようと努力することがヒーロー達にも私達にも重要なんです。
まとめ
ディズニー・ヴィランズの魅惑の言葉、いかがだったでしょうか?
今回紹介できたのはほんの一部だけで、他にも、「白雪姫」「シンデレラ」「ふしぎの国のアリス」「わんわん物語」「ピーターパン」「ピノキオ」「眠れる森の美女」「塔の上のラプンツェル」などに登場したヴィランズの、紹介しきれなかった魅惑の言葉が沢山あります。
本書を片手にヴィランズにスポットを当てて、作品を見直すのも面白いかもしれませんね。
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