だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1577回 「ネガポ辞典―ネガティブな言葉をポジティブに変換」

2010年「全国高等学校デザイン選手権大会(通称デザセン)」で第3位となり、「心のアプリケーション」としてiPhoneアプリで人気の「ネガポ辞典」がついに書籍化!ネガティブな言葉をポジティブに変換して前向きに。自分が普段気にしていることも見方を変えればプラスかも?

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概要

こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

本書は、2010年「全国高等学校デザイン選手権大会(通称デザセン)」にて第三位となり、スマートフォンアプリとして配信されている「ネガポ辞典」の書籍版です。ネガティブな言葉をポジティブな言葉に変換するというユニークさで、デザセン審査員長で放送作家の小山薫堂(こやまくんどう)さんに「心のアプリ」と絶賛されたそうです。

これは「全国高等学校デザイン選手権大会」とあるように、高校生が作ったものなんです。それがアプリになり、今度は書籍となり、今の世の中どう転ぶか分からないですね。

さて、本書についてですが、「辞典」という通りあいうえお順で索引が可能になっています。

形としては本当に辞典といった感じなのですが……内容が面白い(笑)

「え? この言葉をチョイスするの?」みたいな言葉が結構ありますが、そこがある意味本書の醍醐味だと思います。

そして実際、ネガティブな言葉がポジティブに聞こえてしまうところが良いですね。

では、「ネガポ辞典」からいくつか実用的なものから、ちょっとユニークなものまで例を挙げていきましょう。

人を傷つける言葉もポジティブに変換!

■「キモい」 攻撃力の高い言葉ですね。 しかしこの言葉も「ネガポ辞典」にかかれば、次の3つのポジティブな言葉に言い換えられます。

1、存在感がある 一度見たら忘れることがきないほどインパクトがある。

2、個性がある 特徴がはっきりしているので、覚えやすい。

3、ミステリアス 謎に満ちている。

ということですが、どうでしょうか。

確かに、ポジティブに変換されています。

中でも「存在感がある」くらいなら僕らでも使えるので、試してみてはいかがでしょうか。

ちなみに、辞典らしく例文ものっていますので、そちらもご紹介します。

ネガティブ:「キモッ!」 ポジティブ:「存在感がありすぎて目が離せないんだけど、どうしよう」

日本語的にすごく文が伸びているのですが……非常に面白い!

単純な罵倒から、捕らえようによっては好印象にも感じる文に大変身です。

では、この調子で別の言葉も見てみましょう。

■「愛想が悪い」 これは人によっては結構使う方もいるのではないでしょうか。 学生でも、社会人でも愛想が悪い人っていうのは少なからずいますからね。 ですがこの言葉もポジティブにとらえてしまえばこんな感じになってしまいます。

1、媚を売らない プライドを持っており、自分よりも上の者に媚びへつらうことがない。

2、他人に流されない 当初の自分の意思を貫き通すことが出来る。

3、気疲れすることがない 無理に笑顔を作らないため、気を使いすぎて疲れるということがない。

なるほど、こう言い換えてみるとその人がなんだかすごい人に見えてきます。ではこのまま例文を。

ネガティブ:「あいつって、ほんと愛想悪いよな」 ポジティブ:「彼って、えらい人を前にしても媚売らないじゃん。カッコいいよな」

なんかすごくポジティブになってます。 ここまでくるといわれた方も気分がいいでしょう。 人間関係が良くなっていきそうな気がします。

今度はちょっと使いどころが限定的でユニークなものをご紹介します。

冗談なの?(笑)こんなシチュエーションも。

■口にたれ・青のり・ソース・パンくずなどの食べかすをつけている すごくピンポイントな状況ですね。 ですが、友人たちと一緒に食事、特にお好み焼きなど食べに行くとこういう状況もなくはない気がします。 さて、この言葉をポジティブにすると……。

1、非常食を携えている おなかがすいてもこの食べかすがあるから大丈夫。

2、ゆかい 見ていると笑いがこみ上げてくる。

3、恋人同士がラブラブタイムに突入するとっかかり 食べかすをとってあげることから甘い雰囲気に持っていくことができる。

なぜかバカにしているように聞こえます(笑)。 中でも非常食を携えているはすごいセンスを感じます。 それでは例文を見てみましょう。

ネガティブ:「口にパンくずついてるよ。きったないよ」 ポジティブ:「口にパンくずついてるよ。おなかがすいたときにも安心だね」

やはりちょっとバカにしてるように聞こえてしまいます(笑)。 ですが、場の雰囲気を和らげるという意味ではとても良いことではないでしょうか。

以上のようにちょっとツッコミどころがある言葉も中にはありますが、それがまたこの辞典の見所です。

学校や飲み会なんかでこの本を持っていると盛り上がると思いますよ。

本書は本当にポジティブな人間になるために読むというよりは、ちょっとしたジョーク本として楽しむのが良いかもしれません。

アプリ版も非常に人気が高いので、気になる方はそちらも試してみてください。

ネガポ辞典―ネガティブな言葉をポジティブに変換

ネガポ辞典―ネガティブな言葉をポジティブに変換

ネガポ辞典―ネガティブな言葉をポジティブに変換

2010年「全国高等学校デザイン選手権大会(通称デザセン)」で第3位となり、「心のアプリケーション」としてiPhoneアプリで人気の「ネガポ辞典」がついに書籍化!ネガティブな言葉をポジティブに変換して前向きに。自分が普段気にしていることも見方を変えればプラスかも?