新刊ラジオ第1570回 「光圀伝」
老齢の水戸光圀は“ある男”を自らの手で殺めた。その経緯を、水戸・西山荘で書き綴ることを決意する。そして、世子としての立場に苦悩し、学問や詩歌に惹かれた若き頃から、やがて「大日本史」編纂という大事業に乗り出した己の半生を振り返る。多くの出会いと別れを繰り返した孤高の“虎”、水戸光圀の生き様に迫る!
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
概要
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
みなさんは、時代劇を見ることはありますか?
実在した人物が時代劇の主人公になっている作品は、結構ありますよね。
大岡越前こと、南町奉行・大岡忠相。遠山の金さんこと、北町奉行・遠山景元(金四郎)。鬼平犯科帳の鬼平のこと、長谷川平蔵、などなど。
実在の人物でがありますが、時代劇のイメージが強すぎて実際の史実で勉強するときに「え?そういう人だったの?」なんて、驚いてしまうこともあると思います。
さて、今日ご紹介する作品も水戸黄門で有名な水戸光圀が主人公となった作品です。
水戸光圀というと、水戸黄門のイメージで“おじいちゃん”のような感じがするかもしれませんが、本書は、水戸光圀の若い頃の活躍を描いた作品です。
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◆今日の一冊
『光圀伝』 (冲方丁/著 角川書店/刊)
◆著者について 冲方丁さんは、1996年、早稲田大学在学中に『黒い季節』で角川スニーカー大賞を受賞しデビュー。以後、コミックやアニメの脚本なども行いマルチな活動を続けています。 著作は『オイレンシュピーゲル』『マルドゥック・スクランブル』『ばいばい、アース』などSF作家として知られてきました。 そして2009年11月に、映画化も決まった初の時代小説『天地明察』が刊行され、第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞などを受賞。 今、もっとも注目される作家さんの一人です。
◆本書の概要 物語は老齢の水戸光圀が“ある男”を殺すところから始まります。
光圀は、水戸にある西山荘の書斎で、誰にも語ることのなかったその経緯を書き綴ることを決意し、己の人生を振り返っていきます。
幼少期は、父親である水戸頼房から、世継ぎになるために突きつけられる、様々な過酷な試練に耐える日々が続きます。
その中で光圀は、「なぜ、自分が世子なのか?」という疑問を抱え続けます。
というのも、光圀は次男であり、本来なら兄が家を継ぐのが普通だったからです。
「自分はなんのために生き、何のために生まれてきたのか」
その答えがわからず鬱屈した悩みを抱える青年期に、光圀はある人物と出会い己の成すべきことを考えるようになっていきます。
今回は、本書の見どころを紹介するオーディオドラマでご紹介します。
続きは音声版でお楽しみ下さい!
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