だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1424回 「スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション―人生・仕事・世界を変える7つの法則」

「ジョブズならどう考えるだろう」行き詰まったとき、そう思ったことはありませんか? 2010年、市場価格でマイクロソフトを追抜いたアップル社。その成長の鍵となっているのは、スティーブ・ジョブズの驚異的なイノベーションに他なりません。本書は、ジョブズのイノベーションを起こす才能やテクニックを、7つの法則に体系立ててまとめた一冊。ベストセラー『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』の第2弾!

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未来を作るジョブズの発想法とは?

今からおよそ1年前、去年7月に刊行された『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』を あなたは覚えていますか? 世界中を虜にする、プレゼンターとしてのジョブズに迫った一冊でした。

今回紹介する本は、その第2段! 著者の名前は、カーマイン・ガロ。彼もスティーブ・ジョブズに魅せられたひとりです。 カーマイン・ガロは、プレゼンテーションやメディア対応、コミュニケーションのスキルなどを指導する、世界的なビジネスコーチです。かつては世界で十本の指に入る、グローバルな広告代理店のバイスプレジデントも務めました。 スティーブ・ジョブズの分析家としても有名といえるのではないでしょうか。

そんなカーマイン・ガロが、今回、着目して本に書いたのは、スティーブジョブズの 「イノベーション」についてです。

iPhone は、携帯電話業界を皮切りに、僕たちの生活そのものを変えた、大きなイノベーションだったと思います。そして、まさにそのiPhoneの好調で、2010年、アップルは市場価格でマイクロソフトを抜いて、テクロノジー業界のトップとなりました。 自宅のガレージから始まったアップルが、ここまで大きく成長してくることができたのは、世の中の転機、然るべきタイミングで、「イノベーション」を繰り返してきたなのではないでしょうか。

スティーブ・ジョブズ イノベーション7つの要素

スティーブ・ジョブズが繰り返し起こしてきた「イノベーション」とは、一体どのようなものでしょうか。カーマイン・ガロは、スティーブ・ジョブズを形成する要素を、「7つの法則」に体系立てて、本書で解説しています。 では、その「7つの法則」をご紹介しましょう。

法則1 「大好きなことをする」 法則2 「宇宙に衝撃を与える」 法則3 「頭に活を入れる」 法則4 「製品を売るな。夢を売れ。」 法則5 「1000ものことにノーと言う」 法則6 「めちゃくちゃすごい体験をつくる」 法則7 「メッセージの名人になる」

本書では、これら7つの法則について、ひとつの法則につき2章ずつを割いて、解説していきます。

前半の章では、ジョブズが<どのように考え><どのようにイノベーションを成功させているのか>について分析し、後半の章では、ほかの起業家や、クリエーターたちの実例を取り上げて解説しています。

この本で定義している「7つの法則」そのものは、(風変わりではありますが)そのまま実践してどうにかなるものではありません。<どのように考えるか>、<自分自身を、世の中を、どう見つめるのか>が重要になるのだと思います。

今回の本のテーマは、「イノベーション」ですから、次の一節を取り上げてご紹介しましょう。

イノベーションは既存の技術の組み合わせだが…?

「イノベーションとは、既存の技術の組み合わせだ」ということは、聞いたことがある方も多いと思います。 ハーバード大学で6年間にわたって行われた研究においても、「イノベーターとそうでない人を分けるポイントは、関連付ける力(があるかどうか)」だと、結論付けられたそうです。即ち、関連がないように見えるさまざまな分野の疑問や課題、考えを上手につなぎ合わせる力です。 脳の関連付ける能力は、経験や知識が豊富になるほど高まり、新しいものを見たとき、今までにない関係に気づくようになってきます。その一部が斬新なアイデアとなり、 イノベーションとなる。興味深い話ですよね。

2009年12月のハーバードビジネスレビューに、『イノベーターのDNA』という、面白い記事が載っていました。

まず、あなたに一卵性双生児がいると考えます。 そして、脳や素質がまったく同じ、あなたと、あなたの双子が、新しいベンチャーの立ち上げをまかされたとします。与えられた時間は一週間。

この一週間、あなたは自室に閉じこもり、ひとりでアイデアを考えます。

対して、あなたの一卵性双生児は、次のような条件。 1. エンジニア、ミュージシャン、主夫、デザイナーなど10人に相談する。 2. 革新的なスタートアップ企業3社の見学に行く。 3. 新登場の製品5種類をチェックする。 4. つくったプロトタイプを5人の人に見せる。 5. これをトライしたらどうなるだろうかと質問する。

さて、このとき革新的かつ実現可能なアイデアを出せるのはどちらでしょうか?

もちろん、一覧性双生児の方ですね。ジョブズは、このように発想し日々動いているのです。

ジョブズはなぜ他人と違う見方ができるのか?

アップル?をご存知ですか? 丸みを帯びたカラーのプラスチックケースに入ったマックのパソコンですが、シンプルで、可愛らしい形をしていましたよね。

ジョブズは、パソコンはマニアがガレージに置くようなものではなく、家族みんなが使える、キッチンに置くようなものにしたいという風に考え、あるときキッチン売り場でみたフードプロセッサーをヒントに、マック?を生み出したそうです。

コンピュータのデザインにおいて、アップル?の形状はイノベーションであり、大人気のパーソナルコンピューターにした推進力でした。

のちにジョブズは、「すぐれた芸術家は真似る、偉大な芸術家は盗む」という言葉を出しました。 揚げ足をとられ、ジョブズがオリジナルなアイデアを生み出していない証拠といわれることもあるそうですが、前後をきちんと読めば、そんなことがないということがわかると、カーマイン・ガロは言います。

今日は、ジョブズの、この言葉の前後を紹介して、今回の本の紹介を閉めたいと思います。

つまり、人類が成し遂げてきた最高の物に触れ、それを自分の課題に取り組むということです。ピカソも、『優れた芸術家はまねる、偉大な芸術家は盗む』といっています。我々は、偉大なアイデアを貪欲に盗んできました。マッキントッシュがすごくいいものになった理由は、ミュージシャンや詩人、アーティスト、あるいは動物学者や歴史の専門家が開発にあたっていたこと、また、彼らがたまたま世界屈指のコンピュータ研究者でもあったことにもあるのです。(P151〜152)

本の続きはこの後、ジョブズはなぜ他人と違う見方ができるのか? ということころに入っていきます。 続きは本で読んでみてください。

スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション

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スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション―人生・仕事・世界を変える7つの法則

スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション―人生・仕事・世界を変える7つの法則

「ジョブズならどう考えるだろう」行き詰まったとき、そう思ったことはありませんか? 2010年、市場価格でマイクロソフトを追抜いたアップル社。その成長の鍵となっているのは、スティーブ・ジョブズの驚異的なイノベーションに他なりません。本書は、ジョブズのイノベーションを起こす才能やテクニックを、7つの法則に体系立ててまとめた一冊。ベストセラー『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』の第2弾!