だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1515回 「浜田ブリトニーの漫画でわかる萌えビジネス(2) 萌え死にはディナーのあとで」

強烈な個性とセンスの持ち主、漫画家の浜田ブリトニーさんが描いたビジネス書! そのテーマは、不況などどこふく風の「萌え」ビジネス。いままで敬遠していたならば、その考えを改めさせてくれるかも(?)iPhoneアプリ「朗読少女」の乙葉しおりちゃんも登場しますよ!

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概要

 こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。  今回は、「萌え」について書かれたマンガを紹介しようと思います。

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◆今日の一冊

『浜田ブリトニーの漫画でわかる萌えビジネス(2)―  萌え死にはディナーのあとで』 (浜田ブリトニー/著 小学館/刊)

◆この本をひと言でまとめると  「不況知らずの“萌えビジネス”は、どうやって動いてるか?を漫画にした」

◆著者について  浜田ブリトニーさんは、某年某月生まれの自称20歳。千葉県出身。本名浜田菅 子。高校卒業後、トリマーを目指して専門学校に通っていましたが、片道4時間 かかる学校だったために面倒になり家に帰らなくなりました。それでもトリマー の資格を取って卒業しますが、その後 「まんが道」を読んで漫画家を志し、漫 画専門学校へ入学。入学後半年で初めて完成させた作品を「ビックコミックスピ リッツ」編集部に持ち込んだところ、派手な格好だったので警備員に止められて 編集部に入れてもらえなかった! という逸話の持ち主です。  その後持ち込みに成功して、2007年にビックコミックスピリッツで渋谷ギャル を描いた「パギャル!」の連載を開始。マスコミにも奇抜な格好で渋谷の街で暮 らす浜田ブリトニーさん自身が度々取り上げられて話題になりました。

◆おすすめの読者  ◎萌えビジネスやアニメ制作の裏側を知りたい  ○萌えキャラをビジネスに活用してみたい

萌えコンテンツビジネスの裏側

 まだまだ勢いのある“萌えビジネス”ですが、その舞台裏を浜田ブリトニーさ ん自身が取材をして、漫画で書き上げたものです。オトバンクで作っているiPhone アプリ「朗読少女」も、浜田ブリトニーさんの目にとまり、オトバンクでの取材 模様も収録されています。  社長の上田渉さんと、浜田ブリトニーさんとのハチャメチャな取材風景も見ど ころですよ〜!!

 その他にも……   ・小学館のアニメ制作部に突撃取材!   ・アニメ産業のギャラや、投資金の回収のひみつ。   ・“日本一売れてる海賊漫画が原作のアニメ”   ・“登場人物の名前が海産物の国民的アニメ”   ・30分のアニメ番組を1本作るのにかかる費用は?   ・そして、声優さんたちのギャラは?!

 ……などなど、アニメ業界や、萌えビジネスの裏話を、こんなに暴露しちゃっ ていいの?! というところまで踏み込んだ取材をレポートしています。コミケ 会場への潜入では、浜田ブリトニーさんが実際に同人誌販売にも挑戦しますが、 ここでも大暴走。担当編集者に怒られっぱなしだったみたいです(笑)

 漫画で書かれているので、イラストがかわいくて面白いですし、臨場感も伝わ ってきます。普通ならば覗き見ることのできない「萌えコンテンツビジネス」の 裏側を垣間見ることができました。

萌えキャラ、ご当地キャラが流行していますが…

 「萌えコンテンツビジネス」に興味が無い、ビジネスに「萌え」なんて必要な いと思っていたならば、もったいない!と、浜田さんはメッセージを発していま す。本書のまえがき部分では、「萌え」ビジネスについて、このように書かれて います。   「世間一般では一部の「オタク向け」と思われている「萌え」文化が、コ  ミケやパチスロの世界で莫大な利益を上げ、またラブコメによくある「押し  かけ女房」や、絵に描かれた女性を愛する「二次元コンプレックス」の源流  が、江戸時代までさかのぼれます。   そうです。「萌え」とは本来「当たり前」に存在するものであって、これ  を敬遠する方々がビジネスチャンスをものできないのも「当然」なのです。  大きな目・鮮やかな原色の髪・ユーザーにこれでもかと甘える仕草……これ  ら現実の女性とは程遠い萌えキャラクターを「苦手だから」と避けていては、  いつまでたっても成功は望めません」  なかなか大上段に構えた強めの意見ですが、「萌え」キャラをビジネスに使い たいと思ったことがある方は多いのではないでしょうか。萌え系のマスコットキ ャラクターや、ご当地キャラも流行っていますしね!  ちょっとやってみたいなと思ったことがある方は、「萌え」系ビジネスの感覚 を養ってみてはいかがでしょうか。

企業が萌えビジネスに参画するなら…?

 ちなみに、「萌え」キャラを活用したいけど、絵が書けないという方へ……。 絵が描けなくても、漫画を作ることのできる漫画作成ソフトへの取材模様も掲載 されていました。このソフトは、プロ用ではなくて、“絵は描けないけど、漫画 を作ってみたい”という素人向けに開発されたソフトなんだそうです。

 このソフトを使えば、ちょっとしたイラストや4コマ漫画などが作れるそうで す。個人だけでではなく、このソフトを使って、市町村のホームページで特産品 のPRをしたり、旅行会社が「旅行先での注意」などを4コマ漫画で作っていた り、折り込みチラシなんかで使っているケースもあるのだそうです。ご興味があ りましたらページをめくってみてください!

 本の続きでは、オトバンク制作のiPhoneアプリ「朗読少女」への取材模様が掲 載されています。新刊ラジオ音声版では、オーディオドラマで雰囲気をご紹介し ました。よかったら、合わせて聴いてみてくださいね。

◆まとめ  今現在の「萌え」系ビジネスを突撃取材して追った内容になっています。「萌 え」とか、オタクとかアニメとかがちょっと苦手だったとか、若者文化だから詳 しくない、という方には勉強できる内容になっています。導入にもぴったりです。 これはもう「ビジネス書」といってもよいでしょう!(笑)

 コミポや、朗読少女なんかは、企業が「萌え」ビジネスに参加するのに最適な ツールですから、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?

浜田ブリトニーの漫画でわかる萌えビジネス(2)

浜田ブリトニーの漫画でわかる萌えビジネス(2) 萌え死にはディナーのあとで

浜田ブリトニーの漫画でわかる萌えビジネス(2) 萌え死にはディナーのあとで

強烈な個性とセンスの持ち主、漫画家の浜田ブリトニーさんが描いたビジネス書! そのテーマは、不況などどこふく風の「萌え」ビジネス。いままで敬遠していたならば、その考えを改めさせてくれるかも(?)iPhoneアプリ「朗読少女」の乙葉しおりちゃんも登場しますよ!