新刊ラジオ第1432回 「中学受験は社会で合格が決まる」
日本で唯一の中学受験社会科専門塾を運営するカリスマ講師が、親御さん向けに書下ろした、中学受験用社会科対策本。一般的に国語や算数に重点が置かれる中学受験において、社会科に注目する理由や、社会科の学習において重要な事が書き綴られています。どうしても受験に成功させたい親御さん必読です!
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
受験に成功するもっとも堅実な方法
早速、この本のタイトルから突っ込んでいきたいと思いますが…。 『中学受験は社会で合格が決まる』 ええ!?それは言いすぎだろう!?と思いませんか? 中学受験というと、国語や算数の方が重要なイメージが強いです。
中学受験で出題される科目は、一般的に国語・算数・理科・社会の4科目。 さらに言えば、開成中学など一部の人気中学校は、国語と算数が85点満点で、理科と社会は75点満点、と配点に差をつけているところもあります。
そうすると、やっぱり中学受験における受験勉強のやり方は、どうしても国語と算数が中心になりがちだし、そうあるべきだと考えている人も多そうです。
では、なぜ、著者の野村さんは社会に注目しているのか? 今日は、このあたりを掘り下げていきましょう。
● 著者プロフィール 野村恵祐さんは、1985年生まれ。慶応義塾大学商学部卒業。株式会社NCF代表取締役。中学受験 社会科専門塾の「スタディアップ」の代表でもあります。 元々、社会科専門の塾の先生でもあるわけですね。
野村さんは大学1年の時から、大手進学塾や個別指導塾で講師としてアルバイトをしており、家庭教師の仕事もしていたそうです。この当時から、中学受験における社会科の学習を多く担当してきたそうで、その経験の中で、社会科の成績が上がったことにより、志望校や志望以上の中学に合格できた生徒もいたといいます。
この時の経験から、「中学受験において、まず国語と算数を優先的に固めて、社会科は最後にする」という固定観念が間違っているのではないか?と疑念を抱いてきたそうです。
そして、自ら社会科の講師として活動しているとき、この固定観念を打ち破る事例…。つまり、「早いうちから社会科の受験勉強を固めていけばいくほどに、どんどん合格を勝ち取る」という事例を、野村さんは何十件と見てきたと言います。
そうして、中学受験における社会科の学習の重要性に気付いた野村さんは、 中学受験社会科専門の塾を立ち上げて現在に至るというわけです。
社会科4つの原則(1)
まず本の第1章で書かれているのがズバリ「社会で勝つための4つの原則」という内容です。さきほど語った経緯から、野村さんが辿りついた、中学受験における固定観念を打ち破る受験対策ですね。 順番に見ていきましょう。
原則1 社会の配点を知る
これはさっき僕がいったように、一部の中学では、社会と理科の配点が低いことを、野村さんなりに分析した内容です。 野村さんの言葉を要約すると、「受験の合否は4科目の合計得点で決まる、つまり合格の定義は、4科目の合計得点が、その中学の合格最低点もしくはそれ以上の点数であること」とのことです。
そして、データによれば、概ねの中学の合格最低点は、その中学の受験者の平均得点と3〜7点の差しか無い、という事が示されています。 これはつまり、たった数点の差が合否を決める。ということですね。
もし、社会科の問題が1問2点なら、ほんの2〜3問間違えただけで、不合格になることもありえます。
さらに、国語・算数・理科・社会の4科目は、それぞれ難易度が違うにも関わらず同じ1点として扱われます。 例えて言うなら、算数の超難問が解けたとしても、徳川幕府の最後の将軍が書けなければ、受験に落ちてしまう…そんな状況もありえるわけです。
そして、多くの受験生が、国語と算数を万全に固めているならば、社会科を固めておくことこそが、入試で勝敗を分ける、と野村さんは語っています。
社会科4つの原則(2)
原則2 社会という科目の特性を知る
2つめの原則は、社会科の特性に言及したものです。
まず、野村さんはここで、社会の「正しい学習サイクル」を教えてくれます。 野村さんのいう「正しい学習サイクル」は3つのステップで構成されます。 1.効率のよい【授業】(これはinputです) 2.授業で習った単元を家庭学習で【暗記】する。(これもinputです) 3.【問題演習】によって、インプットした知識をアウトプットしてみる。
とても、シンプルですが、ロジカルな内容ですね。 勘の良い人は分かったかもしれませんが、社会科の特性とはズバリ、覚えたか覚えていないかで得点が決まるという、これまたシンプルなものです。 したがって、学習センスの無い子供でも、正しく学習すれば必ず成績が上がるのが社会という科目なのです。
原則3 塾の限界を知る 原則4 親としての役割を知る
この二つはつまり、覚えたか覚えていないかで得点の決まる社会科は、 塾や学校のみのインプット・アウトプットでは、成績を上げるのは不十分である、という事です。 そのため、家庭での学習の重要性や、親子二人三脚での学習の重要性が説かれています。
全体の構成
本書の1章の内容をご紹介しました。
2章で地理の攻略の仕方 3章で歴史の攻略の仕方 4章で公民の攻略の仕方 5章で時事問題の攻略の仕方が綴られています。
1章が原理原則、2章〜5章が実践ノウハウといった感じに纏まっています。
今回新刊ラジオでは、1章の原理原則しか紹介できませんでしたが、2章以降は、現役の塾講師らしい、ポイントを抑えた学習方法が解説されていました。これは是非、中学受験を控えているお子さんをお持ちの親御さんは読んでみて下さい。
● まとめ 今回の本は、受験生である小学生本人よりも、その親御さんに向けて書かれた本です。野村さんの意見にあるように社会は覚えたか覚えていないかで得点が決まる科目なので、親が子供の学習に協力しやすいという側面もあります。 是非、こちらの本を参考に、お子さんの学習を手伝ってあげてほしいと思います。
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