新刊ラジオ第1637回 「“内向型”のための雑談術―自分にムリせずラクに話せる51のルール」
「せめて、3分でいいから会話を続けたい」といつも思っている内向型の人のための雑談術。「話の輪に入れない」「イヤな上司と2人きり」「お客さまへの最初の一言が出てこない」「暗い、と思われがち」 などなど、人と話をするのが苦手、雑談が出来ないと悩んでいる内向的な人に、無理せず話しを続けることができるようなる本です。
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
概要
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
今回は、「内向型」の人が会話を続ける、雑談術を身につけるという本。
学生のころは、人見知りであろうが、無口であろうが、雑談なんてできない・・といっても、それほど困ることはないと思います。
休み時間などは教室でひとり本を読んでいたりすればいいのだし、授業中は雑談などする必要もないですもんね。
それに学生生活は期間限定。我慢していれば過ぎていくものです。
ところが、社会人になって会社に入社すると、そうはいきません。
学生生活の場所では、友達ができない・・・という程度のものですが、ビジネスの場では人と、うまくコミュニケーションを取らなくては仕事になりません。 社内の人とはもちろん、取引先、営業先にと、人と接することばかりの毎日です。
渡瀬さんも、社会人になったばかりのころは、
「初対面の人と何をしゃべっていいかわからないために、なかなか打ち解けない」
「だれかと一緒にいると、沈黙をやぶる言葉が出てこなくて、いつも重苦しい空気になる」
「大勢の人が集まるパーティや飲み会の席などでは、たいてい孤立してしまう」 といった悩みを抱えていたそうです。
そのなかでも、「雑談」が大の苦手だったそうです。
けれども仕事の場では、雑談がとても大事なコミュニケーション。
どうしたら、初めて会った人はもちろん、普段でも雑談がスムースに出来るようになるのかを模索していたといいます。
「10分も20分も会話ができることなんて求めていない。ほんの5分、いやせめて3分でいいから人と気軽に話せるようになりたい」
そう思っていたそうです。
ところが、リクルートに入社して営業をはじめたとき、「売れる営業マン」となっていったのです。
なぜでしょう。
それは、やっぱり “雑談” でした。
苦手だった雑談ができるようになって、話がスムースに出来るようになって、結果として営業の成績も上がっていったというわけです。
では、渡瀬さんは、なぜ“雑談” ができるようになったのでしょうか。
◆著者プロフィール 著者の渡瀬謙さんは、1962年、神奈川県出身。 子供のころから極度の人見知りで、小中高校生時代もクラスで一番無口な性格でした。とくに小学校の通信簿にはいつも、「もっと積極的に」と書かれていたそうです。 明治大学商学部商学科を卒業後は、精密機器メーカーに入社。その後、リクルートに転職されます。 社内でも異色な、「無口な営業スタイル」を通しながら、顧客からの暑い信頼を得て、入社10ヶ月目で営業達成率全国トップとなりました。 現在は、自らの体験をもとに営業コンサルタントとして活動なさっています。
雑談術
渡瀬さんは、「相手の気持ちをほぐすには、必ずしも面白い話をしなくてもいいんだ」
ということに気が付かれたのだそうです。
いわく「雑談のネタは、身近なところにあるものを取り上げるだけで十分」 とのこと。
例えば、実際に渡瀬さんが実行していることをいくつか挙げてみると、
●初対面で受け取った名刺を雑談のネタにする。
みなさんは初めて会った人と名刺交換をしたとき、どうします?
すぐに名刺入れにしまったり、そのまま机に置いてしまったりしていませんか?
そんなとき、受け取った名刺の名前を見て、少しでも読みづらかったり、変わった漢字を使っていたら、すかさず話題にするのです。
変わった名前の持ち主というものは、その名前について聞かれることに慣れているはずです。そればかりか話題にされるのを待っていたりもします。
そもそも名前は、ひとそれぞれ思い入れも強いものなので、初対面の雑談としては話しが弾む最高のネタだったんですね?。
でも、普通の名前だったり、特に話しのネタになるよう名前じゃなかったら?
という心配もあろうかと。
そういうときのために、渡瀬さんは初対面の人と会うときは、必ず時間に余裕を持って先方の最寄り駅からの通り道をチェックするのだそうです。
例えば、駅前に立派な像があった。
商店街に昔懐かしい駄菓子屋があった。
先方の建物の造りが由緒ありそうだった。
・・・・などなどいくつか見つけておくのです。
すると、名刺を貰っても話題がなさそうなとき、いま通って来た道で見つけたものを話題にするのです。
「こちらの駅は初めて降りたのですが、目の前に大きな武将の像があるんですね。有名な方なんですか?」
といったきっかけで話しが続いていくことも。
どうです?
けれどもいつも時間があるとは限りませんよね。
突然、出会って話しをしなければならないときとか、出先で相手と会うときとか、本の中では様々なシチュエーションでの対応の仕方が具体的に紹介されています。
ではここでひとつ問題です。
「相手が無口な人、口下手な人だったらどうしたらいいでしょう?」
本書では、相手が無口なときの対処法として、
「そんなときは無理やりしゃべらそうとしたり、笑わせようとしても逆効果。そんなときは“自己開示”」
なのだそうです。
渡瀬さんは、「私も無口でおとなしい性格なんですよ。
いつもみんなから営業マンらしくないと言われます」と相手に伝えるのだとか。
すると、決まって親近感を持ってもらえるのだそうです。
ちなみにこの自己開示は、相手が内向型の人でなくても有効みたいですよ。
その他にも、
○会話が進んで緊張感が取れて、話が一段落したら「過去」の話。「過去の経歴」、「出身」などを聞こう
○初対面でない人との雑談の仕方
○社内で毎日会う人との雑談
○雑談で盛り上がっている人たちの輪に入る方法
・・・などなど、ビジネスの場ですぐ使える雑談術51のルールが載っています。
雑談術が身に付けば、人と一緒にいるときの、あの「何か話さなくっちゃ」とか、大勢の中にいるときの、あの「孤立感」が消えて、気軽に人と接することができるようになりますよ。
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