新刊ラジオ第1634回 「矢沢永吉に学ぶ成りあがりマーケティング 」
モノが売れない時代に、マーケティングの重要性は増しています。しかしながら、大企業が展開する大々的なマーケティングに中小企業は押される一方…。そんな中、意外なところにヒントはありました。矢沢永吉から学ぶ「成り上がりマーケティング」。マインド・哲学・信念で、顧客を惹きつけましょう!
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概要
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
「矢沢永吉から学ぶ 成り上がりマーケティング」ですが、早速、その内容を見ていきましょう。
本のコンセプト、というかテーマは、まさにタイトル通りです。
永ちゃんからマーケティングのノウハウを学ぼう、という本。
しかし、本書と出会った時、ちょっと疑問に思いました。
「なぜ、マーケティングなのか?」と・・・。
マーケティングというのは、ビジネス用語で・・・誤解を恐れずに言えば、 お客さんに商品を買ってもらうための、市場調査・広告宣伝・販促活動などを包括的に表した言葉です。
矢沢永吉さんが、そんなマーケティングなんてしてるのかなぁ?というのが、本書と出会った時の率直な感想でした。
矢沢永吉さんが「この曲は、こういう人に聞いてもらいたいから、こういう風に宣伝をして、ライブはどこでやって・・・」なんていう、細かい事をやるのかな?
そんな風に思ったんですね。
結論から言いますと、これは僕の勘違いでした。
マーケティングの捉え方が違ったんですね。
横田さんは本書の中で、マーケティングをこのような言葉で表しています。
つまり、ガンガン営業しなくても、自然に商品・サービスが売れるようにするための活動がマーケティングだということです。(p.51より抜粋)
なるほど、明解ですね。
商品を売り込まずとも売れてしまう状態にすること、がマーケティングと捉えるんですね。
すると、矢沢永吉さんから学ぶ「成り上がりマーケティング」とはどういうものなのでしょうか?
◆著者プロフィール 横田光弘さん、1962年生まれ。 税理士、行政書士であり、横田光弘税理士事務所代表。株式会社経理マンセブン代表取締役。 高校1年生のときに矢沢永吉さんの『成り上がり』という本に出会い、以来、ファン歴35年の筋金入り永ちゃんファン! 税理士としては29歳で資格を取得し、税理士事務所を開業。 ゼロからのスタートで、色々と大変だったというか、がむしゃらだったそうですが、矢沢永吉さんの「成り上がり」の精神を見習い、粘り強く顧客を開拓し、現在に至ります。
成り上がりマーケティング
横田さんによれば、成り上がりマーケティングとは何かを一言でいうと、1回きりの「スモール客」を100回買ってくれる「BIG客」にすること、だそうです。
これは確かに矢沢さんがやっていそうな事ですね。
著者の横田さんを始めとして、世の中には、永ちゃんファンという人たちがたくさん居ます。
永ちゃんの曲ならば、永ちゃんのライブならば、永ちゃんのグッズならば、何だって俺らは受け入れるぜ!という強力なファンが、たくさん居ますよね。
では、具体的にはどんな事をすればいいのか?
本書から一部をご紹介していきましょう。
まず、成り上がりマーケティングでは、お客さんを5種類に分類して考えます。
その5種類とは次の通り、
?見込み客 ?一回客 ?リピート客 ?ファン客 ?信者客
勘の良い人は気づいたかもしれませんが、これ、つまり、見込み客を一回客にして、一回客をリピート客にして、リピート客をファンに、ファンを信者に・・・ と、お客さんをステップアップさせていけば良いんですよね。
最終的には、信者客がある程度の数いれば、もうセールスなんて要らなくなりますからね。このコンセプトは非常に分かりやすい。
では、どうやってお客さんを信者客にまでしていくのか・・・というお話ですが。
最初から最後まで説明していくと時間がなくなってしまうので、詳しくは本書をお読み下さい。
【成り上がりマーケティングの真髄】
では、最後に、こんなお話を・・・
本書の中には、矢沢永吉さんのエピソードを交えつつ、色々なノウハウがご紹介されています。
今回の新刊ラジオでは、その中でも、僕が一番カッコよく、一番ユニークだと感じたものをご紹介しましょう。
コチラです。
「永ちゃんマインド」(あるいはYAZAWAマインド)
具体的には、
?ブレない ?自分の信じた道を最後まで突き進む ?オリジナリティにこだわる ?媚びない ?相手を見て態度を変えない ?常識を打ち破る ?誰もやらないからやる ?まじめさを忘れない
横田さんによれば、これは、成り上がりマーケティングを行ううえでの真髄であり、根幹を成す考え方だそうです。
実際に、これをその通り習得するのは難しいかもしれませんが、こういう人物にお客さんは惹きつけられるんだ!という感覚は分かっていただけるのではないでしょうか?
特に、僕はこの中で?媚びない、に大変な感動を覚えました。
お客さんに媚びない、ヘコヘコしない、というのは、意外と、今の世の中難しいです。
しかし、それができるということは、自分の商品に自信をもっているという事。 逆に言えば、それだけ、自信を持って送り出す商品に、お客さんは惹きつけられてしまう、という事でもあります。
一朝一夕ではできないものですが、この考え方は大いに学ぶべきですね。
まとめ
では、最後に簡単なまとめを・・・
本書の最大の読みどころは、この「成り上がりマーケティング」という考え方です。
このマーケティング手法、誰がやっても必ずそうなる、というものではなく、熱意・情熱というものが必要です。
ですから、もはや「マーケティング」というよりは、「生き様」「信念」と捉えてもいいかもしれません。
そんな大変なもの学んでどうするんだ、とお考えの方もいるかもしれませんが、 実はこれ、このモノの売れない時代において、個人事業主や中小企業経営者にとって救いの一手になるかもしれないと、僕は踏んでいます。
あなたの情熱・信念を込めた商品を、それを理解してくれるお客さんに売れば、 自然と、お客さんはあなたのファンとなり、信者となり、安定した収益を与えてくれるでしょう。これは、大企業には中々難しいことです。
モノが売れないのは、時代のせいだ、人のせいだ、大企業が客を奪っていくからだ・・・とお嘆きの皆さん、この本で「生き様」を変えてみませんか!?
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