だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1435回 「40代からの自分の人生を充実させる整理術」

毎日残業、土日もどちらかは必ず出社して、祝日も出社。「仕事ばかりだけど、充実しているよ!」そんな人は要注意。それでは本当の成果は出ないし、継続することもできません。本書は、整理収納アドバイザー1級の著者が、「整理」のノウハウを、仕事の仕方や、時間の使い方に応用した、効果的に成果を出すための教科書。まずは自分の働き方を見直して、幸せな人生を過ごすために邪魔なものを「整理」しちゃいましょう。

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整理のノウハウを時間管理に応用

毎日残業、土日もどちらかは必ず出社して、祝日も基本的には出社。 仕事ばっかりしてるけど、なんだかんだで毎日充実してるよ!! ……という方、仕事が楽しくてなによりです。

でも、本当にそれでいいんですか? そのままだと、「仕事だけの人生」になっちゃうかもしれませんよ!!

今日紹介する本は、「仕事」と「時間」を整理して、「人生」をより充実したものにするためのアドバイスが書かれた本です。「仕事ばかりの毎日だけど、楽しいから、まあ、いいか!」と、なってしまっている方は、今が成長のチャンスかも!?

● 著者プロフィール 仲井圭二さんは、1961年大阪生まれ。東京大学大学院 修士課程修了。コンサルタント職などを経て、「整理すること」の重要性に気づき、整理収納アドバイザー1級を取得。現在は、「整理」のノウハウを、時間の使い方や仕事の仕方、人生の過ごし方に応用し、より良い人生を送るためのアドバイザーとして活動されています。

「整理すること」 それ自体は、生産活動ではないので後回しにしがちです。たとえば、部屋が汚いと、もう掃除するのも億劫になって、家事にも手がつかなくなりませんか? すると、部屋はどんどん汚くなっていきますよね。

また、会社の机が乱れていると、資料を探すのに何十分もかけてしまったり、締め切りを忘れていて、トラブルにつながったとか、そういうことはありませんか?

「整理すること」自体は生産活動でなくても、生産性を高めるためには、かなり重要なことなんです。 平日はいつも残業、土日祝日も出社という方は、 今回の本の「整理」のノウハウを、日ごろの仕事に応用してみてはいかがでしょうか。

忙しさに酔ってませんか?

「忙しい」と言ってる人は、暇な人に比べると、有能で、仕事ができて、会社から必要とされている、みたいな感じがしますよね。でも、「忙しさ」と「仕事ができるかどうか(成果を出しているか)」は、別の問題のはずなんです。

著者の仲井さんは、このように言っています。 「日本の働き盛りの男性たちは、どこかで『忙しい自分』を自慢しています。 そういう人に、『じゃあ仕事以外のことで何がやりたいですか?』と訊くと、言葉に詰まってしまう人が多いです。仕事は大切だけど、仕事以外の世界も同じくらい大切です。仕事と、仕事以外のこと、両方が充実するとお互いが刺激し合って、その結果、両方が充実して豊かになっていくんです。」

仕事が楽しいのは何よりですが、生活のほとんどが仕事ばかりの状態になってしまうことはよいことではありません。「仕事ができる人は遊びもうまい」とは、いろんなビジネス書でも言われていることです。 では、どうやって仕事ばかりの毎日から、ステップアップしていくのでしょうか。

本書には、「心構え」と「整理」という、2つの柱があります。

「心構え」では、私たちが「これはそういうものなんだ」と、当然のように理解していることが、いかにおかしかったかということを指摘して、解説してくれます。

次のページでは、その中でも、もっとも根本的な一節をご紹介したいと思います。

「忙しいことはいいことではない」と気づくこと

仕事の関係者同士が会うと、決まって交わされる言葉があります。 それは、「お忙しいですか?」―聞かれた方は、「このところバタバタしていまして…」などと答えながらニコニコしています。 聞くほうも聞かれるほうも、「忙しいことはいいことだ」という前提の下に話しをしています。それは、忙しいといことは、その人が所属している会社が繁盛している、その人の力が必要とされているといったことを、暗に表現していると考えられているからです。 しかし、働いている個人にとっては、必ずしも好ましいことではありません。 「忙(しい)」を漢字で書くと、「心を亡くす」と書きます。 忙しいことがよくないのは、心に余裕がなくなるからです。そんな状態でやった仕事は雑になるし、周囲の人に対する態度も気遣いが薄れ、どこか横柄な感じになります。 何より、本人の精神状態も好ましいものではありません。 自分が忙しくない状態にするためには、まずは、なぜ、自分が忙しくなっているのかを、見つめてみる必要があります。

忙しいことは勤勉な日本人にとっては美徳かもしれません。しかし、忙しさからくるプレッシャーで回りにつらく当たってしまっては、美徳以前の問題ですよね。

まとめ

もうひとつの柱、「整理」では、物の整理はもちろんのこと、そのノウハウを応用した、「仕事の整理」「時間の整理」「人生の整理」の手法が解説されています。 仲井さんの考える「整理」の原則とは、「自分にとって大切なものを使いやすくすること」です。物の整理だったら、使用頻度と、用途別に分けて、しまう場所を決めるという、シンプルなものですが、時間の整理の場合は、どうでしょうか。

これが、なかなかユニークな考え方なんですが、発想として、「時間の有限さ」を、「押入れのキャパ」に例えて考えてみます。 押入れ一杯に詰め込まれたものはなんでしょう? ……もう何年も開けていない段ボール、着ることのない洋服、捨ててもいいけど何となく取ってある品々……そんなものがたくさん入っています。 この押入れを「時間」にスライドして考えてみて下さい。押入れと同じように、有限である「時間」に、あってもなくてもいいものが大量に詰まっていると、時間がなくなるのは当然ですね。

そこに気づいて実感することができたら、自分の無駄時間を見える化する、「時間家計簿」のつけ方や、「自分の仕事の減らし方」など、具体的なテクニックの解説にはいっていきます。

まとめ

時間管理術の本としては、革新的に新しいというものではありませんが、「緊急性と重要度のマトリックス」とか、「時間値の効率を常に意識して働く」とか、基本的なノウハウ・テクニックは抑えてありますので、入門書としては非常におすすめです。

それよりもこの本の素晴らしいところは、「片付け」という非常にイメージしやすい習慣を軸にして、「なぜ現代人は忙しく働いていて、それがいかにマズいことなのか」を意識させてくれるところです。 仲井さんも言ってることですが、「片付けはあくまで手段であって目的ではない。目的はあなたが毎日楽しく過ごすこと」なんです。

だから、この本で時間管理術を学んだ人は、「余った時間でさらに仕事を!」なんていう、おかしなことにはならないはずです。 重要なのは、たくさん仕事をすることではなくて、良い仕事をして、幸せにすごすことです。そんなことを教えてくれる素敵な一冊でした。

40代からの自分の人生を充実させる整理術

[お知らせ]新刊ラジオ@第2部の無料版をスターートしました。

40代からの自分の人生を充実させる整理術

40代からの自分の人生を充実させる整理術

毎日残業、土日もどちらかは必ず出社して、祝日も出社。「仕事ばかりだけど、充実しているよ!」そんな人は要注意。それでは本当の成果は出ないし、継続することもできません。本書は、整理収納アドバイザー1級の著者が、「整理」のノウハウを、仕事の仕方や、時間の使い方に応用した、効果的に成果を出すための教科書。まずは自分の働き方を見直して、幸せな人生を過ごすために邪魔なものを「整理」しちゃいましょう。