だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1614回 「子どもの本当の気持ちが見えるようになる本」

うちの子、なんで言うことをきかないの!何度言っても分かってくれないし、私のことを困らせてばっかり……。と小さな子どもをもつママは、いつも思っているはず。でも、その理解不能な行動や、言動、それには全部、子どもなりの理由がありました。子どもの本当の思いが見えるようになったら、子育てはウソのように楽になっていきます。

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概要

こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

小さな子どもを持つ親にとって、自分の子どもは理解不能な宇宙人みたいなもの……。

なんでこんなことをするのだろう?

どうして忙しいときに限ってグズグズするの?

何回も言っているのに、なぜ分かってくれないの?

生意気なことばっかり言うのはどうして?

どうして、どうして、どうして……。

きっとこんな風に毎日思って困ってしまったり、悩んだり、ときにはつらくなったり、悲しくなってしまったり……母親としての自信をなくしてしまったりしていませんか。

そんな理解不能で言うことを聞かない子どもに、毎日怒ってばかり、怒鳴ってばかり……、うちの子は私のこと嫌いになっちゃっているんじゃないかしら、なんて不安になってしまっているお母さん!

子どもの気持ちが全く分からなくて困り果てているお母さん!!

そんなときには、この本を開いてみて下さい。

僕は、まだ結婚もしていないので子どもはいません。

子育てについてはなかなか分からない部分が多いのですが、将来、子どもができたときの参考書として読ませて頂きました。

◆著者プロフィール 著者の原坂一郎さんは、1956年神戸生まれ。 関西大学社会学部を卒業後、独学で保育士資格を取り、当時では珍しい男性保育士となりました。25年にわたり保育士として勤務、現在は、こどもコンサルタントとして全国で講演・講座・執筆活動を行っています。 KANSAIこども研究所所長、日本笑い学会理事、関西国際大学教育学部非常勤講師も務めておられます。

子どもの気持ち

本には、“子どもの気持ちが見えるようになるという便利な本”と書いてあります。

そんな素敵なことがあるのでしょうか?

何を考え、何故そうするのか全く分からない行動をとる子どもたち。

でも、もしもそのとき何を思っているのか、どうしてそうするのか、どうして欲しいのかが分かれば、子育てはずっとやりやすくなるはずですよね。

子育てのあらゆる場面で、その場、その場で対応できれば……そんな夢のような子育てが可能になる一冊なのです。

では、その、何を考えているのか分からない子どもの頭の中はいったいどうなっていると思いますか?

「何も考えてないんだろうな……」、と思っているお母さん、それは間違いです。

原坂さんによれば、

「子どもは本当に、何も考えていないように見えるときがあります。でも、子どもはちゃーんと考えています。 どの1分間を切り取っても、20ぐらいのことを考えています。1日全体ではもう1000個以上のことを考えています。0歳の赤ちゃんでもです」 (P22より抜粋)

何も考えず、のんきに過ごしているわけではなかったのですね。

じゃあ、いったい何を考えているのよ! という全国のお母さんたちからの反論が聞こえてきそうですが。

子どもの頭の中、実はその50%はお母さんのことを考えているのだとか。

その中身は、「おかあさん大好き」「どこにもいかないで〜」「ママやさしいな」「ねぇ、こっちむいて」「いっしょにあそぼ」……、とまあ、こんな感じ。

そして残りのうちの25%が「見たいよー」「さわりたいよー」「食べたいよー」「呼びたいよー」「聞きたいよー」……という何かしたいという欲求。

10%が、お母さん以外の人のこと、パパとか、先生、おじいちゃん、おばあちゃん。

10%がそれ以外の何か。そして10%は、自分でもよくわからない不明のこと。 と書かれていました。

そんなにいつも考えている大好きなお母さんを困らせたい、怒らせたい……なんて 子どもたちは全く考えていないのです。

では、なぜ、そんな大好きなお母さんのことを困らせてばかりいるのでしょう。

答え。それは、「こうしたい」という気持ちを我慢できないから、なんだそうです。

子どもは、好奇心、冒険心、探究心でいっぱいなもの。

つい後先考えずに、まず行動。

子どもの欲求には、大人が「して欲しくない」と思うものに多く、「大人がして欲しい」と思うものは、子どもの欲求の中にはないのだそうです。

これじゃあ、理解するって方が難しい……ですね。

「お母さんを困らせちゃえ」……ではなくて、「○○したい!」……ただそれだけでした。

その○○が大人にとって、お母さんにとっては困ることばかり、ということだけ。

じゃあ、子どもの理解不能な行動を黙って見逃していなければばらないのでしょうか。

子育てが辛くなってきても、このままジッと我慢してイライラした毎日がずっと続くのでしょうか。

答えはNOです。

まとめ

ではどうすれば?

それは、「子どもがお母さんにして欲しい小さな希望」をかなえるということでした。

本の中ではいくつか紹介されていますが、ひとつだけ紹介しますね。

「して当たりまえのことを」ほどほめよう(P91より抜粋)

例えば、「靴を揃えて脱いだ」、「呼ばれたら返事をした」「近所の人に挨拶をした」 これはやって当たり前のことですよね。

だからやっても褒められない。

でも、これを褒める。ささいなことを褒める。

このような些細な当たり前のことはやらないと怒られるのに、やっても褒められない。

だからこそ褒める。そうすると子どもは嬉しくてまたやろうとする。

それが定着して欲しい行動ならばなおさらです。

おもちゃを片付けた、食事の挨拶ができた、などなど。

褒められると嬉しい子どもはまたやる、そしてまた褒められる、するとその行動が定着する、お母さんも嬉しい……ということなのですね。

このように具体的な例がいくつも挙げられているので、すぐに実行することができて、 その効果も目で見えてきます。

また、なぜ子どもはこんなことをするのか、といった 「子どもの側からみた事情」も載っているので、 「こんなとき、実は子どもはこう考えていたのか」、と言ったことが分かり、 今までは理解不能だった行動にも理由があったことに気づかされます。

自分の子どもの行動が理解できなくなったとき、 毎日子どもに対して、叱ったり、怒ったりしてばかり……と落ち込んでしまったときに読んでみて下さい。

きっと、お子さんのことをギュッと抱きしめたくなるはずですよ。

子どもの本当の気持ちが見えるようになる本

子どもの本当の気持ちが見えるようになる本

子どもの本当の気持ちが見えるようになる本

うちの子、なんで言うことをきかないの!何度言っても分かってくれないし、私のことを困らせてばっかり……。と小さな子どもをもつママは、いつも思っているはず。でも、その理解不能な行動や、言動、それには全部、子どもなりの理由がありました。子どもの本当の思いが見えるようになったら、子育てはウソのように楽になっていきます。