新刊ラジオ第1600回 「〜成功者が必ずやっている3つの秘密〜 ツバメの法則」
みなさんは今の生活に何の不満もなく生活できているでしょうか。もしかしたら、仕事がうまくいっていなかったり、自分が成功できないのではないかと不安になっているかもしれません。本書「ツバメの法則」はそういった悩みを持つ方におすすめの一冊です。成功者とツバメの共通点に着眼した「ツバメの法則」は、あなたの夢をかなえる一歩をあと押ししてくれます。
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概要
こんにちは。ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
本書の題名となっている「ツバメの法則」。
名前だけ聞くと「何それ?」と思うかもしれませんが、この法則こそが西田さんによると成功者が持つ必須条件だそうです。
いわく、成功者にはいくつもの共通点があり、それを「ツバメの法則」と名づけたとのこと。
今、成功している人のなかでこの方法を実践していない方はいないそうです。
それでは、この「ツバメの法則」とは一体どういうものなのか、ご紹介していきましょう。
◆著者プロフィール 著者の西田さんは日本におけるイメージトレーニング研究・指導のパイオニアです。 「ツキのカリスマ」として日本の経営者、ビジネスマンの能力指導に携わり、数多くの成功者を生み出しています。
「ツバメの法則」とは?
西田さんによると、日本は東日本大震災の後、消費者の価値観が「目に見える幸せ」から「目に見えない幸せ」へ変わってしまったそうです。
そしてその急激な変化についていけず、経営が傾き、大変な赤字を抱えてしまった会社もたくさんあったと。
しかし、その一方で世の中の価値観の変化をいち早く察知し柔軟に対応することで、苦難の時期を乗り切った会社もありました。
ピンチをチャンスととらえ、以前より大きな飛躍を遂げた経営者、見事に会社を立て直した経営者、新天地を求めて果敢に海外に進出していった経営者。
そんな勇気ある姿が、毎年春になると遠い南の海から日本に渡ってくる鳥「ツバメ」と重なったそうです。
そして西田さんはツバメに興味を持ちその生態を調べたところ、面白いことに「成功する経営者」と「ツバメ」との間にいくつもの共通点が見つかりました。
その共通点を「ツバメの法則」と名付け、一冊にまとめられたものが本書になります。
しかし、なぜ「ツバメ」なのか。
法則の内容をご紹介する前に、なぜツバメの能力が今の時代に必要なのか少し見ていきましょう。
震災後、日本のビジネス界には新たなムーブメントが起こりました。
それは「人から愛されないと、ビジネスは成功しない」というもの。
確かに、人から嫌われて大成功するという話は聞きませんからね。
好かれればそこに人が集まるわけですから、これは必須条件というのもうなずけます。
で、これとツバメに何の関係があるのかというと、ツバメほど人に好かれている鳥がいないからです。
おそらく聞いたことがあると思いますが、昔から「ツバメがくる家は商売が繁盛する」と言ったりしますよね。
ここから少し毛色の違った話になりますが、ツバメの巣。これは中華料理の高級食材として喜ばれます。
それに燕尾服。ツバメのしっぽのように上着のすそがとんがって長いので、その名が付けられたそうですが、こちらは男性の正式な礼服です。
そして幸福の王子。オスカー・ワイルドの有名な短編小説ですが、この物語ではツバメが貧しい人たちのために宝石を配ったりしています。
これらを踏まえた上でなにが言いたいのかというと、ツバメというのは今も昔も「幸福の象徴」としてみんなから愛されているということです。
それが今の時代の成功者が持つべき条件となっているのです。
「ツバメの法則」の3原則
さて、ツバメの法則の内容ですが、大きく分けると3つの原則から成り立っています。
ツ「ツイてる人とつき合う」、バ「場を選ぶ」、メ「目線を高く」というものです。
このツ・バ・メの頭文字をとった3原則が成功するために重要な要素となっているのです。
ちなみにこれらの原則は、ビジネスに限った話ではなく、スポーツ選手やクリエーターの世界でも同じように利用でき、すべての仕事に通じる原理原則になります。
今回は3原則の中のツ「ツイてる人とつき合う」についてご紹介させていただこうと思います。
このツイてる人とつき合うという原則ですが、西田さんいわく、そういう人たちほど群れてしまうそうです。
いつまでも過去の失敗経験やトラウマに縛られて、脳が「不快」なまま物事を考えてしまう。
そうなると、失敗した同士、うまくいってない同士、ツイていない人同士でグチを言って慰め合います。
気持ちは分かりますが、成功する人たちというのは、脳が「不快」な人たちと群れることはまずありえないのです。それは仮に今、自分がうまくいってない状態であってもです。
そういう人たちは実績もないうちから「自分は成功者」だと思って疑わず、自然と成功者の輪に入っていきます。これが3原則の「ツイてる人とつき合う」にのっとった行動です。
また、ツイてる人というのはツイてる人を本能でかぎ分けることができます。
先ほど「ツバメが巣を作る家は、商売が繁盛する」という話をしましたが、これは実際、ツバメがトンビやヘビなど外敵から身を守るために、人の出入りの多い家に巣を作る習性があることからきています。
つまり、ツバメが巣を作ると商売が繁盛するのではなく、もともと見どころのある家を見極めて巣作りをしているのです。
とはいっても、家主はツバメの巣によって「これからいいことがたくさん起きるに違いない」と思って脳が「快」状態、不快の反対ですね、その状態になってどんどん物事が好転していくという効果もあります。
一方、ツバメの方にも家主が繁盛することでメリットが生まれます。
ツバメは巣を作ると1ヶ月ほどで旅立っていきますが、次の年、また同じ家に戻ってきます。
それで賑やかであれば防衛上も安心なので、ツバメにとって好都合なのです。
しかし、そこが繁盛していなければ新たに巣を作る場所を探さなくてはなりません。
なので、巣を作るときは繁盛している家、つまりツイてる家がいいのです。
こういったツバメの洞察力と先見力、これこそが成功を夢見る起業家が持つべき視点だと西田さんは言っています。
また、優秀な経営者やトップアスリートは仲間をとても大事にしています。
その仲間とは同じように志が高い人々のこと。脳がいつも「快」の状態で、夢に向かって果敢に進んでいる人たちのことです。
成功する人というのは、そんな前向きで明るく行動力のある人たちをとても大切にします。
そのなかでも起業家は、自分が成功する前に付き合っていた、志が高い友人をとても大切にし、自分が起業してうまく軌道に乗ってからも、当時の仲間で集まって情報交換をし、時代の転換期には、お互いの力を貸し合って新しいビジネスを立ち上げるのです。
すると、大きな波になり、一般の人たちみんなを引っ張っていく新しいムーブメントが起きます。
これが巣立つ前から、ツイてる人とつき合い、ツイてる人を大切にしたことの結果なのです。
まとめ
というわけで、「ツバメの法則」の一部をご紹介させていただきました。
本書は3原則を章ごとに分けてわかりやすく解説されています。
またその解説にでてくるたとえ話も「あぁ、確かに」と思わせてくれるものが多いので、納得できない、ということがなく、すっきりした気分で読むことができました。
本書でも書かれていますが、この法則はビジネスマンだけでなく、すべての仕事に通じる内容なので、何かに行き詰ってしまったとき、自分が満たされていないと感じたときなど、脳が「不快」なイメージを浮かべてしまっているときに読むと良いですね。
本の書き方からも何か力強さを感じる一冊でした。
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