新刊ラジオ第1546回 「身近な人の「攻撃」がスーッとなくなる本」
本書は、対人関係療法の精神科医によって、日常生活やビジネスシーンにおける、他人からのあらゆる「攻撃」への対処法について書かれた一冊です。「仕事のミスを押し付けられた」なんていう理不尽な攻撃を受けてももう大丈夫。相手の心理を理解し対処することで、あなたも相手もストレスなく良好な関係を築けるのです!
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概要
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
僕は、普段から性格が明るくて、ポジティブな人間だと見られがちなんですけど、 実は人から言われた心無いひと言に傷ついて、落ち込んでしまったり、気にして いる所や、コンプレックスを突かれて、腹が立つことだってあるんですよ。
でも、それをあからさまに表情に出して不快を露にするのも・・・。うーん。 対人関係や人付き合いは難しいものです。
さて今日は、精神科医で対人関係の専門家が、身近な人からの「攻撃」をなくす 方法を教えてくれる本をご紹介しましょう。
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◆今日の一冊 『身近な人の「攻撃」がスーッとなくなる本』 (水島広子/著 大和出版/刊)
◆この本をひと言でまとめると 「攻撃する人の気持ちを理解して整理する、その結果「攻撃」は減っていく」
◆著者について 水島広子さんは、精神科医、対人関係療法専門クニリック院長。 前著に『「対人関係療法」の精神科医が教える 「怒り」がスーッと消える本』、 『「愛する人と幸せになる」55のルール』などがあり、対人関係や人付き合い に関する著書を執筆されている方です。
「攻撃!」する人の心理とは?
今回の本は「身近な人からの「攻撃」がスーッとなくなる本」ということで、 「そんな本を待っていた!」という方は多いのではないでしょうか。
誰しも人から「攻撃」されると、傷ついたりストレスを感じたりするものですが、 それが身近な人からとなれば、心への負担も一段と大きいものになるでしょう。 どうすれば相手からの「攻撃」がなくなるのか、ぜひ知りたいところです。
そのために、まずは“人はどういうときに他人を「攻撃」してしまうのか”と いうことを、水島先生に教えてもらいましょう。
人はどういうときに他人を攻撃してしまうのでしょうか。 動物は、「脅威!」と感じると、逃げられる状況であれば逃げますし、 逃げられない 状況であれば戦うようにプログラムされています。 これは「闘争か逃避か反応」と呼ばれる生理的な反応です。 「攻撃」は基本的に「脅威!」と感じたときの反応だと考えることができます。
…なるほど、人は「脅威!」を感じたとき、その防衛反応で“攻撃”してしまう ということのようです。たとえば、言い合いやケンカなど、仕事の中でも論が 白熱しすぎて攻撃的になってしまう場面は時折見かけると思います。 これは分かりやすい例ですよね。
でも、攻撃を受けてしまうときは、そんなときばかりではありません。 ケンカも言い合いもしてないし、自分は常識的に接しているつもりなのに、 突然相手が激昂した、なぜか攻撃されてしまった、という場合もありますよね。
水島さんは、こんな場合においても、 “相手は単に「脅威!』と感じるから「攻撃」してくるのだという原則は同じ” だと言っています。
つまり“知らず知らずのうちに相手の気に障ることをしているかもしれない” ということですよね。こちらにそんなつもりがなくても、それが相手の琴線に 触れることであれば、それは攻撃として受取られ、防衛反応で“反撃”が返って きてしまうわけです。
「攻撃!」をスルッと交わす基本姿勢
「攻撃」してくる人は、何らかのことを「脅威!」と感じている人である、という ことがわかりました。では、更に一歩先に目をやってみましょう。
“被害に遭ってない人が他者を「攻撃」することはない”というがいえるそうです。 これがどういうことかというと、その人に被害を与えたのが、いつもあなたという わけではなく、単に体調が悪いとか、機嫌が悪い、嫌なことがあってイライラしている、 そんなことが原因になることもよくあるということです。
ですから、“「攻撃」してくる人は、なんらかのことを「脅威!」と感じている人” もう少しわかりやすい言い方をすると、“「攻撃」してくる人は、困っている人”と いえるのです。
ここまでの内容が、本書のステップ1です。
続きのステップ2では、相手の攻撃をスルッとかわすコツを教えてくれます。
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攻撃をスルッと交わすための“基本姿勢”というものをご紹介します。
「相手の“攻撃”を、“自分の土俵”に乗せてしまう」
どういうことでしょうか。ケースを例に挙げてみていきましょう。
【例】明らかに先輩のミスなのに、「これはきみの責任だぞ!」と怒られてしまった。 (※あなたは「きみ」だと思ってください)
さて、大変なことになりました。 この理不尽な攻撃をかわすためにはどうすればよいのでしょうか。
まず、先輩の立場に立って考えてみます。
・先輩は仕事でミスをした。 ・それを後輩に責任を押し付けようとしている。 ・ということは、自分では対処しきれないほどのミスのようだ。 ・メンツがつぶれるどころか、仕事上の実害もあるかもしれない…。 ・つまり、かなり困ったことになっているらしい。
まぁ、こんなところでしょうか。
そこで、さっき勉強した原則を思い出しましょう。
まとめ
“「攻撃」してくる人は、なんらかのことを「脅威!」と感じている人” でしたね。
そう、先輩にとってそのミスをして困ってしまった状況は、「脅威!」だったわけです。 「脅威!」を感じた先輩は、「助けて!」という気持ちでいっぱい。 目の前にいる後輩である自分に対して「助けて!」としがみついてきていて、 その形が「責任を押しつける」というものになっている。整理するとこんなかんじです。
こんな状況で、あなたは、頭の中と心の中でどんなことを考えるのでしょう。
明らかに先輩のミスなのに、「これはきみの責任だぞ!」と怒られてしまった。
A「ええええ!!そんなバカな!!責任なすりつけられてムカつく!!!」
となるか、
B「今整理してきたように、なるほどこの先輩は「助けて!」としがみついてきている だけだ。別に自分が攻撃されているわけではない。」
となるか。
会社という環境では、もしかしたら、口答えするのは得策でないとして 「黙ってフォローに回る」というのが正解かもしれませんが、 攻撃されたあとの思考回路が、Aとなるか、Bとなるかで、だいぶ心持も違うと 思いませんか?
■ まとめ 続きの章では、「攻撃されないコミュニケーション」の取り方や、 「なぜか大切にされてしまう人のルール」というものを学んでいきます。
他にも、Twitterやfacebookをやっていて「フォローを外された」「いいね!が付かない」 ということに悩んでいる方に向けた、ネット社会での対処法なんかも書かれていて、 日常生活で出くわすあらゆる「攻撃」について網羅されています。
普段怒られてばかりで辛い、攻撃されることが多くてストレスをためているという方は、 水島さんのことば・・・
攻撃を受け続ける哀れなサンドバッグとして生きていくのか、 自分の内面からわき出してくる温かい力を感じながら豊かな人生を歩んでいくのか。 それは自分自身で決められるのです。
この言葉を胸に、本書をお手にとってみてください。
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