新刊ラジオ第1589回 「英語を「続ける」技術」
英語が続かないのは、あなたの努力が足りないわけではない? 英語の学習をするうえで、知らぬ間に成功を邪魔してしまう3大ストレス。本書は脳科学、心理学、言語学の観点から、英語への苦手意識を解消し、ラクに続いて効率よく上達することを目指した一冊。
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英語学習の3大ストレス
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
今回は「英語」に関する書籍なのですが、ちまたによくあるような○○勉強法といったようなものとは少しベクトルが違います。
もちろん、勉強する方法も紹介されているのですが、本書の特徴は題名の通り英語を「続ける」技術。
やはり、何かを学ぶ上で壁として立ちはだかるのは、継続の力ですよね。
毎日5分間だけ〜、とか一日何単語覚える〜とか初めのうちは実行するのですが、そのまま日常として受け入れていく人はほんのわずかでしょう。
そもそも英語の勉強が続かない人は「英語学習の3大ストレス」というものが関係しているそうで、これによって英語へのネガティブな想いが継続できない原因となっていると本書で語られています。
では、この3大ストレスについて少し具体的に解説していきましょう。
?続かない
これは英語以外にも言えることですが、まず続けないと話になりません。
しかし、無理をして続けようとすると「忙しくて勉強する時間がとれない」「英語を勉強し続けることがツラい」など英語を続けること自体がストレスとなってしまい、結局は続かなくなってしまいます。
?上達しない
人間、なにかを学ぶと自分の上達具合や手ごたえなど期待しますよね。
もちろん、それは大切なことなのですが、あまり意識してしまうと「学生時代に6年も学んできたというのに話せない」「英語学習のコツがつかめない」という悩みがストレスになります。
?英語が苦手
日本人の2〜3人に1人が英語嫌いだと言われているそうで「英語は難しくてよくわからない」「英語が好きではない」と感じる人が多いようです。
この英語に対する苦手意識が英語を学ぶ上でストレスとなってしまいます。
以上、この3つのストレスが本書で語られる「英語学習の3大ストレス」になります。
西澤さんは脳科学、言語学、心理学の観点から、多くの英語学習者が抱える「英語学習の3大ストレス」を解消する方法を考え、本書でそのノウハウが解説されています。
ひとつのストレスにつき1章の計3章で構成されていて、非常に分かりやすい内容です。
今回は、本編の中のアドバイスをピックアップしてご紹介します。
◆著者プロフィール 著者の西澤ロイさんは英語力コンサルタント、心理カウンセラー、作家などで活躍しています。元々、英語はまったく話せなかったのですが、大学で言語学に出会ってから一気に上達していき、ついにはTOEICで満点が取れるまでになりました。 そしてその経験を活かし、言語学、心理学などの分野を組み合わせて、英語の指導をしています。
「続ける」ための技術
■英語が続かないのには理由がある
今度こそ続けようと思っていても続かないとき、「続けられない自分はダメだ」と思ってしまうことってありませんか?
しかし、脳科学的にみると「英語学習が続かない」ことと「自分がダメだ」ということには何の関連性もないそうです。
「英語学習が続かないからダメだ」と思ってしまうことで、脳内で先の2つの要素が結びつき、関連を無意識に作ってしまっているのです。
このことを踏まえて、英語学習が続かない理由を究極的に突き詰めると、自分にダメなところがあるわけでも、努力が足りないわけでもなく、「無意識のうちに、続かない方法を選んでしまっている」だけということが原因となっています。
ここで少し人間の意識についてのお話をしましょう。
人間の意識には「顕在意識」と「潜在意識」というものがあります。
この2つの意識を簡単に解説すると「顕在意識」は「意識にのぼる」と言うときの意識、「潜在意識」はいわゆる「無意識」で意識にのぼらない脳の活動を指します。
この意識ですが、「潜在意識」の方が特に重要で、脳の活動の約97%が「潜在意識」に支配されているそうです。つまり「顕在意識」が占めるのはたったの3%程度。
自分で「よし、やろう」と強く決心してもその意識は全体の3%に過ぎないので、もし潜在意識が反対していたら結果として「続かない」ということになります。
逆に考えれば「潜在意識」を味方につけさえすれば、意識の97%を味方につけることになるので、勉強を「続ける」ことが可能なのです。
では、どうすれば良いのでしょうか。
英語の達人言われる人は共通して「英語を生活の一部」にしています。
英語を勉強というくくりで囲ってしまうと、英語を「やる時間」「やらない時間」で分けて、スイッチのオン、オフが生まれてしまいます。
そうなると勉強に対するマイナスイメージが無意識に働くのです。
しかし、日常の中に英語を織り交ぜることで「生活の一部」としてとらえると、スイッチは常にオンのままになるので、潜在意識を活用して効率的に学習することができます。
また、自分の脳の検索エンジンを利用していくことも重要です。
人の脳の処理能力はスーパーコンピュータ顔負けの性能を持っているので、それを利用しない手はありません。
そのために興味を持ち続けることを目標にしましょう。
人の脳はその人の持っている「目的」や「興味」を基準にして判断しているので、英語に興味を持ち続ければ、脳は自然と情報をピックアップしてくれるのです。
まとめ
英語の学習をするのに心理や、脳の働きを利用するのは面白いですよね。
ここでちょっと脳を利用する上で、本編で面白い例え話があったのでひとつ紹介させていただきます。
まず、一度3秒間周りをみまわしてみてください。
見回しましたか? それでは、そのまま目を閉じましょう。
そして赤いものがいくつあったかを思い出して、その数を数えてみてください。
数え終わったら、目を開けて答えあわせをしてみてください。
いかがでしょうか。目を開けた途端に、赤いものが目に飛び込んできませんでしたか?
これは、実のところ「いくつ数えることが出来たか」「数が合っていたか」というのは全く重要ではなく、最初の3秒間見回したときと、答え合わせのときのために見回したときの見え方の違いが重要なのです。
これこそが脳をうまく生かすことで、英語を学習していくのが本書となります。
今回は3大ストレスのうちの「続かない」について少しお話をさせていただきましたが、詳しくストレスを解消してくためのノウハウが詰まっていますので、ぜひご覧になってみてください。
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