だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1442回 「規制を変えれば電気も足りる」

なぜ、日本の電気料金はアメリカの2倍なのか? なぜ、「余った電力」を一般市民は買えないのか? 今、日本では、お役所が作った“変な規制”によって、知らず知らずのうちに損をしている人が数多くいます。本書は、企業の成長やビジネスチャンスを妨げたり、日常生活を不便にしている“変な規制”に、振り回されない思考を身に着けるのに絶好の入門書です。

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変な規制ばかり作られる理由

世の中には、国が定めた「規制」というものがあります。 身近な例では、車の制限速度です。事故を防ぐための「規制」ですよね。それから、労働基準法は“労働者の権利を守る”ための「規制」です。 「規制」は事故やトラブルを未然に防ぐものというのが一般的な印象だと思いますが、実際はそんな規制ばかりではないのです。それを、今回紹介する本『規制を変えれば電気も足りる』(小学館/刊)が教えてくれました。

● 著者プロフィール

原英史さんは、通商産業省出身の政策コンサルタントです。東京大学法学部卒、米シカゴ大学ロースクール修了。1989年通商産業省入省。内閣安全保障・危機管理室などを経て、2007年から安倍・福田内閣で渡辺喜美行政改革担当大臣の補佐官を務める。国家公務員制度改革推進本部事務局を経て、2009年7月退官。その後、株式会社政策工房を設立し、政策コンサルティング業をはじめました。

著書の中で原さんは、『この国では役所の「規制」によって、本当に細かく、いろんなことが決められている』 そして、それらの『「規制」のせいで、たくさんの困ったことが起きている』と言います。

日本の国民を守ったり、トラブルを未然に防ぐための「規制」ではなく、『ごく一部の団体が持っている既得権益を守るための「規制」』や、『天下り団体を維持するための「規制」』など、世の中はそんな規制であふれていると言います。

原さんは、そんな「規制」を、「おバカ規制」と呼びます。

「おバカ規制」で損してるかも?

そして、この「おバカ規制」にも色々あるのです。

・ 昔作った古い規制をそのまま残していて、今の実態に合わなくなっているもの。 ・ 現場の事情を知らないお役人たちが作ってしまった、変な規制。 ・ 天下りした役人OBたちを養うために作られた、無用な規制。 ・ 既得権益を持つ人たちとお役所がつるんで、新規参入者を排除するために作られた規制。

このような「規制」が、日本にはたくさんあるのだそうです。

ですから、まず、「規制」を疑ってみよう、というのが本書で原さんが主張していることです。

「おバカ規制」は、巧妙に「まともな規制」になりすましているといいます。 そこにだまされないように、「規制」を疑う目や、知識を、本書で知ってほしいということなのです。

そうすれば、日常生活や日々のニュースでおかしなことがあったとき、「これって規制のせいじゃないか?」とピンと来るようになるのだそうです。

今回の新刊ラジオでは、著者の原英史さんへの取材音声を交えて本書をご紹介していきます。

規制を変えれば電気も足りる

[お知らせ]新刊ラジオ@第2部の無料版をスターートしました。

規制を変えれば電気も足りる

規制を変えれば電気も足りる

なぜ、日本の電気料金はアメリカの2倍なのか? なぜ、「余った電力」を一般市民は買えないのか? 今、日本では、お役所が作った“変な規制”によって、知らず知らずのうちに損をしている人が数多くいます。本書は、企業の成長やビジネスチャンスを妨げたり、日常生活を不便にしている“変な規制”に、振り回されない思考を身に着けるのに絶好の入門書です。