新刊ラジオ第1575回 「結果は「行動する前」に8割決まる 世界上位2%だけが知っている「達成思考」仕事術」
世界上位2%のビジネスマンは、行動前の意識がそもそも違う!「結果」を出すには「行動」が必要ですが、行動前にあるポイントを抑えておくと、「行動」も「結果」も決まってくるのです。グローバルな思考術と仕事術を分かりやすく教えてくれる一冊。「結果を出したい」アナタにオススメです。
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概要
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
最近は仕事において「結果を求められる時代」になりましたね。
厳密に言えば、昔から仕事に結果を求められてはいたのですが、ここ最近は欧米流の仕事術が浸透してきたり、世の中が不況で会社の業績が苦しかったりで、より一層「結果を求められる」感じが強いのかもしれません。
ただ「結果を出せる人」というのは、優秀なビジネスマンです。
これは古今東西変わりありません。
彼らは一体どんな方法で結果を出しているのでしょうか?
普通に考えると、仕事の仕方そのものに違いがありそうですが、今回紹介する本によると、実は「行動する前に8割決まっている」のだそうです!
これは一体どういうことでしょうか?
今日はそんな本をご紹介しましょう。
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◆今日の一冊 『結果は「行動する前」に8割決まる 世界上位2%だけが知っている「達成思考」仕事術』 (金田博之/著 日本実業出版社/刊)
◆著者について 金田博之さんは、1975年生まれ、1998年にSAPジャパンに入社。29歳で異例の副社長補佐へ抜擢され、30歳でSAPジャパンのチャネル営業を統括する責任者に。さらには、グローバル全社60000人の世界上位2%に6年連続で選出されるなど、「史上初」「史上最速」の結果を出されてきた方です。
結果は行動前に決まる
SAPジャパンはグローバルな企業なので、金田さんは、アメリカ・ドイツ・アジア各国をはじめ、様々な国の人と共に働いてきたといいます。
このグローバルな環境で働いてきた経験と、そこで金田さんが学んだ内容が、この本の一番の肝だと思います。
本のタイトルこそ「結果は行動する前に8割決まる」ですが、サブタイトルの「世界上位2%だけが知っている達成思考術」にも注目して、本書は読み進めていきましょう。
【結果は行動前に決まる】
金田さん曰く、『世界の一流の人のほとんどは、到達するべき「結果」を設定してから、それを達成するために「行動」を定義』するそうです。
例えば、大学受験者の場合、ダメな人は「とにかく偏差値の高い大学に受かる」ことを考えてひたすら勉強、という行動をとるでしょう。
一方、成功する人は「東大合格」というように結果を明確に設定して、それを達成するための行動を定義していくのです。
例に挙げた東大の受験なら、東西の過去問題を20年分見てパターンを分析し、「どういう勉強をすれば良いのか」など具体的な行動に落とし込んでいきます。
・・・こう聞くと、「あ、なるほど、結果→行動の順で、考えるんだな」と分かるでしょう?
ここで重要なのは、「行動」から入るのではなく「結果」から入ること、ゆえに、「成功する人は行動前に、結果を明確にイメージしている」だから「行動前に8割決まる」と金田さんは言うのです。
・・・でも、これだけだと、本のタイトルを説明しただけ。
僕がこの本の読みどころだな、と思うのは、繰り返しになりますが、金田さんがグローバルな環境で見聞きし、学んできた仕事術だと思います。
本書の中からいくつかピックアップしてご紹介しましょう。
グローカル思考
【グローカル思考】 まず僕が「なるほど」と思ったのは、著者の金田さんを含めた世界上位の人たちの意識の違いです。
彼らは、“Think Globally,Act Locally”という意識を持っています。
日本語で言うと「世界思考で物事を見て、身近な地域で行動しなさい」となります。
金田さんはグローカル思考と呼んでいるんです。
このグローカル思考の簡単な実践方法としては、広く海外を見て、海外ではすでに実践されているけど、日本ではまだ展開されていないビジネスモデルを見つけ、日本で実行すること。
ツイッターやフェイスブックなんかは、まさにそうですね。
また応用として、都市部では流行ってるけど、地方では流行っていないもの、異業種では常識だけど、自分の業種では浸透していないもの等を取り入れるのもありでしょう。
えっ? それってただの物真似じゃない? と思う人がいたかもしれません。
日本人の中には真似や模倣を嫌う人も多いのですが、ここは是非思考を切り替えてしまいましょう。
【ベンチマーク】 他の読みどころの話になりますが、金田さんは、この本の中で、色々な仕事術を教えてくれます。
その第1章で『デキる人をベンチーマークしてスキルを盗む』という事を言っています。
ここでいうベンチマークとは、相手を徹底的に研究し真似ること、という意味です。
一握りの天才を除いて、人間は「自分流」よりも「デキる人を真似る」方が、物事が上手くいきます。
芸事でも、「模倣は上達の近道」なんていいますし、学ぶという言葉は「真似ぶ」から来ているともいいますからね。
どんな職場にも必ずデキる人はいるものですから、あなたの周りにも1人か2人はベンチマークするのに適した人材がいるハズです。
「見つからない」という人は、本書に書いてある次の5つの質問に答えてみて下さい。
1)部署の中でナンバーワンか? 2)自社の中でナンバーワンか? 3)同業他社の人材と比べるとどうか? 4)異業種の人材と比べるとどうか? 5)世界レベルで考えるとどうか?
…このように考えれば、きっとベンチマークすべき相手、学ぶべき相手が見つかるはずです。
ベンチマークの実践における重要なポイント
さて、このベンチマークについて、もう一つ重要なポイントをご紹介しましょう。
それは相手と自分の違いを徹底的に「数字」に落とし込むことです。
例えば、営業の仕事であれば「訪問件数」や「受注件数」を比べてみる。
こうする事によって、自分と相手との違いを客観的に見ることができます。
そう数字は、客観的に見るときに重要な指標なのです。
すると、「目指すべき結果」と「するべき行動」も、設定しやすくなります。
今の例ならば・・・
トップセールスのAさんをベンチマークして、自分がトップになる(結果)
Aさんと比べて訪問件数が少ないので、Aさんと同等にする。(行動)
なんていうのはどうですか?
・・・その他、細かいノウハウは本書で確認してみて下さい。
【まとめ】
ブックナビゲーター矢島として、この本の優れている点を一つ挙げるならば、それは、著者の金田さんを含めた世界上位2%の人の「考え方」「仕事の仕方」などを多く学べる事です。
仕事の仕方について、具体的には、
1章でスキルアップの仕方 2章で企画立案やフィードバックの仕方 3章で目標の設定の仕方+イノベーションの仕方 4章で仕事のスピード感の早め方 5章でプレゼンテーションのノウハウ 6章で有効な会議の仕方 7章でリーダーシップの取り方
など、多くの事が学べます。
どちらかというと、明日から仕事で使える速攻性のある知識ノウハウが多く、「今すぐ!俺は変わりたいんだ!」という意欲溢れる方には、ピッタリの一冊です。
また、ラジオで紹介したようなグローカル思考など、普通の日本人の中で生活していると、あまり聞かない目にしない物事の捉え方などが、コラムや文章の端々に書かれていますので、「職場の意識改革をしたいな」などと考えている管理職の方も一読をオススメします。
ぜひ、あなたの仕事にこの本を役立てて下さい。
結果は「行動する前」に8割決まる 世界上位2%だけが知っている「達成思考」仕事術 |