新刊ラジオ第1618回 「あほな奴ほど成功する―みんな!幸せと仲良くなろうよ。 」
知人にメールで送っていたものが書籍化!?口コミで広がり、フェイスブックでも公開し、今では約1万人を超える人たちに読まれている成功の秘訣。とにかくポジティブに、楽しく幸せに生きるヒントがこの一冊に詰まっています!
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
概要
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
さて、今回紹介する本。
題名がちょっと良いですよね。あほな奴ほど成功する。なんか楽しそうな雰囲気が伝わってきます。
本書は著者である中村さんが、4年ほど前から1日も休まずに毎朝思いついたことを文章にして知人に届けていたメールが元となっています。
その内容は素人ながら名古屋で居酒屋をはじめて今日まで続けてこれた理由、そして中村さん自身が毎日を幸せに過ごしてこれた理由が書かれています。
それが口コミで広がり、中村さんが経営する奥志摩が30周年を迎えることを記念にして書籍化となったそうです。
では早速中身の紹介をしていきましょう。
本書は元々メールだったということもあって、ひとつひとつの項目が短くまとまっていて非常に読みやすくなっています。
その中から一部をピックアップしてご紹介したいと思います。
◆著者プロフィール 中村文也さんは昭和32年、三重県生まれ。 株式会社奥志摩グループ代表取締役。 昭和58年の25歳のときに7坪の奥志摩をオープンし、現在は30年目を迎えています。
初心忘れるべからず
これはもうすぐ30周年、というタイミングで書かれたようで、中村さんが開業したときのことが書かれています。
中村さんは当時、「居酒屋は料理よりも接客だ!」と思って開業したそうです。
そして開業後すぐにお客さんから「奥志摩という店名を付けているならもっと旨い魚を置け!」を言われました。
そこで中村さんはすかさず「何を置けばいいですか?」を聞き返して、次の日には言われたものを仕入れたんだそうです。
さらに「旨い料理何かないですか? 作り方を教えてくさい」とお客さんに聞いて、それを参考にメニューを増やしていきました。
そんな飲食店想像できますか? 実際、中村さん自身も本編で「今、その当時を思い出すとゾッとします」ということが書かれていました。
しかし、実際お店はとても流行っていたそうです。
料理よりも接客という持論で、常に面白い話をすることを心がけて、お客さんを笑わせたり、相談を聞いたりといわゆるスナックのような接客をしていました。
当時は若くて必死だったからと中村さんは言っていますが、そう簡単には出来ないことですよね。
そのスタンスを根幹に中村さんはとにかく「お客様を喜ばす! 必ず喜んで帰ってもらう!」という一心で真剣にやっていました。
この気持ちを今も忘れずにいることが、初心忘れるべからず、中村さんがここまで成功した理由ですね。
■100人中99人にバカにされても
この項目は以前「奥志摩」にいたスタッフの話が中心です。
そのスタッフは20歳くらいのときに一人でアメリカやメキシコに行き、現地で暮らしていました。
その時にメキシコ料理のタコスにはまり、これを日本でマクドナルドのような全国チェーンにしたいと考えて、資金集めのためにバイトをしていたそうです。
マクドナルドと同じくらいにタコスのチェーンを展開するって、壮大な夢ですよね。
そして2年ほどで実家を改装し、タコスの店をオープン。出前もやっていたようで、中村さんはすぐに配達を頼んだそうです。
そうしたら、届いたタコスが食えたものじゃないと。
中村さんは思わず、 「これはウマくない! こんなのマックに勝てる訳がない。こんなの出してたらお客様がリピートしないよ。
最初からタコス自体、日本でウケないんじゃないの?」【P50より抜粋】
と言ったそうです。
相当きつい言い回しですが、当時、奥志摩のアルバイトの人たちを含めて10人くらいで食べたところ、全員まずいと言ったそうなので、おそらく、本当にまずかったんでしょうね。
しかし、そんなことで彼はあきらめず、99人がダメといっても自分一人はタコスが流行ると信じて、生地を改善し、味付けも考えるようになりました。
そして、そのスタッフから美味しいものができたと連絡があり、さっそく食べてみると以前とはまったく違って美味しいタコスになっていたそうです。
それから数年も経つと、彼は数十店舗を経営するようになっていました。
誰に何を言われようが超プラス思考で、自分を信じて突き進む。
このスタンスが彼を成功に導いた秘訣なんですね。
あほな奴ほど成功する
こちら本のタイトルにもなっている項目ですね。
これはどういうことか、一言であらわすと「素直」になることです。
中村さんの友人の半分以上は成功者だそうで、その人たちと一般の人たちとの違いが「素直」ということでした。
人から何かを教えてもらうとき、常に素直なことが必要です。これは経営者に限らず、自分が向上するために一番必要なこと。
いつでも素直に、ありがたく聴く、そして本当にいいと思ったことは、すぐにやってみるのが成功者だと中村さんは本に書かれています。
反対に一般の人たちは、いいと思っても行動しないか、いいと感じることがないそうです。
確かに、成功していない人というのは行動しませんよね。
また、中村さんは成功者の特徴をこう言っています。
「成功者は子どものような素直な心を持ち、遊びも人も大好きで、そのくせ根拠のない自信がある!」 「自分の言ったことが間違っていても、言ったことすら忘れてとにかく前に進む!」 「褒められるのがとくに大好き!」 【P20〜P21より抜粋】
なんか清々しいほどポジティブですね。
こういった人たちを中村さんは敬意を込めて「あほ」と呼んでいます。
成功者達はそのことに気づいていません。それでもあほな奴ほど成功し、幸せになれる。
その理由が「素直」なのです。
こういうポジティブなところに人と成功は集まってくるんですね。
■まとめ
というわけで、今回はポジティブ思考なお話でした。
本書はひとつひとつの項目が短く、話も面白いので、すらすら読めました。
また、ただ面白いだけでなく、短い文章の中に成功の秘訣がところどころちりばめられているので、経営者の方、またはこれからその予定のある方へ非常にオススメです。
ポジティブな話が主なので、少し気落ちしたとき、嫌なことがあったとき、イライラしたときなどちょっとしたストレス緩和のために読むのもアリですよ。
そういった意味ではこれから新しく働くことになる若い人たちにもぜひ読んで欲しい一冊ですね。
あほな奴ほど成功する―みんな!幸せと仲良くなろうよ。 |