新刊ラジオ第1668回 「雀蜂 (角川ホラー文庫)」
一年の3分の1は妻とともに山荘で優雅な作家生活を送っている安斎智哉。
しかし、ある日目覚めると妻の姿はなく、山荘の中にスズメバチが次々と現れる。
安斎は過去に一度スズメバチに刺されたことで、次は重度のアナフィラキシー・ショックを起こす可能性が高かった。
あと一回刺されると死んでしまう――。
武器も防具もない絶望的な状況の中、安斎は身一つで知略を尽くし、スズメバチに挑んでいく。
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
概要
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
みなさん、スズメバチはご存知ですよね? 刺されると命にも関わる危険な昆虫として恐れられているスズメバチ。
今回ご紹介する小説はホラーなのですが、そのスズメバチが題材となっているんです。
それでは早速内容を見ていきましょう。
季節は冬。ミステリー作家の「安斎智哉(あんざいともや)」は、絵本作家であり妻の「夢子」とともに八ヶ岳の山荘で優雅なひとときを過ごすはずでした。
しかし、朝目覚めてみると夢子の姿はなく、バスローブが床に落ちているだけ。
状況が分からないままふと周りを見ると、レースのカーテンと窓ガラスの間に一匹のスズメバチ、しかも攻撃性の高いキイロスズメバチの姿を見つけました。
安斎は昔一度スズメバチに刺され生死をさまよったことがあり、もう一度刺されると命に関わる体となっていたのでパニックに陥ります。
その後、なんとか落ち着いて蜂を潰すことに成功しますが、山荘の至るところからスズメバチが次から次へと姿を現します。
ろくな武器も防具もない状態で、迫り来るスズメバチ。
いつも間にか消えていた妻。
果たして、いったい何が起こっているのか。
といったところで、内容の一部をドラマにしましたので、どうぞ本編をお聴きください。
◆著者プロフィール 貴志祐介さんは、1959年大阪府生まれ。生命保険会社に勤務後、作家に転向。 『黒い家』が第4回日本ホラー小説大賞を受賞し、100万部を超えるベストセラーとなりました。 2005年『ガラスのハンマー』で日本推理作家協会賞、2008年には『新世界より』で日本SF大賞。2010年『悪の教典』は映画化もされ大ヒットし、このミステリーがすごい!で1位、週刊文春ミステリーベスト10で1位とダブル受賞を果たしました。
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