新刊ラジオ第1526回 「幸福への世見」
『幸福への近道』で話題沸騰となった松原照子さんの最新刊! 本書では、家族、恋愛、仕事、お金、人間関係のことなど、人生を過ごすなかで悩みがちな事柄について、松原さんなりの視点と言葉で助言をしてくれる一冊です。
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
概要
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
「相談に乗ってほしい」と言われたとき、あなたはどのようなことを考えて、 相手にアドバイスをしますか? 相談相手が男性の場合は、話を聞いて整理して あげて、自分の意見を言えばよいのですが、女性の場合、ちょっと注意が必要ですね。
(陰口みたいですこし忍びないのですが)相談というよりは愚痴になっていたり、 単に話したいだけだったりするので、当面の問題の解決策について話しても聞き 入れてもらえません。そういう時は、相手の話をよくよく聞いて同調してあげたり、 大きな視点でのアドバイスをしてあげるのがよさそうです。
さて、今日ご紹介する本は、著者が相談に答えるものなのですが、対処療法的に 当面の問題を考えるのではなく、大きな視点で相談相手の悩みと向き合って、 根本的な解決に努める一冊です。
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◆今日の一冊 『幸福への世見』 (松原照子/著 主婦と生活社/刊)
◆この本をひと言でまとめると 人生の悩みを根本的に解決する発想の方法
◆著者について 松原照子さんは、1946年10月生まれ。自身のブログ『幸福への近道』で、 3.11 東日本大震災を言い当てたことで一躍有名になった方です。幼少の頃から、 「不思議な世界の方々」との会話ができ、「世見(よけん)」によって、地震や 天災、事件や事故を言い当てています。松原さんは、その不思議な「力」を、 世の中に役立てたいと考え、常日ごろから活動されているそうです。 (※「不思議な世界の方々」については、前著『幸福への近道』に詳しい)
自分が何をしたいのか分からない人へ
今回、取上げたこちらの本は、前著『幸福への近道』に続く一冊です。 本書では、家族、恋愛、仕事、お金、人間関係のことなど、人生を過ごすなかで 悩みがちな事柄について、松原さんなりの視点と言葉で助言をしてくれる内容で す。
松原さんのアドバイスは、「具体的にこうしましょう」という、対処両方的に 目の前の問題を解決するためのものではありません。「心の持ちようを変えましょう」 とか「原因の所在はここにあります」といったように、悩み自体と向き合って、 根本的に快方に迎うような、あたたかい気持ちにさせてくれるものです。
本書には、読者の相談に対して、松原照子さんが答える形で構成されています。 さっそくですが「松原照子さんへのお悩み相談室」すこしずつ抜粋してご紹介 していきましょう。
●相談【自分が何をしたいのか分かりません】 「高校を卒業後、ガソリンスタンドで働いていたのですが、その会社が倒産して からは、なかなか仕事が見つからず、ようやく就職できたのが引越しの仕事 でした。でも仕事していても、いつも辞めることばかり考えています。 かといって、今は自分がどんな仕事をしたいのかも分からなくなってしまい ました。働かないと生活もできないし、どうしていいのか分からずに悩んでいます」
就職活動生や、今、働いている方でも、現在の仕事や、自分自身がおかれている 環境に満足していない方は、このような悩みを抱えやすいのではないでしょうか。 このような悩みに対して、松原さんは、次のようにアドバイスしています。
●松原さんの回答(アドバイス) 「人っていうのはね、我が身だけのことを考えると、迷いが生まれたり、自分の 今後が見えなくなったりするものです。けれども自分が働くことで誰かのお役 に立っている、そう思えるならば、その仕事が合う、合わないなどと考える 余裕もなく、今目の前にある仕事をこなしていけるものなのです」
松原さんは、仕事というものは、心を育てる・生きていく上での「教本」だと 思っているといいます。仕事には、学びがあったり、遣り甲斐を感じたり、純粋に 楽しかったり、苦しかったり、闘争心が生まれたり、挫折や、欲望を感じたりする こともあるものですよね。つまり、だらだらやらずに、気持ちを入れて働くと、 「感情」が揺り動くのです。
「何をしたいのか分からない」といって1日をだらだら終わらせてしまうのでは なくて、自分の仕事はどこでどのようなことに役立っているのだろう? という 視点を持って仕事に当たると「合う」「合わない」などと考え込まずに、仕事に 打ち込むことができるのではないでしょうか。
それでは、もうひとつ仕事の悩みをご紹介します。
本当にやりたい仕事がある! でも家族が・・・
●相談【本当にやりたい仕事があるのですが】 「家族のために今の仕事を辞めることができません。 39歳になって、本当にやりたいと思える仕事ができたのですが、子どもが 2人とも小さく、妻にも胸の内を話すこともできないまま、毎日その仕事につ いてばかり考えてしまい、今までやってきた仕事に熱が入りません。けれども、 自分が好きな仕事で家族を養うだけの自信もなく、かといって、どうしても ヤル気が起きない今の仕事をダラダラと続けるのも嫌になってしまいました」
さっきの悩みとは打って変わって「人生をかけてやりたいことが見つかったのに、 家族を養う責任からのプレッシャーで決断ができない」という悩みですね。
これは、ビジネスの世界で闘ってきた男性にとっては非常に苦しい状況なのでは ないでしょうか。今後この方は、自分のやりたい仕事に就いて、家族をリスクに さらすのか、それとも家族の生活を支えるために好きではない仕事を続けるのか、 二者択一の選択をすることになります。
この方に対して、松原さんはこのようにアドバイスしています。
●松原さんの回答(アドバイス) 「家族というものは、一人の人間の独走によって心がいったんバラバラになって しまうと、結束しにくいものです。家族のために今の仕事が辞められないとの 答えが出ている以上、それが正解なのはあなたも分かっておられるのですから、 お気の毒としか言いようがありません。やりたい仕事をお忘れなさい、などと どうしても言えませんので、もう少し時間をかけて人生設計を考えられてから 行動に移されるのも、ひとつの生き方だと思います」
自分がやりたいと決めた仕事でも、やっていくうちに嫌になってしまうこともある。 自分の年齢を良く考えた上で行動するべきだ。など、アドバイスが続いています。
しかし、どのような選択をするにしても、「後悔しない」思いがいちばん大切で あると〆ています。
◆まとめ いかがでしたか? 本書には、家族のこと、恋愛のこと、仕事のこと、人間関係、 お金のことなど、人生を過ごすなかで悩みがちな事柄について、松原さんの視点 と言葉で助言をしています。 そして本書の最後では、さて幸福とはどういったものなのか、松原さんの思いと 言葉で締め括られています。一般の方から寄せられた悩みは、やはり誰もが一度 は悩むようなものです。それらに、松原さんがひとつひとつ丁寧に答えるという 本書は、人生を幸せに送る手助けをしてくれる一冊となるのではないでしょうか。
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